所詮どちらも『自分党』ではないのか!?
2006年4月17日 tag:
小沢民主党の登場で、小泉自民党とどちらが本当の改革ができるのか。千葉県の補選ともからんで世間やマスコミの関心が高いようである。しかし、所詮、自民でも民主でも我が身可愛い「自分党」ではないのか。世論もマスコミも、その真贋を見極める洞察力を備えてほしいものだ。
国会では、議員年金の「偽装廃止法案」が成立した。普通「廃止」と名打てば、国民は「やっと議員年金も廃止されたか」と思うだろう。ところがどっこい、支給額は減らされるものの、現役議員にもOB議員にも年金支給が続く法案が、与党の賛成多数で成立した。一方、民主党案も議員OBには年金を温存する案だったから、所詮「目くそ鼻くそを笑う」の類だ。自分のこととなると棚にあげて保身に走る、それを取り繕うために法律の名前まで偽装する。こんな今の政党政治に、耐震構造「偽装」やライブドアの「粉飾」決算を批判する資格はない。
ここ横浜では先月、市長選が行われ異例の翌日開票となった。市選管によれば、職員の深夜の超過勤務手当や交通費など計3200万円が削減できたという。それほど「経費削減」にこだわる「改革市政?」の陰で、当の市長が、退職もしていないのに4200万円もの退職金をちゃっかりもらっていることをほとんどの市民は知らない。ちなみに、これは単なる一期四年分で、今後一期四年毎に同額の退職金が支給される。原資はもちろん税金である。ちなみに宮城県知事は自らの意思で退職金をすべて返上した。
市と言えば、横浜市議会もおかしい。市会議員は本会議や委員会に出席するのが仕事だから、そのために一人当たり年2000万円以上もの税金を払っている。にもかかわらす、その市会議員が議会に行くたびに、「交通費」と称して別途一万円の「費用弁償」がされる。これでは完全な給料の二重取りだ。自民会派も民主会派も、さすがに後ろめたいと思ったのか「改革」と称して従来の一万二千円を二千円削減したのだという。こんな市民を馬鹿にした市会議員は全員落選させるべきである。大阪市は批判に応えて全廃した。ちなみに「政務調査費」という領収書のいらない不透明なお金も月々50万円以上もらえる。これらの点は、県会議員も同様だ。
その県会議員と言えば、私の住む横浜市青葉区では、次の選挙で定員が3人から4人へ増えるらしい。民主党前代表の前原氏の「政令指定都市選出県議不要論」を引くまでもなく、政令指定都市の横浜市では、警察や高校関係業務以外は、ほとんど県から市へ権限がおりている。仕事のない県議をなぜ一人増やす必要があるのか。本来なら県民も区民も怒り心頭のところだが、日頃、県議が何人いてどんな仕事をしているかほとんど関心も興味もないから、こんな愚行が平気でまかりとおる。
要は、自民であれ民主であれ、国会、県会、市会であれ、議員や議会にまったく自浄作用がないということに尽きる。議員はお互いがもたれ合いの構造の中で、自分たちに都合の悪いことは公にはしないしかばい合う。そうした密室の中で自らの既得権益にはしゃにむにしがみつく。これでは国民や市民に「更なる負担を」と言っても、到底理解されないだろう。
「世間の非常識」が堂々と議会ではまかり通る。そうした政治が続く限り、日本の将来はない。
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