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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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よ~く考えよう・・・PSE問題

2006年3月27日  tag:

 今騒動になっているPSE問題は、国民の「安全と安心」の体感温度を図る上で、実に興味深い事例となっている。PSEとは、家電製品など電気製品の安全性確保のための認証制度のことである。
 ことは、坂本龍一さんをはじめビッグネームのミュージシャンたちが本問題に参入してきた頃から大きくなった。マスコミの注目度も大きくアップし、担当の経済産業省の担当部署はこてんぱんにやられている。

 要は、2001年4月に電気用品安全法が施行され、漏電などの検査で安全性に問題がないと確認した製品にPSEマークの表示が義務づけられた。その後、製品によって規制の猶予期間が設けられていたが、いよいよテレビ、冷蔵庫など259品目について、この4月から、マークのない製品の販売が禁じられることとなったのである。

 問題は中古品である。これまでは販売自由であったものが、新法により、検査をしマーク表示が義務づけられたので、中古品販売業者が反対の声をあげたのである。また、ビンテージものと言われる電子楽器や音響機器を使うミュージシャンも立ち上がった。

 確かに、何か事故があっても一般法理である「製造物責任」により、メーカーに責任を追及できるわけだから、特に、既存品(中古品)にまで、新たに国がマーク取得を義務づけるのはお節介とも言える。またぞろ、新しい認証制度を創設して、そこに役人の食い扶持を潜り込ませる魂胆ではないかと批判を受けてもやむを得ない面もある。

 しかし、一連のマスコミ報道を見ていると、あまりにも「消費者保護」という観点が抜け落ちていないか。あれだけBSE問題では、世論もマスコミも口を酸っぱく厳格な検査やチェック体制を叫ぶのに、不思議と本件では「自分らが勝手に使っているのだから勝手にさせてくれ」「音楽家生命にかかわる」「リサイクルの時代にそれを阻害する、逆行する」といった声にかき消される。

 ただ、これだけ「メイドインジャパン」の技術が上がったというのに、今でも年間1000件以上の漏電、接触不良等による火災や感電事故が生じている。そして、新製品よりも中古品の方がそのリスクは大きい。こういう現状をみて、やはり、一般消費者の安全のため、何らかの形で公的に事前チェックをしてほしいと言うのか、いや、それよりも、音楽家や中古販売業者の保護の方が大事で、消費者も自己責任で中古品を買えば良いではないかと言うのか。確かなことは、後者の場合、今後、家電等の電気製品でどんな事故が起こっても国の責任は追及できないということだ。

 経済産業省は、世論の批判を受けて、マークを与える際の検査機器を無料で貸し出す、無料の出張検査も行う、「ビンテージもの」と呼ばれる希少価値のある年代物の音響・映像機器などを検査なしで販売できるようにすることなどを決めた。さらに中古品販売業者の要望をいれて、検査機器が行き渡るまでの間は業者が商品をレンタルし、検査を実施した後、事後的に販売に切り替える便法も認めた。

 これを世論にいたずらに迎合し法律の骨抜きを図ったととらえるのか、やっと役所も法律の不合理性を認めたととらえ、それならこんな法律自体必要ないとするのか。「大きな政府」と「小さな政府」といった議論ともからんで、国民一人一人の「安心・安全」に対する感覚が問われる事例である。

北朝鮮による国家犯罪を摘発せよ・・・・米国務省『国際薬物規制レポート』
『呆れ果てた政府の情報能力・認識の甘さ』・・・・北朝鮮による麻薬取引・紙幣偽造