集団的自衛権一口メモ⑤~⑦・・・安倍首相、政府の見解は異端
2014年7月13日 tag:
(集団的自衛権 一口メモ⑤)
マスコミも、安倍首相や外務官僚の言うことを鵜呑みにしないで、少しは国際法の教科書ぐらい読んでほしいですね。そこには、こう書いてあります。そう、安倍政権の言っていることは第三説で少数説、日本だけで通用する考えであることがわかります。
結いの党は、通説、第二説をとりますから、今回の閣議決定は集団的自衛権を認めたものではなく、個別的自衛権の範囲内と解するわけです。
【集団的自衛権の本質・性格】
第一説 個別的自衛権共同行使説
両国がそれぞれの個別的自衛権を共同して行使
第二説 他国防衛説(国際司法裁判所が採用)
他国を防衛する権利(正当防衛のうち「他人の権利の防衛」に対応)
第三説 死活的利益防衛説(日本政府見解)
他国への武力攻撃で自国の死活的な利益が害された場合に行使
(「集団的自衛権」とは?/「国際法」東信堂より)
あくまでも「集団的自衛権」は、国際法上は「他国を守る権利」で、今回の閣議決定は、他国への攻撃を端緒とはしていますが、その結果「国民の生命・権利を根底から覆す明白な危険」を除去するため、と書いてありますので「自国を守る権利」=「個別的自衛権」なのです。
(集団的自衛権 一口メモ⑥)
日本のマスコミも極端に振れすぎるので困ったもんですね。「中庸」がない。本来、日本人は「中庸」なんですけどね。
朝日、毎日、東京は、安倍政権が閣議決定をして「おもちゃ箱をひっくり返した」ような騒ぎをしている。「これで日本は戦争のできる国になった!」。
一方、産経、読売、日経は、安全保障環境の変化に応じて「集団的自衛権の限定容認」は当然のように書く。文理解釈上「自衛隊は違憲」とする「9条」があるからこんなに苦労しているんですがね。
その「はざま」で、自民党政権を含む歴代政権は、なんとか、時には危ない橋も渡りながら従来解釈を守ってきた、知恵を出してきた。まさに結いの党は、そういう知恵、見解を出したんですがねえ、「振れすぎたマスコミ」では、報道される「すき間」がない。
(集団的自衛権 一口メモ⑦)
まあ、あの「DNA真性保守」の安倍首相は、今回、「名をとって実を捨てた」んでしょうね。意外でしたが。とにかく「集団的自衛権」という6文字が欲しかったんでしょう。でも中味は「個別的自衛権」です。
公明党も正直、よく頑張ったと思いますよ。こんなに限定、縛りをかけたんですから。「国民の生命、権利が根底から覆される明白な危険」というのは、現実にはほぼ考えられない、いや「武力攻撃」と同視できる場合ですからね。もっとも、そこの拡張解釈には目を光らせなけれがいけませんが。
ただ、どうして、そこを公明党は「いや、個別的自衛権におさめたんですよ」って言わないんでしょうかね。それもこれも、自公連立最優先の「究極の玉虫色」決着なので、はっきり言わないことにしているんでしょうね。
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