機能していない岸田官邸・・・派閥には敏感、世論には鈍感④(毎日新聞江田インタビューから)
2022年11月12日 tag:
◇官邸で何が起こっている
宗教法人法の解釈を巡る答弁を一夜にして変更したことにも正直、驚いた。朝令暮改そのものだ。これほど重要で基本的なことで間違いが起こる。
一体、官邸で何が起こっているのか。官僚(経済産業省)として内閣法制局に通い、首相秘書官(橋本龍太郎元首相)として首相答弁を担当していた経験からすれば、省庁が作ってきた首相答弁をチェックする体制がおろそかになっているということだ。
国会運営で与党国対との意思疎通の欠如も度々指摘されており、こんな官邸に国の危機管理を任せて良いのだろうかという疑念さえ覚える。安倍・菅政権のように、霞が関をはじめ四辺に睨みをきかすような人物がいないことも背景にあるのではないか。
その一方で、「所得倍増」とか、「子ども予算倍増」とか、簡単に「倍増」という言葉が出てくる。私の経験から言えば、首相の言葉に載せる以上は、おおよそでも財源と道筋を検討し、いけそうだという見通しを立ててから発言してもらうものだ。しかし、それを野党から質されても「今後検討、検討」の「検討使」。
目玉政策の「新しい資本主義」も、「分配」の二文字が消え失せて何が「新しい」のかまったくわからなくなった。内閣支持率急落や岸田政権を支える党内有力者や財界等を気にするあまり、右往左往しているのが今の岸田政権の現状だろう。(終わり)
Copyright(C) Kenji Eda All Rights Reserved.