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経産省3首脳更迭人事の見方・・・表向きは海江田大臣主導だが...

2011年8月 4日  tag:

 先週、海江田大臣が、経産省の松永事務次官、細野資源エネルギー庁長官、寺坂原子力安全・保安院長の更迭を発表した。これ自体は当然のことだ。

 ただ、この人事は、表向きは「人心一新のため、1か月くらい前から考えていた」と大臣主導を装ってはいるが、長らく役所に勤め、通産省の人事抗争(いわゆる「4人組」事件)の渦中に大臣秘書官として身を置いた者としては、単なる「定期異動」を、あえてそう装ったとみている。

 そもそも、この3人は通常なら今夏退官予定だった。それが枝野官房長官の「人事凍結宣言」で留任やむなしとなっていたところ、経産省始まって以来の「経産バッシング」の中で、自ら首を差し出すことで組織を守ろうとしたのだろう。「肉を切らせて骨を断つ」、霞が関がよく使うやり口だ。

 経産事務当局が、表向き、これまで自分たちの守護神であった海江田大臣に花を持たせるという形にし、その代わり、後継人事は「省内秩序維持(予定調和)」人事にする。

 実際、後任人事は、まったく、その通りになった。例の古賀茂明氏を抜擢し、例えば、渦中の原子力安全・保安院長や資源エネルギー庁長官にでもすれば、さすがに海江田さんの政治主導と評価するが、そうはならなかった。

 原子力安全保安院の経産省からの分離だけでなく、経産省自体の解体(「骨」)まで踏みこませないように、「肉」を切らせた、かつ、海江田氏にとっても、自らのイニシアティブを誇示でき、次期総理へのはずみになる。両者の思惑が見事に一致した人事劇ではあった。

(参考)「4人組事件」
 細川政権への政権交代時、当時の熊谷弘通産大臣と連携した幹部(通称「4人組」)が、下野した自民党寄りの幹部を粛正した事件。その後、再び、政権交代した村山政権(自社さ)下では、その「4人組」が粛正された。この間、省内は「4人組」vs「非4人組」の人事抗争を繰り広げた。この頃から、通産省(現経産省)の決定的な凋落が始まった。今回の原発事故対応の不手際の背景には、こうした無気力化した幹部人事がある。

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