国民一人あたり100万円の外貨預金で40万円の損失・・・予算委で追及/外国為替資金特別会計
2011年9月29日 tag:
財務省所管の「外国為替資金特別会計」。ここに100兆円の外貨準備(資産)がある。
すべて、国民からの借金(短期国債)で調達され、その大部分は米国債(73兆円)に投資されている。まさに、日本国民のお金で米国財政を支えている構図がここにある。「100兆円の思いやり予算」と言われる理由だ。
それが、この急激な円高で莫大な為替差損を出しているのである。その額はなんと40兆円!国民一人あたりにすれば、100万円の外貨預金(投資)をして、40万円の損を出していることになる。
これが民間会社であれば、即刻、社長はクビである。いや、事態がこんなに深刻になる前に「損切り」し、担当者はクビというのが民間相場だろう。
しかし、財務省は逆に開き直り、胸をはって、この外為特会にある「積立金20兆円」が復興財源に使えない格好の理由としているのだ。国民のお金を100兆円も預かる、資産運用の当事者でありながら、漫然と巨額の外貨資産を放置した結果が、この莫大な国民的損失なのである。
しかも、財務省から、この「100兆円ファンド」についての情報公開もリスク開示もない。外貨準備の適正規模についての定見もなく、為替介入後の「反対売買」による「為替リスク回避」策もない。無為無策の結果がこの損失なのだ。このファンドが「いかさまファンド」と称されるゆえんだ。
そして、この一番の責任者が、何を隠そう、現総理の野田さんなのだ。この「為替損」と、そのリスクに備えるための「積立金」の推移をみると、政権交代後の、この二年間で26兆円、35兆円、そして直近では40兆円と、積立金(20兆円/為替変動リスク対応)をはるかに上回る規模で急激に増えているのだ。その間、財務副大臣、財務大臣を野田さんは務めていた。
そうした、本来なら「クビ」の人が、この政府の中では総理に「出世」した。私の予算委(9/27)での追及にも、その責任をみじんも感じていないことが明らかになった。そして、この事実を国民の多くが知らない。メディアもなぜか黙殺している。国民的議論を切にのぞむものである。
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