政治家に「おもちゃ」を与える官僚の操縦術・・・予算特別枠7千億円
2011年10月19日 tag:
来年度予算編成で、例年の如く、「日本再生重点化措置」と称して7千億円の特別枠が設けられている。今、この特別枠をめぐって、各省庁から126事業、1兆9788億円の要望が殺到し、その争奪戦が激しくなっているという。
「特別枠」といっても、たったの7千億円だ。90兆円超の予算総額からすれば1%にも満たない。この配分は、前原政調会長ら民主党が主導するらしいが、こんなものに「政治主導」と胸をはられても困る。
これまでも毎年の予算編成で、やれ「経済危機対応」だとか「元気な日本復活枠」だとかで、数千億円の特別枠が設けられてきた。ご案内のように、もちろん、財務省が、政治家の「おもちゃ」として用立ているものだ。
そこで「遊ばせて」おいて、官僚たちの既得権益には切り込ませない、こうした局地戦で政治家に出番を作ってやる。そこに政治家や世論の関心を引きよせておいて、自分たちのやりたいこと、守りたいことは、あとの99%超の本予算の中でちゃっかり措置する。
いや、この特別枠にすら、「お化粧直し」「看板の掛け替え」で、既存予算の不足分を見事に潜り込ませる。自民党政権時代の予算編成そのものだ。
民主党の公約した「一般会計、特別会計、あわせて200兆円超のすべての予算を組み替えて16.8兆円の財源を出す」、は一体どこへいったのだろうか?
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