安倍・菅政権と「強権的な政治」が続いたあと、人柄の良さそうな岸田文雄首相の「癒しの政治」に、国民が当初、期待したところはたしかにあった。
自ら「聞く力」を標榜したこともあり、朝令暮改も逆に「柔軟さの表れ」と好意的に解釈された。しかし、「丁寧な説明」と言いながら、丁寧なのは言葉だけで中味がない、「聞く力」と言っても、それは国民の声を聞く力ではなく、党内の有力者、派閥の声を聞く力だということが段々とわかってきた。悪い言葉でいえば「化けの皮がはがれた」、それが内閣支持率急落の最大の要因だ。
◇何に敏感だったか
国葬は岸田首相にしては珍しく電光石火の早業で決定したが、明らかに最大派閥である安倍派に媚びるためだった。山際大志郎前経済再生担当相の更迭が遅れたのも、山際氏の派閥の領袖である麻生太郎氏、幹部の甘利明氏に配慮したからだ。(続く)
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