TPP、敗北主義でいいのか!・・・出るわ出るわの被害妄想
2011年10月23日 tag: TPP
今日、「新報道2001」でTPP反対派と議論した。あらためてTPPについては、「今週の直言」で詳細に論じたいが、まあ出るわ出るわ、今の参加9カ国の中で、議論にすらなっていないことまで持ち出して、国民の不安を煽るわ煽るわ。
大半は、農業だけでは旗色悪しと判断した農協が、他の分野にまで対象を広げて仕掛けているものだが、あえて「TPPの幻影」を作り出し、シャドーボクシングをしているに等しい。TPP反対派の議員の中にも、この「作為性」を内々には認める議員も多い。
例えば、医療では、国民皆保険があぶない、混合診療が解禁される、株式会社の参入を求められる、、、。そりゃあ、交渉事だから「可能性ゼロ」とは言わないが、既存の二国間FTAにも、EUといったより強い連合体でも、社会保障制度は対象外だ。また、仮に議論が出されても、TPP参加国の間でこれほど制度自体も違い、その熟度も違う制度もない。合意できるわけがないのだ。
食品の安全基準にいたっては、WTOの「衛生植物検疫措置」(sps)で、各国の権限、独自性が認められ、P4(TPP提唱国)でもそれが明確に確認されている。それでも万一、何か米国が提起してきたら、明確に「NO」と言えばいい。
ただ、反対派の不安もわからないではない。それもそのはず、日本は交渉にすら参加していないので、その情報は、参加国から「取材」してとるしかないのだ。役人が隠している、といった次元の問題ではない。その意味でも「交渉」には参加して、正確な情報をもとに、日本の国益に照らしながら、主体的にルールメイキングを主導していく必要があるのだ。
しかしまあ、今日、議論して、反対派の底流にあるのは、日本政府の交渉力のなさ、それへの不信感だということがよくわかった。交渉参加=米国流のスタンダードを押し込まれる。過去の日米交渉にそうした事例があったことを私は否定しないが、政治家、特に、今政権与党の政治家がそう言うのは、自らの能力のなさ、政治的リーダーシップのなさを認めるようなもので、聞いていて情けないやら、悲しいやら。
勝負に出る前から負けを覚悟しているような「敗北主義」では、この問題に限らず、日本は将来、三流国、五流国、さらには朽ち果てていくしかないだろう。
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