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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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横浜市広報の「ウソ」と「真実」⑥・・・IRってどんな効果があるの?

2020年12月12日  tag:


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⑥IRってどんな効果があるの?

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(ウソ)
 これまでにない大規模な民間投資により、建設・運営段階を通して、市内中小企業の受注拡大や雇用の創出、国内外からの観光客による消費の拡大など、横浜市全体に大きな経済的社会的効果をもたらすことが期待されます。

 更に、税収などの歳入増が見込まれており、これらは厳しい社会経済情勢においても豊かで安全・安心な市民生活を、より確かなものとするための財源に重きをおいて活用していきます。


(真実)
 たしかに、IRではビルや建物がいっぱい建つのですから、一時的な建設投資の効果はあるでしょう。しかし、国も横浜市もその「負のコスト」をまったく試算していません。これでは、市民をだましていると批判されてもしょうがないでしょう。

 そもそも、カジノ(賭博)は所詮、人から掛け金を巻き上げる「ゼロサムゲーム」、儲かる人がいれば、必ずその分だけ損する人がいる。いや、それ以上損をするからカジノ企業(胴元)に利益が出るのです。付加価値は産み出さない。

 そして、ギャンブル中毒(依存症)になれば、家庭内暴力や離婚で家庭崩壊、一家離散、はては自己破産、自殺等々の悲惨な現実が進行していく。その対策経費、救済経費も莫大なものになるでしょう。韓国では全部で7.7兆円の損失という試算もありますし、米国ニューハンプシャー州の報告では、その社会的コストは「病的ギャンブラー」1人当たり5144ドルという推計もある。

 こうしたカジノが生み出す負の側面、コストも踏まえた総合的評価が欠かせないのに、国も横浜市もまったく答えを持ち合わせていません。

 また、カジノ(IR)には「カニバリゼーション(共食い)」という問題もあります。米国では、カジノ創設により、周辺地域での消費減少、地場産業の倒産による雇用喪失や税収減が報告されています。

 ニューハンプシャー州では、カジノ開業で周辺地域から40%~60%の「消費の吸上げ」が発生するとされているのです。カジノを作っても巨大ホテルでカジノ客を囲い込むだけで、周辺地域に金は落ちない。浦安市にあるディズニーランドも、その客のほとんどは、ディズニーランド内で食事し買い物をし、そのまま家に帰ってしまう。わざわざ園外に出て、浦安市で買い物、食事をしようという人が何人いるのでしょうか。

 そう、従来なら、地元商店街(元町や中華街)に落としていたお金が、カジノ(IR)という巨大ショッピングセンターに吸い尽くされてしまうのです。これでは地域振興どころか地域衰退に拍車をかけることになるでしょう。

横浜市広報の「ウソ」と「真実」⑤・・・IRの整備にどのくらいの税金が必要なんですか?
横浜市広報の「ウソ」と「真実」⑦・・・海外の事業者に日本のお金が吸い取られてしまうのでは?