復興予算の流用・・・官僚の常套手段「お化粧直し」「看板掛け替え」
2012年9月26日 tag:
復興予算19兆円のうち2兆円が、復興に直接関係ない事業に転用されていることが、NHKスペシャルや報道ステーション等の報道によって明らかになりました。
皆さんに増税(所得税、法人税等で10.5兆円)までお願いして得たお金が有効に活用されない。消費増税の13.5兆円のうち5兆円を公共事業に使うという問題も含めて、今の政治、官僚の問題点を浮き彫りにしています。
なぜ、こうしたことになるのか?それは以下の2点に集約されます。
①こうした「看板の掛け替え」「お化粧直し」は官僚の常套手段だということです。特に昨今、予算の制約が厳しく新規予算が認められにくい。したがって、こうした予算のとりやすい大義名分(看板、お化粧)に便乗して予算をとろうという魂胆です。
その理論武装は官僚のお手のもの。これまでも毎年の予算編成時の「総理特別枠」、たとえばITが重点となれば、既存の道路整備でも「只今渋滞中」という電光掲示板を付設するだけで見事なIT事業に変身する。こうして本来事業でない事業が潜り込むことになるのです。それを看破できない政治の責任でもあります。
②ただ、官僚ばかりを責められません。とにかく「はじめに19兆円総額ありき」で、実際の事業の積み上げ、積算が追いつかないという事情も背景にあったでしょう。
政治的には総額の数字自体が大事。ただ、復興には被災地のニーズや情報把握等の面で、どうしてもタイムラグが生じる。しかし、復興予算は組まなければならない。畢竟、本来事業でない事業も入れないと格好がつかない。そうした「中身より見栄え重視」という政治の意向も色濃く反映されます。こうした拙速が、こうした事態も招来するのです。
一体、誰のための「復興」「増税」なのでしょうね。
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