ワインとの出会い・・・②ハワイ放浪生活の楽しみ
2011年7月 8日 tag:
橋本政権が終わると同時に、私は総理秘書官を最後に官僚を辞め、単身ハワイに渡った。その辺の詳しい事情は「誰のせいで改革を失うのか」(新潮社)に書いた。
辞めた後は「南の島へ行く!」と広言していたから、本当はタヒチに行きたかった。正直、ハワイなんて日本人だらけの観光地とバカにしていた。タヒチは仏領だから、単純に、メシもワインもうまいだろう、日本からも遠くていい、と考えた。でも、長期ビザをとる所がなかった。そこで、やむなくハワイへ。
ビザは、国立東西センターでとった。いきなりメールを見ず知らずの所長に出し、自分はこんな男だが研究員にしてくれとお願いしたら、「ハーイ、ケンジ、じゃあ二年が良い?三年かい?」。こんなハワイ流に助けられてマウイ島に。ワイキキではないところがせめてものこだわり。98年9月のことだった。
そこから一年で、マウイ島三か所、貨物船でオアフ島にオンボロ車ごと渡り、さらに三か所、海沿いのコンドを狙い転々とした。とにかく、散々な目にあった官邸時代、「日本」「日本人」から離れたかった。
ハワイでは、まさに「何もしない贅沢」。起きたい時に起き、泳ぎたい時に泳ぎ、寝たい時に寝る「晴泳雨読」の生活。唯一の楽しみは、スーパーマーケットにある、おびただしい数のワインを片っ端から飲むことだった。
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