造反議員よ、大志を抱け!
2005年10月24日 tag:
郵政民営化反対を理由に「造反組」のレッテルを貼られ、今月中にも党紀委員会での処分を受ける予定の議員たちが右往左往している。そんな人たちには「もっと政局の大局観を持て」と言いたい。
自分の信念を曲げてまで郵政民営化法案に賛成票を投じる。彼らは一様に「それが総選挙の民意、結果だ」と言い訳するが、彼ら自身への民意は、選挙区での、反対票を投じたことを含む政治家としての主義主張への民意のはずだ。自民党復党への恋々とした私利私欲のために、政治家としての信条を捨て、投票してくれた有権者すら裏切る。世論が彼らを評価せず、反対の信念を貫いた平沼赳夫氏を評価するのも当然だろう。
離党して無所属になれば、「企業献金の受け皿たる政党支部もなくなる」「選挙も戦えない」等々は論外だ。「除名や離党勧告の前に、自発的に離党すれば将来の復党も可能」という打算も見え隠れする。
不肖私は、2002年秋、衆院補欠選挙に立候補した時、もちろん除名も覚悟で自民党に離党届を出した。ただ「除名すれば、判官贔屓の有権者がかえって江田を支持し得策ではない」という地元自民党側の事情、判断で除名がなかっただけの話だ。
その後三回、純粋無所属で選挙戦を戦い、確かに例えようのない厳しい試練に遭遇したが、「自民党や民主党の看板でしか勝てない政治家にはなりたくない」「地元で独自の江田党を作ることこそ政界で信念を貫く道だ」「しがらみのない政治家にしか本当の改革はできない」等の信念が揺らいだことはない。政党の看板は、あとからついてくれば「儲けモノ」程度の考えで、造反議員が心配する、企業・団体献金や各種利権・圧力団体からの推薦支援等はハナから受けていない。
来年秋には、小泉首相はやはり退任するだろう。民主党の前原代表の任期切れも同時期だ。自民党総裁選で誰が選ばれるのか。前原氏で「ごった煮」民主党をまとめていけるのか。来年秋以降は何が起こってもおかしくない政治状況だ。小泉政権も、年末の予算編成で、医療制度改革や税制改革、政府系金融機関の統廃合や公務員数の純減等で改革に逡巡すれば、世論は踵をかえして自民党離れを起こすだろう。
その最初の試金石、試練が再来年の参院選になる。「世論の揺り戻し」を、既に自民党、特に改選予定の参院自民党議員は身にしみて感じている。2004年の参院選で「民主50議席対自民49議席」であったことを考えれば、次回の参院選で与野党逆転も現実味を帯びてくるだろう。そして、いよいよ天下分け目の決戦が「四年後の衆院選」ということになる。政界再編も夢物語ではない。そんな時に自民かどうか、離党だ除名だなんてことは遠い過去のことになっている。問われるとしたらむしろ「信念を貫いた政治家かどうか」だろう。
なにも右往左往する必要はない。「造反議員よ!大志を抱け」である。
Copyright(C) Kenji Eda All Rights Reserved.