オスプレイの強行配備に為す術のない民主党政権・・・安全保障の専門家もいなければ米国に物言う政治家もいない
2012年7月 4日 tag:
米のオスプレイの強行配備に、なすスベのない民主党政権。これでは沖縄全県民を敵に回すのは必定だろう。この結果、事故が起こり沖縄県民の生命や財産に重大な結果が出た場合、一体、誰がどういう責任をとると言うのか。沖縄全土の基地閉鎖という事態になれば、日本の安全保障に深刻な打撃を与える。
元々、日本には、民主党に限らず、外交安全保障の専門家はいない。民間人だった森本敏防衛相にしても、アーミテージとかキャンベル、グリーンといった「ジャパンロビー」「ジャパンハンドラー」と言われる人達の言いなりに、それを日本にデリバリーする役目を担っていたにすぎない。政治家では石破茂、前原誠司といった人が典型だ。
私は、自衛隊(軍隊)に近すぎる人が、その司令官になることは適当でないと考えている。しかし、現実は、装備品のスペックにやたら詳しい「オタク」政治家か、自衛隊員が5人集まれば嬉々としてジョインする「身内」政治家はいても、本当に、国際的な安全保障の力学を熟知し、その上にたって、自衛隊のオペレーションまで指揮できる政治家がいない。「集団的自衛権」がどうしたこうした以前の、日本の政治のレベルというものを前提にした上で、安全保障の議論はしなくてはいけない。
それでは「おまえはどうなんだ!?」と言われそうだ。
私は、海部内閣時に官邸に出向(内閣副参事官)し、総理の演説の草稿を書きながら、荒れ狂う国会の担当をしながら、「湾岸戦争のトラウマ」を身に沁みて経験した。戦後はじめて日本は「国際貢献のありかた」を厳しく問われ、見事に敗れたのである。
橋本政権では、クリントン米政権との間で「新安保宣言」を取り交わし、「周辺事態法(ガイドライン法)」の策定にも携わった。普天間基地の返還合意の裏舞台を仕切ったこともある。
だからと言って、私が「安全保障の専門家」などと言う気は更々ない。が、そこでわかったことは、この国の政治家の、この分野での惨状である。「外交安全保障は票にならない。だから勉強すらしない」。とても、自衛隊という軍隊(正確には軍隊ではないが)を、素人政治家たちが、米軍とともに世界中でオペレーションすることなぞ、危険すぎて絶対ダメだと痛感した。
「集団的自衛権行使で普通の国」に。私も30代の若手官僚の時は、こうした考えに強く惹かれたが、こうした現実を目の当たりにして、「とてもじゃない」と思った。ゆめゆめ安全保障を論じる時には「机上の空論」だけに堕さないようにお願いしたい。
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