人事院総裁が、テレビ出演までして意気軒昂だ。
一介の官僚が総理主催の会議に出てこなかったり、行革担当大臣に楯突いたり。
官僚は通常こうした「正面攻撃」はしないもので、水面下で根回ししたり、見えない「落とし穴」を掘ったり。
そういう意味では今回の抵抗は異例中の異例だ。
理由はいくつかある。
まず彼の個人的な問題。
かなり杓子定規な、もっとも官僚的な人物で、とにかく官僚人事への「政治介入」を毛嫌いしているという点。
また、郵政官僚は郵政民営化の時にもみせたように極めて政治的な動きをする。
また、全逓等との労使交渉の修羅場をくぐり抜けてきたという経験もある。
ただ、一番の理由は財務省をはじめ霞が関のバックアップだろう。
人事院が内閣から独立とは名ばかりで、実は「級別定数の査定や管理」は財務省出向の官僚が行っている。
要は、政治には介入させず霞が関の「お手盛り人事で」というのが本音なのだ。
その「級別定数の査定や管理」を内閣人事局に移すと憲法違反という主張を総裁はしているらしいが、同じ官僚の、法の番人・内閣法制局ですら、その点は否定しているという。
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