救命・救援で官僚排除、復旧・復興で官僚依存・・・真逆の対応
2011年5月21日 tag:
菅政権の危機管理能力の欠如は、今さら言うまでもないが、その根本的な問題は、危機管理とは何か、組織を動かすとは何か、特に後者がまったくわかってないことだ。
災害対応のステージ(段階)は、救命、救援、復旧、復興と続いていくが、初動、すなわち、救命・救援には、当然のことながら、自衛隊、警察、消防、海上保安といった実行部隊を含む官僚組織のフル動員が必要になる。それなりの知識や経験を積んできた組織の活用なくして、政治家だけで対処できるわけがない。
そういう意味で、今回、危機管理センターや危機管理監の姿が見えないことが残念でならない。せっかく阪神淡路大震災の教訓をもとに作った組織が活用されてないのだ。
そして、ステージが復旧・復興に入ると、そこでは官僚の限界が露呈する。東北特区や復興院の創設で既存の国土交通省や農林水産省の権限や財源をぶち抜くなんて発想は官僚ではできない。
まさに政治主導の出番なのだが、菅政権は、ここにいたって、財務省他官僚依存を深めつつある。特区を含む復興院や電力の再編・自由化に消極的なのがその証左だ。
Copyright(C) Kenji Eda All Rights Reserved.