今度こそ政府系金融機関の統廃合を!
2005年10月 3日 tag:
特殊法人の整理合理化計画(01年12月の閣議決定)で積み残されていた政府系金融機関の統廃合が、小泉首相の指示でやっと動き出した。政権発足当初、小泉首相が一本化を唱えていた政府系金融機関八法人のことだ。
政府系金融機関とは、日本政策投資銀行、国際協力銀行、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、農林漁業金融公庫、公営企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫のことを言う。当時、経済財政諮問会議で「経済情勢を見極めつつ、できるだけ早い時期に結論を得る」とされたが、その後議論されてこなかった課題だ。
背景には、景気が低迷して、特に中小企業向け融資を、不良債権問題にあえぐ民間金融機関に代わって行う必要性が高いという理由から、族議員や官僚の反対に抗しきれなかったことがある。確かにその後、これらの機関が、ある程度、そうした役割を果たしてきたことは認める。
しかし、私は当時から、厳しい金融情勢だからこそ、統廃合して、削減した天下り役員の給与分や共通経費分を中小企業融資に回せばいいと主張してきた。統廃合の結果、政府系金融機関の数がどうなろうが景気には関係ない。問題は「融資の質と量」なのである。官僚主導では、そういう発想ができない、いや、あえてしない。
今回も早速、霞ヶ関から「はじめに統廃合ありきではなく、機能論が必要だ」という防御線が張られている。「機能論」とは、「一体、政府系金融機関のあり方とは何で、民間金融もある中でその位置付け如何、そして、そのためにどういった分野にどのような金融が必要なのか」という一見もっともらしい理念・政策論だ。
官僚のいつもの言い草、組織防衛のために使う常套手段で、軽々にそれに乗ってはいけない。大臣や政治家の中に、その振り付けられたセリフどおりにモノを言っている人がいるのは情けない限りだ。
「機能論」を言うなら、「政策金融は必要だが一本、せいぜい、海外と国内用に二本あればいい」で片づく話だ。日本政策投資銀行に、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、農林漁業金融公庫、公営企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫を統合し、それぞれを「部」にすれば良い。そして、役員や共通経費を中心に徹底したリストラをする。名前は「日本政策金融」とでもすれば十分だ。国際協力銀行はそのままでも良いが、どこの民間金融でも海外部門は持っているのだから、小泉首相が当初言っていたように、一本でも良い。
要は、屁理屈をつけて、事務次官や局長クラスの天下り先を、省庁別に(縦割りに)設けてきたのが実情だ。金融がどうの景気がどうのとは全く異なる次元の話に、「機能論」などは「くそ食らえ」なのである。
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