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不自由な顔で自由を語ってはいないか

2022年7月12日  tag:

私の青春そのものと言っても良い吉田拓郎さんが引退します。

 肺がんを患って、いつ引退されるかもしれない。
そうした思いで、19年夏、自分で応募したチケットがたまたま当たって、一人でフォークの聖地「神田共立講堂」でのコンサートに行きました。

 さすがに、往年のバイタリーティーのある歌唱力とはお世辞にも言えず、本当に残念ですが、引退は時間の問題と思っていました。ですから驚きはありません。


 この記事にあるように、小学生時代はグループサウンズ、中高生時代はフォークソング、大学から社会人なりたての頃はディスコ。
我々の世代はそんな時代です。

 「春だったね」をはじめて聞いて、その「字余りソング」と飛び跳ねるようなメロディーラインに魅せられて、親にねだってヤマハのフォークギターを買って、せっせと拓郎の歌をコピーしました。
出たアルバムもすべて買いました。
当時は井上陽水さんやかぐや姫も人気でしたが、私は脇目もふらず拓郎オンリーでした。

 別に、ここで取り上げた「知識」のような社会性のある歌だけが好きなのではありません。
そこは恋だ愛だなんて歌も、ちょっとふざけたCMソングも大好きです。
でも大ヒットした「結婚しようよ」や「旅の宿」はカラオケでも歌いませんし、ギターでコピーもしません。
ちょっと違うんですね。
 
 私が一番憧れたのは、拓郎の、そのバンカラな生き方です。
学歴社会の優等生?のような生き方をしてきた私にとって、真似したいけどできない拓郎の生き方。
私もその壁を打ち破ろうと精一杯バンカラであろうとした官僚時代。

 思えば、42歳で自らの判断で人生をリセットできたのも、そうした拓郎の生き方に感化されていたのかもしれません。

 この参院選の結果を受けて、政治家としてどう身を振るのか。
案外、拓郎の歌をあらためて聴き直して決めるかもしれません。

(今発売中の週刊ポストの記事には「知識」の歌詞も引用)

〈自由を語るな不自由な顔で〉
〈看板だけの知識人〉
〈理屈ばかりぶら下げても、首がとんでも血も出まい〉

 政治家になったいまも自分は知識人側にいるのでしょうし、"お前ら身分を保証されてリスク取ってないだろう"と言われているように感じます。

〈看板だけの知識人〉になっていないか、〈不自由な顔で自由を語って〉いないか。
人生の転機や何か決断する時には、自分を戒める意味もこめてこの曲聴き、自分の立ち位置を確認しています」

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