サッチャー英首相はフォークランド戦争の戦時内閣に財務相は入れなかった
2011年4月29日 tag:
東日本大震災は、日本にとって未曽有の非常事態である。まさに「戦時」に匹敵する。その対処にあたって肝に銘じなければならないことがある。それは「財政上の理由で被災地の復旧・復興、さらには日本再生に絶対に支障をきたしてはいけない」ということである。
戦時といえば、1982年、英国とアルゼンチンとの間で起こったフォークランド戦争、それに対処するための戦時内閣に、当時のサッチャー首相は財務大臣をあえて入れなかった。それは保守党の長老、元首相のハロルド・マクミランの提言によるものという。
それは、戦争の遂行、外交、事後処理等を「財政上の理由のために危うくしようという気には決してならなかった」からという。そして「我々が行ったことはすべて軍事上の必要性に従ったものだ」と断言し、そのことを決して後悔しなかったとも述べている。
その構成は、外相、国防相、内務相、情報担当国務相だった。もちろん、当時、財務相だったジェフリー・ハウは烈火のごとく怒ったという。もって瞑すべし。
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