沖縄本土復帰四十周年に思う・・・「覆水盆に返らず」
2012年5月16日 tag:
昨日は、沖縄本土復帰四十周年だった。橋本政権で一時期、沖縄問題に真剣に取り組んだ者として、万感、胸に迫るものがあった。
民主党への政権交代、特に鳩山総理当時に、ガラス細工のように積み上げられた普天間基地返還という道筋を粉々にしてしまった。こういった分野で最もやってはいけない政治的パフォーマンスを展開し、私の言葉で言えば「覆水盆に
返らず」。せっかく築き上げてきた沖縄と中央政府との信頼関係までも粉々にしてしまった。民主党政権、特に鳩山
総理については「罪、万死に値する」。
それにしても、そうした反省もまったくなく、また鳩山氏を民主党の外交最高顧問に任ずるという野田総理の人事の
感覚、神経が私には信じられない。断言しよう。民主党政権が続く限り、この沖縄の問題は絶対に解決しない。普天間
基地は固定化し続ける。その意味でも、一刻も早く民主党政権を倒さなければいけない。
今と当時の「彼我の格差」は、96年12月に沖縄で開催された「橋本首相と基地所在市町村長さんとの会合」での
発言をご紹介すれば御理解いただけるのではないか。私は当時、日記、記録をつけているので正確に再現できる。
〈名護市長〉
「沖縄にお互い会えば兄弟という言葉があるが、実感した。沖縄の痛みが分かる総理に初めて会った。後は感謝で
言葉にならない。」
〈地元新聞社社長〉
「こういう雰囲気は40年のマスコミ生活を通じて空前の出来事だ。これまでは被支配者の苦悩の歴史だった。
総理本当にありがとう。どうか健康には留意してください。それがここにいるもののすべての願いです。」
何も自画自賛しているのではない。沖縄の問題を解決するには、こういった信頼関係を究極の高みにまでもって
いかないと到底無理だということだ。一言でいえば、ヤマトンチュとウチナンチュの間には過去深い溝があった。支配・
被支配の歴史があった。
その意味で、当時の橋本総理は十数回、数十時間にわたって当時の沖縄県知事と膝詰談判をして、そうした信頼関係を築いた。昨日、某全国誌にも当時の太田知事の述懐が載っていたが、彼曰く「当時の橋本総理には非常に感謝して
いる。決して沖縄の頭越しにこの基地問題について対応するということはなかった」。
この民主党政権に限らず、その後の政権は当時のように地を這いつくばって沖縄の肉声を聞き、血反吐を吐きながら
沖縄の皆さんに理解と協力を求める、説得の努力をするということが全くなされないままにここまで来た。
何をかいわんや、だ。
今さら、「どうするんだ!?」と言われても「覆水盆に返らず」。一刻も早く民主党政権を交代させ、新たな政権で一から沖縄との信頼関係を構築していくしかない。その先にしか解決策はないのだから。
Copyright(C) Kenji Eda All Rights Reserved.