民自公の「増税バラマキ大連立」へ ・・・ギリシャの二の舞か?!
2012年6月17日 tag:
民自公で「社会保障と税の一体改革」なるものの修正合意がされた。まだ、民主党内の手続きが残っているとはいえ、今後、実質上、政治は、民自公の「増税バラマキ大連立」となっていくことだろう。みんな党が、小ながら、選挙前までは第2極(3極ではなく)として頑張っていくしかない。
その修正合意。国民が一番望んでいる「持続可能で安心な社会保障制度の確立」、その抜本改革は一年先に先送り
して、なりふり構わず、消費税増税に突き進むというものだ。これでは、「将来不安」も解消されず、増税で「景気への
悪影響」も避けられず、最悪の選択だろう。
元々みんなの党は、こんな代物を「一体改革」などと露ぞ思ってもいなかったが、今回の合意で、医療や年金の「将来
不安」がなくなったという国民は1人もいないだろうし、民主党なぞ「増税で景気が良くなる、なぜなら、その財源で社会
保障が盤石になれば将来不安が払しょくされ、国民もお金を使い出す、景気も良くなる」と言ってきたのだから
笑止千万だ。
今の日本は、政治も官僚もメディアも識者もどうかしている。①デフレ、②大震災と原発事故、③ユーロ危機。
この3重苦の、世界恐慌の足音さえ聞こえてこようかという、国難の中で、平気で増税を訴えられるのだから、とても
「正気の沙汰」ではない。
私は「デフレで景気の悪い時に増税すれば、さらに景気が悪くなって税収は逆に下がる。社会保障の安定財源の調達にもならないし、財政再建にもならない、それが歴史の真実でしょう」と経済のABCを実証的に言っているだけだ。
また、昔、野田首相が「シロアリを退治しないで増税したら、また、そのシロアリに喰われてしまう」と言ったそうが、増税したらそのお金で、自民党も10年間で200兆円(国土強靭化法案)、公明党も100兆円、民主党もやれ高速道路だ新幹線だと、公共事業・バラマキのオンパレードになるだろう。そして、そこには必ず白アリが巣食い、元も子もなくなる。だから、みんなの党は、①規制改革、②技術革新への重点投資、③大胆な金融緩和で、民間主導の景気回復、経済成長を
目指すべきだと言っているのだ。
そう言うと、「いや、経済成長も増税も同時にやっていかなくては」との反論が返ってくる。しかし、「増税」と「成長」を
同時に求めることはできない。そう主張する論者はアクセルとブレーキを同時に踏む愚かさに気づいていない、いや、
気づいてはいるが「何が何でも増税ありき」だから強弁する。できないことをやろうと言うのだから、それは詭弁、言葉の
遊びでしかない。
この消費増税に加え、この国の民には、復興増税、各種保険料上げ、電気料金の値上げ、扶養控除の廃止等が襲い
かかる。特に、被災地の方々にはたまったものではないだろう。デフレがさらに悪化し、消費が冷え込み、税収は
確実に下がる。5%増税で13.5兆円なぞ「とらぬ狸の皮算用」。なぜ、そこから目をそむけようとするのか!
ギリシャの教訓は決して「増税しなければ財政破たん」ではない。ギリシャは、2006年から10年にかけて消費税を18%
から23%にあげたら、それまで順調だった経済が奈落の底に落ちていった。リーマンショック(2008年)や政権交代による
財政粉飾の露見(2009年)以前から急速に悪化したのだ。その含意は、以前にも書いたたように、「公務員天国を放置し、
経済成長戦略もなく増税すれば破たんする」という教訓だ。
日本が、このギリシャの二の舞になったら、一体、誰がどう責任をとると言うのだろうか?!
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