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古賀茂明という男・・・使いこなせない政治の責任

2011年7月15日  tag:

 古賀茂明。私が旧通産省に入ったのが昭和54年。彼は一年下の後輩だった。若い時からそうだが、彼はいつも沈着冷静、政策志向で官僚や政治家にありがちな生臭い所がない、まじめな男だ。

 今は、M事務次官の退職勧奨をもろともせず、一年半以上、官房付で頑張っている。彼が書いた「国家中枢の崩壊」は、現時点でも30万部以上の、この種の本にしてはめずらしい大ベストセラーになっている。

 官僚で辞めた人は多い。それぞれ事情も違うだろう。しかし、彼の場合は、役所で主流にいた。傍流で不満をかこち、辞めるべくして辞めたという官僚とは違う。

 エリートコースに乗っていたが、ある時、曲者のS事務次官と政策でぶつかって左遷された。その後、内閣で公務員制度改革等の仕事に従事したが、役所的に言えば、体よく本省から追い払われた形だ。

 こうした官僚を使いこなせないのが、往年の通産省とは違うところであり、何よりも、彼の主張と変わらないマニフェストを掲げて政権交代した民主党政権が、彼を排除しようとしていることが、民主党という政党のどうしようもなさを象徴している。

 
 

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