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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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よく言った!前原さん・・・政令市選出県議不要論

2006年3月13日  tag:

 満身創痍の民主党前原代表が、先日、おもしろいことを言った。「政令指定都市選出の県議は必要ない」。まさにそのとおりである。ただ、この発言については、早速、当事者の県議やお膝元の民主党からも猛反発が出ている。

 事の発端はこうだ。3月6日、前原氏が、横浜市内の民主党参議院議員の朝食会で講演し、政令指定都市選出の道府県議会議員について「ほとんど仕事が無い。神奈川県議会(定数107人)の半分以上が、横浜と川崎(56人)から選ばれているのはおかしいと思いませんか」などと「政令市県議不要論」を展開したというのだ。
 前原氏は、「政令市には都道府県並みの権限が与えられている。権限が市にあるから、政令市の県議には仕事が無い」と説明。京都市内選出の府議だった自らの経験も踏まえ、「私が触れたのも府立高校、京都府警、一級河川の三つだけ。社会保障、インフラ整備などは市に移譲されている」と指摘したという(以上は神奈川新聞からの引用)。

 ニュースにはなったが、こんなことは巷間「知る人ぞ知る」、よく言われていたことだ。政令市選出の市議なぞ「(政令市の)県議になんかによくなるものだ。市議の方がよっぽど権限があるのに」と日頃陰口をたたいているからだ。ただ、それを表向き、勇気をもって言う人がいなかっただけのことである。なぜなら、国会議員も市会議員も、その県議のお世話になって当選している人が大部分だからだ。

 県議だけでなく知事も同様だ。例えば神奈川県知事の場合、すっぽりと横浜・川崎関係業務が抜け落ちるため、実際は、それ以外の地域の仕事がほとんどだ。予算で比較してみても、この実態を反映して、横浜市一市と神奈川県全体の予算規模が、それぞれ2.5兆円程度と拮抗している。要は、前原氏の言うとおり、政令市選出県議には、極論すれば、警察と県立高校の仕事しかない。しかも、この分野においても県議がどれほどの仕事をしていると言うのか。

 しかも驚いたことに、県会(市会もそうだが)は「一年を2~3ヶ月で暮らす良い男」?なのである。県議会、市議会の開会期間は、年何と2~3ヶ月にすぎない。国会は、何だかんだ言われながらも毎年、1月20日過ぎから通常国会が開会し150日間、6月中旬まで続く。ただ、それで終わる場合の方がまれで、普通、会期が延長され、7月~8月まで続く。昨年は、ご承知のとおり郵政法案をめぐって紛糾し、8月のお盆の週直前まで延長された。その後も通例、9月~10月にかけて臨時国会が開会され、12月の上旬まで続く。何のことはない、国会議員の場合「通年国会」が常なのである。これに比べて、県会(市会)の楽さ加減と言ったら。一年中、やれバス旅行だ、ゴルフ大会だ、ボーリング大会だと後援会員と遊び回っている地方議員が多いことも、これで頷けるだろう。

 「しかも年収で言えば1500~1600万円くらいある」(前原氏)。いやこれに加えて、領収書不要で公開の要のない「政務調査費」も、議員一人当たり、神奈川県議には毎月53万円、横浜市議には55万円支給されるから、ゆうに年収2000万円を超えるのである。誠に良い商売で一度やったら辞められないのもわかる。しかし、これを「壮大な税金のむだ遣い」と言わずして何と言おうか。

 権限、すなわち仕事がなければ人員を削減するのは、議会でも民間会社でも当たり前の話だ。反発する県議の中には「税金のむだ遣いを監視する役目は多い」とのたまう輩もいるようだが笑止千万、自分自身が「税金のむだ遣い」なのだから自ら身を引くべきだ。それが嫌なら「大胆な定数削減でもしてみろ」と言いたい。しかし、そんなことはお構いなしに、今、神奈川県議会では「人口増減による定数是正」とう名目で、例えば、我が横浜市青葉区では県議の定数が1増(現行3)となるらしい。「地元の陳情処理も多い」という反論もある。しかし、もうそうした旧い「陳情型政治」は止めにしてほしい。得てして、そうした「陳情型政治」は、県政や市政を歪める方に働いてきた。

 とにかく「地方議会改革」が急務だ。しかし情けないことに、その地方議員自体に自浄作用がない。ここ横浜市会でも、給与の二重取りと批判されていた「費用弁償制度」(議員給与以外に、本会議や常任委員会に出席するたびに「交通費」と称して一回当たり1万2千円支給)の改革が、たった2千円減の1万円にすることで決着した。「廃止」が全国的流れなのにとんでもないことである。こんな議案に賛成した市会議員は、今度の統一地方選(来年4月)ですべて落選させるべきだろう。

 以上のようなことは、私も、国政から地方の場に生活の拠点を移してからはじめて知ったことである。一般県民や市民の方々も知らない人が多いのではないか。現在進行中の横浜市長選挙でも、一旦「地方議会改革」が俎上にのぼったと思ったら即しぼんでしまった。それだけ地方議員に「我が身可愛い」抵抗は強いのである。

 ならば、来年春に向けた統一地方選への対応の中で、私自身、こうした地方議会の理不尽な実態を広く周知し、批判と改革の声を高めていきたいと思う。必要があれば「地方議会改革」に熱心な県議、市議候補者を立て、あるいは応援しても良い。有権者の皆さんのご理解とご支援が一番必要な分野である。

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