私のルームメイトがUSTR代表に!?・・・マイケルフロマン大統領補佐官
2013年4月30日 tag:
皆さん、マイケル・フロマン(Michael Froman)という人物をご存じでしょうか?知っている方はかなりの米国政治通、日米関係、特に、TPPや通商関係に精通している人でしょうね。
彼は今、オバマ政権二期目のUSTR(米国通商部)代表に目されている人です。この26日、米国メディアが一斉に報じました。USTR代表とは、今、最大の懸案事項の一つ、TPP等米国の対外的な通商問題を一手に引き受けるポストで、オバマ政権の閣僚メンバー(大使級)でもあります。
なぜ、彼を取り上げるかというと、何と彼は、私のハーバード留学時代(1987年~88年)のルームメイトだったのです。そう、男二人で一年近く同じ家で暮らしました。私も彼も国際問題研究所(Center for international affairs)の研究員、私が日米関係、彼がロシア問題。彼は勉強が好きで、プリンストン大学を卒業した後、オックスフォード大学に留学し、そしてハーバードへ。私と一年暮らした後は、そのままロースクールに行き、そこでオバマ大統領と同級生になります。Harvard law reviewという歴史ある学内雑誌の編集長を相前後して務め、無二の親友になったそうです。
マイクはその後、金融界に入り、ルービン財務長官(クリントン政権)の補佐官やシティーグループの取締役等を務め、オバマが大統領選に出る時は、ファンドレイジング(資金集め)やワシントン政界への紹介等に尽力したそうです。その功績が認められ、オバマ政権発足後はホワイトハウス入り、大統領次席補佐官として、国家安全保障やG8サミットのシェルパ(政府代表)、通商・経済問題等を担当してきました。日米通商筋では、対日本でかなりのタフネゴシエイターとして知られています。TPPへの日本参加問題等がその典型でしょう。
米国留学から帰国後、もう彼とは会うこともなかろうと思っていたところ、何とその後、仕事で会いまみえることになります。例の世界の耳目を集めた「日米自動車交渉」で突然彼と会ったのです。場所は交渉先のジュネーブ。「え?なんでお前はここにいるんだ?」と聞く私に彼は「今、NSC(国家安全保障会議)のスタッフをしている。その立場で交渉に携わっている」と。当時、橋本龍太郎通産大臣と私(大臣秘書官)は、弁護士出身のカンターUSTR代表と熾烈な交渉をしていたのです。後に、この交渉過程が米国側に盗聴されていたという疑惑が報じられましたが、もしかしたら、経済問題の自動車交渉に安全保障の専門家がついていたということからすると、それは本当だったのかもしれません。
いずれにせよ、今回、彼とは久しぶりに連絡をとりあいましたが、お互い、年をとっても「マイク、ケンジ」と呼び合う仲。来週にもオバマ大統領から正式にUSTR代表就任の発表があれば、特にTPP問題では早速、情報交換、意見交換をしなければなりませんね。
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