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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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大げさな芝居にだまされるな!・・・竹島問題

2006年4月24日  tag:

 「竹島問題」が、先週土曜日の夜決着した。マスコミ各社が決裂含みの厳しい交渉を予想する中、私は、テレビの早朝番組(注)で一人、今回の決着を予言した。
 何も外務省から内幕を聞いていたわけではない。これまで実際に首脳外交や通商交渉に携わってきた私の「読み」であり「勘」だった。

 竹島は韓国に実効支配されているわけだから、そこを根本的に解決するのは今回は無理で、その時期でもない。一方、海底地形名は逆に日本が「実効支配」している分野で、そこに韓国が土足で入り込んでこようというのだから、そこは敢然と阻止しなければならない。
 そういう意味では、今回の日本政府の措置、すなわち該当海域の海洋調査でジャブを打って、結局、当面、韓国名での提案を先送りさせたのだから、従来の「事なかれ主義」の対応とは異なり、めずらしく「領土保全意識」の発露がみられる、評価できる内容だったと言えよう。
 もちろん、「竹島問題」はすべて先送りされただけで現状維持が続いたわけだから、その点をとらえて批判するのは簡単だが、それでは今回、他にどういうやり方があっただろうか。

 ただ、交渉後の報道はいただけない。一方的な外交当局の発表を鵜呑みにして、「一時交渉決裂も」といった検証記事を書くのはどうか。確かに、交渉の現象面からだけ見れば、そう思わざるをえない場面もあったとは思うが、往々にして、外交当局はそういった状況をあえて演出する。ましてや今回のようにお互いの世論を背負い、原則論で譲れない領土関係交渉では尚更だ。短時間での交渉妥結ではもたないし、お互い立場を真摯に主張し議論を尽くしたという「格好」が対外的にどうしても必要だ。

 私が土曜日中の決着を予想したのには他に理由がある。一番大きいのは、通常、外交交渉に携わらない外務事務次官が、こちらからわざわざ出向いて交渉に当たったことだ。これは外交慣例上は極めて異例で、かつ、谷内次官は官房副長官補として官邸にいた経験から、小泉首相との関係も良い。韓国側の自尊心をくすぐっておいて、かつ、麻生外務大臣や小泉首相がカウンターパートとの直接対話ができない中で、後のない「断崖絶壁」の交渉というメッセージを韓国側に送る意味もあった。ある程度の成算があって谷内次官は渡韓したはずで、そうでなければ、あの沈着冷静でリスクを犯さない性格の谷内次官が出向くはずもない。韓国にも、本件でもめて竹島の領土問題の存在をことさら国際的に浮き彫りにするのは得策ではないという判断もあっただろう。

 したがって、この「お芝居」の中では、おそらく、今後の朝鮮半島をめぐる、もっと重要な問題につき話し合われた可能性が高い。当然、横田めぐみさんのご主人のDNA鑑定の問題や拉致問題での共闘、北朝鮮の核開発等の六カ国協議にも及んだことだろう。それが二日間、しかも長時間に及んだ交渉の内幕だ。その成果は、おいおい、そうとは思わせない形で、我々の知るところとなる。

 (注)TBS「みのもんたのサタデーずばっと!」土曜朝5時45分~7時30分

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