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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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代表記者会見(6/24)

2014年6月24日 動画 | 国会活動 | 活動報告 tag:

2014年6月24日(火)、代表記者会見を開きました。

【代表・政調会長 会見(2014年6月24日)】

(江田)
・石原環境大臣発言に関わる参議院本会議場でのヤジについて
・集団的自衛権「15事例」に関する見解(中間とりまとめ)の公表
⇒グレーゾーンについて
⇒集団安全保障について
⇒駆け付け警護について
⇒武力行使に当たり得る活動について
⇒機雷掃海活動について
⇒橋下維新との合流協議について

(柿沢政調会長)
・15事例に関する見解(中間とりまとめ)について
⇒個別的自衛権の範囲内、警察権の行使の範囲内
⇒維新の会との政策合意について
⇒法改正について

(江田)
・集団的自衛権について
・国際法について

(記者団との質疑応答)
⇒集団的自衛権に関する橋下維新との協議について
⇒秋の臨時国会での対応について
⇒新党準備会について
⇒「15事例」に関する見解の最終とりまとめについて
⇒成長戦略について
など


<<全文書き起こし>>

(江田)
みなさんお疲れ様でございます。会見を始めさせていただきます。


まずですね、都議会でのヤジの問題が大変な問題に発展しておりますけれども、それに匹敵するようなヤジが先週の金曜日、石原環境大臣への問責決議案審議中、参議院の本会議場で行われましたので、許しがたい問題として皆さんに問題提起したいと思います。


具体的には、民主党議員が問責決議案の討論中、石原大臣の「最後は金目でしょ」という発言を引用した下りで「正しいでしょ」と「正しいじゃないか」といったヤジが飛んだと。これは私どもの同僚議員もしっかり耳にしている話でございまして、実は議員は特定されておりますが、あえて申し上げません。都議会で起こったように、自ら言語道断なヤジを飛ばした議員は申し出て、自らの身を処していただきたいと思います。


石原大臣の「最後は金目でしょ」という発言自体が被災地の皆さんの心を踏みにじるもので、後に石原大臣も撤回をして謝罪をしているにもかかわらず、そういったことを十分認識した上で「正しいでしょ」という発言は罪一等重いと私は思いますので、是非発した議員は申し出て自ら身を処していただきたい。


これは都議会も国会もまさに一強多弱と言われている今の政治状況の中で、巨大与党自民党の慢心以外の何者でもないと思います。野党が不甲斐ないと言われればそれまでですけれども、まさにこうした緊張感のない政治、慢心の政治を産んでいるのはこの一強多弱という政治状況でありまして、だからこそ我々野党は、やはりこういった国会に緊張感を与え、やはり切磋琢磨できる対抗勢力をつくり、お互い競争することで国民の為の政治を実現していく。切磋琢磨する過程において国民の立場に立った政治ができる、そう確信しておりますので、改めて野党再編、政界再編を行っていく必要性というものを痛感した次第でございます。


以上がこの参議院本会議場でのヤジ問題でございますが、本日の主眼は我が党といたしまして、政調会長中心に自公協議、与党協議の場に出されていると言われている15事例について党内で議論して参りましたので、その中間的なとりまとめを今日皆さんに公表することで、議論を喚起していきたいと思います。


7月に入って4日ですか、1日という話もあるようですが、政府与党で閣議決定をされる。さらには民主党の中でも議論が進捗をしている。うちとしては維新との合流ということも見据えて、この問題についても更に議論を重ねていく必要がある。そうした状況下でこういった見解を出すことが、タイミング的に適切だろうということで本日説明をさせていただきたいと思います。


詳細は後ほど柿沢政調会長のほうから説明をさせますけれども、私から一通り申し上げますと、まず従来申し上げてきた通り、この問題、集団的自衛権を保有するが行使できないとしてきた従来の憲法解釈、これはもう何十年にもわたって自民党政権を含む歴代政権が公権解釈、有権解釈として行ってきた解釈でありまして、この憲法の最高法規性であるとか安定性に鑑みれば、できるだけこういった解釈を尊重し、その延長線上で安全保障上の要請は満たしていくべきだと。ルビコン川を渡るべきではないと、憲法上の歯止めは重要なんだと、だからこそこういった議論をああだこうだといろんなところでやっている訳で、この憲法上の歯止めがなくなった途端にこんな議論する必要もなくなりますよ。


集団的自衛権を保有するが行使することができないという憲法上の歯止めがあるからこそそれを越えるかどうか、どうなんだという議論を喧しくやっている訳で、こういった歯止めがなくなったら蟻の一穴論ではありませんけれども、こういった議論を政治家はまじめにしません。そういう意味で我々はなるべく安全保障環境の変化であるとか、武器輸出の進展等に応じて、国民の生命財産を守る、安全保障上の要請を満たす為になるべくそういう従来の解釈を適正化する、あるいは延長線上でとらえるべきではないかという観点から議論をして参りました。


その結果、このペーパーに冒頭書かせていただいた通り、基本的にこの15事例については架空の事例が散見されるものの、従来の個別的自衛権あるいは警察権の範囲で認められるものばかりだという結論に至りました。


3つカテゴリーがございまして、最初のいわゆる武力攻撃事態に至らないグレーゾーンにつきましては、これは従来から申し上げて参りましたように、しっかりと対応する。具体的には新たに領域警備出動というようなカテゴリーを設けて、迅速にかつ臨機応変に対応する為にも閣議決定等で総理大臣に予め授権をするということが大切ではないか。こういった意味でグレーゾーン対応というものには万全を期すべきであるということは従来から申し上げて参りました。


PKO活動を含む集団安全保障につきましては、まずは憲法9条、個別的、集団的自衛権という枠組みとは違う法理で処すべきであって、従来の武力一体化論等々は憲法が要請する国際協調主義の要請も加味して、現場のニーズであるとかオペレーションの常識から照らして見直す必要があるものの、基本的に安倍総理もこの枠組みで武力行使はしないと明確に仰っておられますので、その範囲内で現場現実に応じて武力行使一体化論というものは見直すという前提で対応が可能ではないかという結論につけております。


懸案の駆け付け警護につきましては、国または国に準ずる措置からの攻撃というものが原則考えられない。基本的に受け入れ国の同意であるとか紛争当事者間の合意というものを前提にPKO部隊というのは派遣されますから、原則はその周辺の反乱分子であるとかテロ分子であるとか、そういったものからの攻撃ということになりますので、これは自衛権の行使の前提要件たる、国または国に準ずるものからの攻撃ということにあたらないということで、原則駆け付け警護は認められるというふうに解釈変更すべきではないということにしております。


最後に一番重要な、まさに武力行使に当たり得る活動につきましては、米艦防護にせよ、米国本土あるいはハワイ・グアムを狙った弾頭ミサイル攻撃にせよ、それだけが起こるということは考えにくい。北朝鮮のノドンミサイルが200発以上日本に照準が向けられているという現実に鑑みれば、日本海で例えば米国のイージス艦だけを狙ったミサイル攻撃というのは考えにくい。同時にそれをすれば猛反撃を受けるであろう、在日米軍基地へも同時多発的にミサイルが発射されるということが現実的な想定でありまして、そういう想定であればこれはもう全面戦争というか、日本も攻撃されている事態なので集団的自衛権を持ち出すまでもなく個別的自衛権の範疇で対応できますし、仮にこういった架空の事例が起こるにしても、そうした状況下での米艦攻撃は、時をおかずして日本本土、在日米軍への攻撃に至るということでございますから、これはもう個別的自衛権で対応する。国民の生命財産が犯される明白な危険が存在するということで、これは当然個別的自衛権の範囲で対応できるだろうという結論付けにしております。


最後に機雷掃海活動についていろいろと議論があるようでございますが、機雷の掃海が武力行使であれば、当然機雷の敷設は武力行使である。ホルムズ海峡を無差別に無差別殺人のように機雷を敷設するような国があるとは思えませんが、仮にあったとしてもそれは日本のタンカーあるいは日本向けの重要物資である油を運ぶタンカーへの攻撃と見なせますので、これも当然個別的自衛権の範囲内で機雷掃海ができるというのが我々の結論でございます。


いずれにせよこの15事例、かなり軍事常識に照らして、架空な事例が散見されるものの、そういった事例を前提にしても、我々の立場では従来の憲法解釈を適正化する、あるいはその延長線上で認められるものばかりという結論が今の現時点での党内議論の末の結論でございますので、ご報告をしたいというふうに思います。


ただ引き続きこの15事例の問題を含めまして、今後政府与党の動き、更には民主党、更には維新。こういった状況を視野に入れながら引き続き検討を重ねていきたいと思っております。


ご質問が出るでしょうから申し上げますと、日本維新の会、橋下維新と合流協議をこれから進めて参りますが、これも今日発表した見解をベースに、新党準備会の中でしっかり議論を重ねて参りたいと思います。橋下さんと私との間では、個別的対応は今までご説明したとおり完全に一致してるねということで一致しておりますので、後は概念整理の問題として橋下維新の会は集団的自衛権の限定容認で認める、という報告を出しておりますね。


我々は個別的自衛権あるいは警察権の範囲内で認め得るということでございますので、お互いの立場、概念整理の面では違っておりますけれども、個別具体的な対応では足並みが完全に揃っている。具体的にこの秋に個別法、例えば自衛隊法あるいは周辺事態法の改正が出てきた時も賛否が違うことは全くありませんので。


何度も申し上げますけれども、自衛隊や海上保安庁のオペレーション権限をもっていないような野党が、自公ですらこうやって迷走している、私が読んでも国際法上は集団的自衛権にあたるけれども、国内的憲法上は従来の解釈で認められるみたいな玉虫色の奇妙奇天烈な案文で調整していると聞いていますけれども、現実に国民の生命財産を守る責務権限を有している政府与党ですらこの体たらくですから。我が党と維新としてはこういった精査、具体的事例を精査した上でしっかり足並みを揃えていけば、なんら批判される筋合いはないというふうに思っております。


いずれにせよ、この見解をベースにこれから維新さんともしっかりと議論した上で、対応を決めていくということになろうかと思いますし、またいずれ政府与党が閣議決定という段階に至った時には、それに対する見解も発表したいと思っております。以上でありますけれども、政調会長から補足説明をお願いします。

(柿沢政調会長)

ここまで党内検討を15事例について政府の方にも出席していただいて、いろいろ議論を重ねてまいりました。15事例についての見解の整理を今回、中間的にさせていただいたわけですが、皆さんにきちんとご説明を申し上げたいのは、この政府が出してきた15事例を一つ一つ検討させていただきましたが、我が党として自衛隊はこんなことをやってはいけないというふうに整理をされた事例は一つも今回いまのところないということであります。


事例4の国連PKO国際協力というところにあります、多国籍軍が国連決議に基づいて出来た場合に、その武力行使に対して自衛隊がどういうふうに参加をしていくか、これは非戦闘地域の概念とか武力行使の一体化論とか、こういう別途乗り越えなければいけない様々な概念がありますので、ここはどこからどこまでということを軽々に結論を出せるものではないというふうに思っておりますけれども、集団的自衛権にあたるような事例として出されている事例8から15、そしてグレーゾーン事態と言われている事例の1から3、こうしたことについては、日本の、我が国の防衛の問題としてやはり行いうるものだ、というふうにいずれも見なせるものではないかと思います。


事例の蓋然性というか、そんなこと起こるのか起こらないのかという話は置いておいて、あえて政府の提起をされている事例の場合にどう対応すべきかということを議論をすると、我々としても基本的にはこうした場合における活動というのは認められるものではないかというふうに思っております。


しかしそれを集団的自衛権の行使容認という形で道を開いていくのか、それとも従来的な個別的自衛権の範囲内と、こういうことで整理をしていくのか。ここの問題があって、我々はかねてから申し上げてきたとおり、これまで積み重ねてきた憲法解釈、そして実際の運用、と、こういうことに照らしてですね、出来る限り個別的自衛権の範囲内、また警察権の行使の範囲内ということで収めていくことが妥当ではないかというふうに思います。


その目でこの事例を見ていくと、我が国の周辺で有事が起きて、しかも同盟国の米国の艦船などが攻撃を受けたり、或いはグアムやハワイやアメリカ本土がミサイルの攻撃を受けたりと、こういうことが起きた場合において、在日米軍基地を抱える我が国が攻撃の対象として差し迫った危険がないというふうに見なせるような事態はほとんど考えられないのではないかと思います。


つまりこうした事態が起きている場合というのは、我が国にも攻撃が向けられる可能性が十分差し迫っている事態と考えられますので、したがって日本防衛のための、正に個別的自衛権の範囲内として、自衛権の出動・行動というものを認めうるのではないかというふうに思います。


また先ほどのシーレーンの機雷の敷設もそうですが、かつてすでに1983年の谷川防衛庁長官による政府統一見解というのが出ていますけれども、日本に武力攻撃が発生をして、日本が自衛権を行使しているときに、日本の存立に関わる重要物資、原油など、そういったものの輸送をしている我が国船舶、或いは第三国船舶、そうしたものに対する武力攻撃を排除するという活動は個別的自衛権の行使の範囲内だ、こういうふうに政府統一見解としても出されているものであります。今回、その答弁を引用する形でこの機雷掃海という活動についても個別的自衛権の範囲として成しうるのではないか、というふうに整理をさせていただきました。


こういうふうに一つ一つの事例を私たちとして検討し整理をした結果、集団的自衛権の行使容認ということに踏み込まなければどうしても出来ない、というものは見いだせなかったということであります。


維新の会との7項目の政策合意の中でも集団的自衛権の検討を含むとは書いておりますけれども、やはり自衛権の行使の範囲の適正化ということをメインとして書かせていただいておりますので、今の自衛隊法76条における防衛出動の要件になっている武力攻撃事態、またはその武力攻撃が発生をする明白な危険が差し迫っていると認められるに至った事態、この武力攻撃が差し迫っていると認められるに至った事態というのをどこからどこまでの段階がそういうふうに見なすことが出来るという事態なのかと。ここの捉えなおしをする必要があるだろうとは思っています。
つまり個別法を全く見直さないでいいという立場ではありませんけれども、事例に応じて考えていくと、私たちも15事例については何らかの法改正を加えた上で、成しうるものというふうに基本的には捉えて対応して行くべきではないかという結論に至ったところです。


今後、実際に政府から法改正の提案などが臨時国会等で出てくると思いますけれども、この見解を元にしっかり維新の会の橋下グループの皆さんとも議論を重ね、対応を一致出来るものと思いますので、結果的には齟齬のない、そうした対応になってくると思います。


また民主党も同じような立場でどうも党内で検討されているというふうにも聞いておりますので、こうした問題について我が党の見解を一つのたたき台として見解の統一が野党側でできれば、例えば私たちが今取り組んでいる政界再編、野党再編にも大きな意味合いを持つものとなりうるのではないかというふうにも思っています。


そんな観点から今日、今、到達をした見解の整理の状況について文書もお示しをしてご報告をさせていただいた次第です。


以上です。


(江田)
皆さん、ご理解されていると思いますが、今の自衛隊法上の防衛出動の要件には武力攻撃が発生する明白な危険が切迫している、というのがあるんですね、既に。ですから今、自公協議でどんどんどんどん自民党が降りて、切迫した危険みたいなところに報道では落ちてきているというのは、正に個別的自衛権の範囲ですよ、もう既に。


それをあえて集団的自衛権だというところが、自民党は蟻の一穴論で、ここで崩しておけば将来際限なく広げていくんだろうという意図があるのかもしれませんけれどもね。


私に言わせれば、今の自公協議でどんどんどんどん要件が狭められている状況をみると、正に我々と同じように個別的自衛権を多少軍事の現場、オペレーションに則して適正化をする範囲内で読めると。わざわざ、何十年も築き上げてきた解釈を変更して、国民に不審をもたらしてまでやるような文案ではないのではないかというふうに思いますけれども。


いずれにせよプラハの春であれ、ハンガリー動乱であれ、ベトナム戦争であれ、集団的自衛権というのは大国の論理で、大国の都合のいい正当化根拠として使われてきたという歴史的な背景もございますので。そういった概念をあえて使わなくても十分国民の生命財産を守る、政治の責任は全うできると我々は考えておりますから、まさにそういった立場でこれからも対政府、対野党再編に向き合っていきたいというふうに思います。


国際法云々の話もよく出ますけれども、国際法というのは慣習法でありまして、皆さんも勉強したかでしょうか、確固たる法的な枠組みは確立するわけではないんですよ。国際法云々でどうだこうだというのは極めて私はナンセンスだと思いますけどね。


それよりもやはり憲法9条の文言に照らして、従来の解釈、公権解釈を尊重する立場から生産的な議論をしていただきたいと思います。我々からは以上です。何かご質問があればお受けいたします。


<<記者団との質疑応答>>

Q: 今日の集団的自衛権の事例の検証ということで、維新の橋下さんのグループと個別の事例は一致しているけれども、そのルーツにある概念整理は違うということですが、今後協議の中で、そういった概念まで基本政策として一致させるために協議していくというお考えでしょうか。最終的には完全にルーツまで含めて考え方を一致させて新党が立ち上がるということになるのでしょうか。


A: (江田)それは今後の検討状況如何ですが、少なくとも自衛権の範囲を明確化するという点では一致していますから。そしてその自衛権の範囲が個別具体的事例に則せばこうだということで、完全一致していますから。私は、野党としてはそれで十分だと思いますよ。


それよりも早く、こんな国民が要望もしていないようなことでああだこうだ政治家がやるんじゃなくて、正に改革、景気経済対策、社会保障制度改革、こういったところにやはり政治的エネルギーを注いでいかないといけないと思いますよ。こんな安倍政権が終われば、何度も言いますが線香花火のように消えていくような話で、ああだこうだやっている暇はないんですよ。やはりこの前出されたような、今の年金が持続可能ではないというようなシナリオも含む報告も出てますし。今週は成長戦略決めるんですか、規制改革は骨抜きだらけじゃないですか。そういったもっと国民にとって重要な問題について我々はしっかり議論を臨時国会以降やっていいきたいと思います。


Q: 今の質問に関連して確認ですが、秋の臨時国会では多分個別法の話が具体的に上がってくると思います。その際に、結いの党維新の会が合併した新党が、どういう立ち位置で政府に対してものを申していくのか。個別法の賛否以外に集団的自衛権の概念論争ではどのような体制で望むのか。


A: (江田)それはこれからの維新との協議事項だと思います。ただ申し上げたいことは、自衛隊のオペレーションが維新とうちで違うというなら、これは大問題ですよ。今、自公は見ていると違うんでしょ、それが。政府与党ですよ、一義的に責任をもっているのは。それが具体的オペレーションで違うんでしょう。こんな無責任なことはないじゃないですか。


ですから野党は少なくとも自衛隊のオペレーションでは変わらない、足並みはいっしょだということで、私は十分だと思いますが、それ以上に何か概念整理をしろというのは当然していきます。
それはこれからの新党準備会での議論をお互いの立場を言い合って、自ずから収束するところに収束してくだろうと思います。


Q: 新党準備会ですが、いつ頃に始まるという見通しでしょうか。


A: (江田)これは解党大会を開いたばかりなので、今週またどこかで話し合いの場を持って調整をしていきたいと思います。まだ具体的な日取りは決まっているわけではありません。


Q: その調整の場というのは、代表同士で。


A: (江田)それは色々な人がいますから、維新さんとやっていくということですね。


Q: 維新という存在、例えば今までは政府自民党に対して集団安全保障に関しては背負う存在として存在意義があったと思います。ただ結いの党は多分そうではなかったと思うんですが、それが例えば一緒になると論争自体はどういうスタンスでいくのかというのは。国会論争で、どういうふうなスタンスで政府自民党と...


A: (江田)それは整理していきます。まだ時間ありますからね。


Q: 結いの党は例えば今までのスタンスと変わってくることもあるんですか。


A: (江田)具体的事例は一緒なので、あとは智慧の出しどころだと思います。私は自衛権の範囲の明確化というのは7項目合意にあるように、正に国民の生命財産を守るという観点で何が必要なのかと。どこに穴が開いているのかというのが一番大事で、そこを埋めるのか埋めないのか。埋めるということについては差はないので。あとはロジカルな話なので、そこは整理をしていきたいと思いますね、今後。


Q: 先ほど集団的自衛権については、保有するが行使できないというこれまでの憲法解釈を曲げるときは、ルビコン川を渡るくらいの覚悟が必要だと従来から江田代表は仰っていることなんですが、例えば個別的自衛権の拡大解釈をするとか、それを自衛隊のオペレーションの現場に合わせた解釈変更するというのも、一つの政府の有権解釈の解釈の変更だと思うんですけれども、前者ができなくて、後者ができるというのは、どういうふうに説明されていくのか。


A: (江田)それは個別的自衛権は行使できると、憲法9条上その武力行使はその範囲で必要最低限だという解釈を、従来の内閣法制局の軍事の現場を知らない役人がやってきた杓子定規な解釈を適正化するということで読めると。ただしこれもルビコン渡って集団的自衛権に踏み込むと、これは質的な違いになりますから。だからそこは従来の解釈を超えるということなので、これはもう慎重にも慎重を期して検討しなければいけないでしょうと。ですから少なくとも今提示されている15事例について言えば、前者の範囲内で認められるというのが、今日の中間的なとりまとめの段階の結論です。


ですから我々の望むことは、これはいずれにせよ、どの党派の立場に立っても大変重要な問題ですから、正に我々は材料を今日提供しましたので、これを元におかしいところはおかしいと言ってくれればいいんですよ。議論を喚起をして万機公論に決せないと、今みたいな自公だけでやろうなんで話じゃないというのは重々申し上げてきたので。とにかく今はっきり言ってどの党もまともなロジカルなものを出してないんですよ。


ですからこういった具体的事例を示された訳ですから、それに基づいてこれはどうなんだということをしっかりと従来の憲法解釈に照らして、見解はそれぞれの党が出すべきだと思います。どこの党が出しているんですかね。だから正に議論を喚起するための一つの材料としても是非活用していただきたいし、メディアの皆さんもそれぞれの立場で検証されてますね15事例について。
それにあたっての参考にしていただきたいという思いもあります。


Q: 今の件で、これは中間とりまとめだというふうに仰ったんですが、最終とりまとめというのは、どの段階で出てくるものでしょうか。


A: (江田)これは今の段階でいろいろ党内議論を尽くした上で出して、最終報告といってもいいのですが、ただいろいろな軸調整とか、もう少し限定したら良いとか、この書き振りですね、対応について変わることはないです。対応について変わることはないですが、この書き振りについてはまだいろいろ精査していく必要があるので。


ただ今の時点でお出ししたのは正に議論喚起という意味で、閣議決定もされようとしている、民主党他の野党も議論されようとしている時に、是非我が党の見解も参考にしていただきたい、という意味で今日発表したという意味での中間報告なので、対応について変えることはないですが、この具体的中身についていろいろな書き振りとか、もう少し限定したほうがいいとか、もっと収拾合意したほうがいいというのがあるので、それは引き続き検討していきたいと。


Q: 完成形は新党ができた後に出来るというような認識で良いのでしょうか。


A: (江田)閣議決定とかいろいろな状況を見ながら、そのタイミングを判断してお示ししたいと思います。あまりこれが変わるということはありません。


Q: 別件で、成長戦略について、今日の午後に決定になるのですが、成長戦略の中身としては、法人税の実効税率の20%台の引き下げであるとか、混合診療の拡大に繋がる制度であるですとか、外国人技能実習制度の拡大というようなことになっているのですが、それについての受け止めを伺えますでしょうか。


A: (江田)法人減税については従来我々が申し上げてきたことなので、そういう意味で20%台に工程表を作ることを前提に、何年かかけて下げていくという方向については賛成ですね。ですから是非、我々としては中国韓国並みに25%前後まで引き下げるという、工程表を是非明確に年末までにしていただきたいと。そうすれば企業はそれに基づいて行動しますのでね。


それから成長戦略について言えば、我々が既得権益を打破する会ともども重視してきたのが将来成長分野。すなわち電力、エネルギー、医療、福祉、更には農業。こういったところに規制改革をすることで民間の力を入れていく、活力を利用していく。こういう観点からは極めて不十分な内容だろうと、その象徴が農業ですね。


減反廃止については名ばかり廃止、具体的には転作奨励金を税金ばらまいて出して、既存農家の収入が1.3倍になる。これでは何のための農業構造改革か。新規参入も今回の件では農業生産法人50%未満しか認めない、株式会社の土地保有は見送られた。こういったことでは、もう農家の平均年齢が65歳を超えているという状況で、確実に10年後農業は滅びてしまう。


農協を守って農業は廃れる、既存農家を守って農業は廃れる、これが今日決定される農業改革案ですよね、いわゆる。だから名ばかり減反廃止、更には全中看板の書き換え、正に従来の自民党のやってきた手法を駆使した看板のかけ替え、お化粧直し満載の成長戦略だと思いますね。


本当に実体経済に効き目がないと意味が無い訳ですから、持続可能な経済改革というか、景気回復にはね。ですから金融緩和のカンフル剤の効果が薄れかけているなかで、正に実体経済に影響を及ぼすような成長戦略ではないと、極めて失望しております。


(柿沢政調会長)1点補足で、法人税を下げるのは私たちも確かに必要だというふうに訴えてきましたけれども、その代わりに例えば配偶者控除の見直しとかして、要は歳入中立でやろうとすることには私は問題があると思うんです。つまり法人税は下げますと、その代わり増税する部分が出てきますということでは私はあまり意味が無いと思います。


そういう意味では歳出削減をどう進めていくかという視点が安倍政権には非常に今もって弱い。むしろ公共事業の大盤振る舞いとかして第2の矢だと胸を張って、今や資材価格の高騰、人件費の高騰、オリンピック施設の配置の見直しまでせざるを得ないような状況を生んでいるわけですよね。そういう意味では歳出削減をどう進めていって、全体の政府の歳出のパイをどう縮めていくのかという視点を持たなきゃいけないと思うんです。


そのことをやってはじめて、法人税率を下げて、なおかつ政府のサイズを小さくして、そして経済の成長性を高めていくということにもなっていくのだと思うので、そこをどのようなスタンスで臨まれるのかなと。結局100兆円に近い予算を組んで、ずっとばらまき続けるおつもりなのかなと。ここを注視していかなきゃいけないと思ってますし、歳出削減の具体的なアイディアというのも我々も出していきたいと思います。

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