野田首相ら民主党が返す刀で「定数削減」を言う本音は?・・・お得意の一手
2011年10月 2日 tag: 選挙制度
予算委の攻防やメディアでの発言をフォローしている皆さんなら、容易に気付くことだが、野党に攻め込まれ、都合が悪くなった時に、判でついたように最近、民主党から出てくるセリフが「国会議員の定数削減もやるべきだ。協力してほしい」。
まるで示し合わせたかのようだが、そう、現にそう示し合わせている。こう言われると、国民の皆さんの多くも「そのとおりだな。国会議員がまず身を切る、これが最良の方策だ」と思うのではないか、との計算づくだ。
しかし、こんなことにだまされる皆さん方ではないだろう。簡単に言えば、「できないこと「やる気もないこと」を防波堤に、その場をしのごうという、民主党お得意の「口先政治」でしかない。
もう、皆さん、お忘れかもしれないが、国会議員の定数削減など、昨年、菅さんが首相に就任した時、年末までに「衆院80減」をやると言っていたのだ。それが、「年末までに民主党の成案をまとめる」に後退し、そして、とうとう最後まで何もやらなかった。
今回も口では言いながら、民主党から何の提案もない。私は幹事長だから、何かあれば、それを各党間で協議する責任者だが、まったく音沙汰はない。民主党がマニフェストで約束した「衆院80、参院40」。二年以上たって、正式に提案されたことすらないのだ。
要は、やる気なし。たとえ、やっても、各党の利害に大きく関わる選挙制度改革につながる大削減などできるわけがない。そう見込んだ上で、どうせできはしない、とタカを括って言っているだけなのだ。そして、一番手っ取り早くできる「我が身を切る改革」、国会議員の給料カットや公務員の人件費2割カットはしない。
おそらく、民主党は、定数削減、頑張ったけれど、野党の反対でダメになりました、一票の格差是正で最小限のことはしましたが、大幅削減できなかったのは野党のせいです、と、その時は言うのだろう。そこまで折り込んだ上での「返す刀」なのだ。
ちなみに、みんなの党は「衆院は180減で300に、参院は142減で100に」が公約である。一気にそこまでいかなくても、民主党が大胆な削減案を出してくれば真剣に検討する。まずは与党としての「提案」を、である。
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