集団的自衛権 一口メモ①~④
2014年7月11日 tag:
(集団的自衛権 一口メモ①)
大学で法学部にいった人は、教授から「自衛隊は違憲」が通説と習ったはずだ。文理解釈上はそのとおりだろう。9条2項「交戦権の否定」が決定的だ。
それを政府は、歴代政権は、自然権、生存権の一環として「個別的自衛権」は有するので自衛隊は合憲としてきた。これもそれもギリギリの「政治(生活)の知恵」だろう。そこを、だからと言って、拡大解釈で踏み越えるのは如何なものか。
(集団的自衛権 一口メモ②)
安倍首相や安保法制懇のメンバーは、口を開けば「国際法」「国際法」とのたまう。しかし、国際法は、まだ「熟していない慣習法」にすぎない。
ましてや、今、日本で議論している「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の「はざま」の概念に、確立した考えなぞあろうはずがない。国際社会では、「個別的」「集団的」の区別を論じる実益がないからだ。日本は憲法9条があるからこそ、こんな国をあげた大議論になっている。
(集団的自衛権 一口メモ③)
国際政治学者の間では、「集団的自衛権」は常識らしい。一方、憲法学者の間では「自衛隊は違憲」、「集団的自衛権」は非常識となる。
それもこれも、前者が「条約が憲法に優先する」と考えるのに対し、後者は「憲法が条約に優先する」と考えるからだ。これも職業意識の一環?
(集団的自衛権 一口メモ④)
外務官僚が「国民はバカだから、こう言っておけば良いだろう」と持ち出すのが、国連憲章51条。ここに「自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告」とあるからだ。
外務官僚は「報告」に当たって、「個別的」「集団的」を区別して報告しなければならないからその境界線は明確に、そうしなければ「国際法違反」ということらしいが、そんな区別をして報告している国などないし、実際は、「口頭」で「電話」で報告にとどまっている場合もあり、そもそも「報告」すらしていない事例も数多くある。
そもそも、この議論で「国際法違反」を持ち出すところが「由らしむべし知らしむべからず」の官僚の本性。
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