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2014年5月8日(木)、代表記者会見を開きました。
【代表会見(2014年5月8日)】
・集団的自衛権について
・石破幹事長の発言について
・維新の会との合流について
・記者団との質疑応答
⇒細川・小泉元両首相が立ち上げた団体について
⇒滋賀県知事選の対応について
⇒神奈川県会における維新の会との統一会派について
⇒維新の会との合流スケジュールについて
⇒集団的自衛権の党内議論について
など
<全文書き起こし>
それでは定例の代表会見を行います。よろしくお願い致します。
みなさんお疲れ様です。連休明けまして終盤国会に突入する訳ですが、しっかりと結いの党として一致結束して、当面する政策課題に取り組んでいきたいというふうに思います。
集団的自衛権について
その中で、最大の課題のひとつが、集団的自衛権の問題だと思います。政府与党の方も、私が見るところ、この問題では迷走しているように思いますけれども、いずれにせよ、この問題については、徹底的な国会審議を尽くすということが肝要だろうと思います。
いやしくも、自民党政権を含む歴代政権が数十年に渡って営々と築きあげてきた憲法9条の解釈、集団的自衛権は保有するが行使できない、自衛の必要最小限を超えるという解釈が歴然としてあるわけで、それを変える変えないという議論をする時には、一内閣が閣議決定すればすむというような話ではなくて、やはり国民の代表たる国会で十分審議を尽くした上で結論を出すべきであろうというふうに思います。
そういう意味で、来週政府方針なるものが出るような事を言われておりますが、その政府方針なるものと、将来想定されている閣議決定なるものとの関係や如何、どういう具体的内容になるのかしっかり我が党としても精査をして、国会審議の場で取り上げていきたいというふうに思います。
幸い参議院の方では維新さんとの統一会派になり、予算委員のポストも具体的には小野次郎さんが就くということになりましたので、衆参あげてしっかりとこの問題も取り上げて、必要であれば私も質問に立って、これまで秘書官での経験もさせていただいておりますので、この問題について、しっかりと生産的な具体的な現実的な議論をしていきたいというふうに思います。
憲法記念日のNHK討論でも申し上げたのですけれども、今具体的に、国民の生命財産を守る、領土領空領海を守るという意味で、いったいどこに安全保障上の穴が空いているのか、具体的な支障が生じているのか、まずは具体的ケースをテキストして、それがこれまでの憲法解釈の範囲内で読み込めないとか、別の言い方をすると個別的自衛権の解釈の適正化、あるいは従来の自衛権に関する解釈の延長線上で読み込めないのかどうか、ということをまずは検討するという手順が大事だと思います。
その上で、どうしても個別的自衛権の範囲では読み込めないと、集団的自衛権に一歩踏み込まないと、今、限定容認という言葉が使われておりますけれども、そこまで踏み込まないと具体的に日本の安全保障上、支障が出るのか、というような議論を進めるべきであって、今到底、報じられているような、安保法制懇でとりあげている具体的ケース、私なりに解釈しても、先ほど申し上げましたような個別的自衛権の解釈の適正化であるとか、個別的自衛権のこれまでの解釈の延長線上でとらえられる問題ばかりというふうに思っておりますので、その点について政府与党から、国会あるいは各党に具体的なケースの提示を早くしていただきたいなというふうに思います。
ちょっと長くなりますけれども、例えばアフガン戦争における給油というのは、あれは集団的自衛権ではないのかと、アフガン戦争というのはアメリカが戦時法で正式にあれは自衛戦争だと位置づけた戦争ですね。それに対する給油活動というのは、後方支援といえども、自衛戦争に対する後方支援という意味では戦後初めてだったんですよ。
それを小泉政権がろくな説明もせず、あやふやなまま、ああいう給油に踏み込んでしまった。当時私は無所属議員でありましたが、給油の転用疑惑というものを指摘して大問題になりましたけれども、その問題意識の背景には、こういった従来の憲法解釈を変更する危険性があるものであるにも関わらず、なんら説明もなく、自衛戦争に対する給油活動に突入してしまった、というところを問題視した訳であります。
湾岸戦争の時にも、官邸におりましたけれども、あの時は武力行使一体化論というのを法制局が作り出しまして、別の言い方をすると、後方支援ならいい、しかし、みなさんすぐ考えておわかりになるように、後方支援、例えば、兵站、ロジスティックス、兵糧、というのは戦争行為そのものなんですよ。
古来、兵站を叩け、兵糧を断てという言葉があるように、まさに物資輸送、人員輸送、いろんな後方支援、ロジスティックス、兵站というのは戦争行為そのものなので、これをあえて法制局的知恵というか政治の知恵を出して、わざわざ武力行使と一体ではない、後方支援というカテゴリーをわざわざ作り出して、これは国際的にいうと極めておかしな論理構成であるにもかかわらず、当時自民党政権はそういう知恵をひねり出して、従来の憲法9条の個別的自衛権の範疇に押し込めた訳ですよ。
これが私は100%いいとは言いませんが、しかし申し上げたいことは、従来の自民党政権を含む歴代政権は、こうした政治の知恵、生活の知恵を出しながら憲法9条の解釈は守ってきた訳です。
それは何故かというと、やはりそこに大きな憲法上の歯止めがあるから、自衛隊の海外派兵、海外派遣というのは、何十年来国会でさんざん議論されてきました。私はその現場におりましたけれども、まさにそれをクリアする為に、歴代政権自民党を含む政権が出してきた知恵というものを、何故今回出さないのか。それは言われているように、これは蟻の一穴として、将来フルな集団的自衛権を認める道を開こうとしている、そういう思惑があるんではないか。
石破幹事長の発言について
その危険性を現実にみたのが、石破幹事長の今回の訪米中における発言でしたね。当面は限定する、しかし将来はどんどん広げていくんだという発言を、何故こういう局面で与党自民党幹事長がされるのか。これははっきり言うと安倍政権の足を引っ張るものだと思いますよ。慎重派というか反対派を勢いづけさせて、本来なるべきものもならせない、やっぱり我々が言っていた通りだと。
これは当面、集団的自衛権を限定容認と言うけれども、集団的自衛権にさえ踏み込めば、将来どんどん解釈を広げて将来はフルな集団的自衛権を認めることになるその道を開くものだ、という反対派慎重派の勢いを今後ものすごく勢いづけさせる、不適当な発言だと思いましたね。
そういった真意を国会で問いただしていかなければならない、今、政府与党が集団的自衛権の限定容認だと、決してフルな集団的自衛権を認めるものではないと言い張っていますけれども、その渦中において与党の幹事長がこういう発言をされるということは、やはりそうなんだという懸念を抱かせる十分な状況証拠になりますから、この点もしっかり問いただしていきたいと思います。
我が党として最終的な結論は出しておりませんが、とにかく従来の法制局の解釈も法制局長官を務めた方からもお話を聞きながら、しっかりとこうした後方支援であるとか、武力行使一体化論であるとか、非戦闘地域論であるとか、そういった概念を作り出してきた法制局の見解も問いただしていきたいと思いますし、
最後にもう一点重要なことは、NHK討論でも申し上げましたとおり、先制的自衛とか、武力行使の着手という概念をもう少しよく研究をして、これだけミサイル技術、防衛技術が飛躍的に発展しているわけですから、個別的自衛権の3要件のひとつである急迫不正の侵害、武力行使が発生しているという要件が、従来のように直接的に武力行使が発生していると解するだけでは足りないような状況があることも事実ですね。
先制攻撃という俗な言い方がありますけれども、これまで法制局的に言っても、某国が東京を火の海にしてやる、と宣言した上でミサイルに燃料を注入した時に、座して死を待つのかと、そのミサイル基地を叩くのが防衛ではないかと、それは許されない訳ではないという、これは法制局の政府の解釈ですからね。
その事例を含めた、先制的自衛という概念が国際法的にあることも事実でありますから、そうした先制的自衛とか、それから武力行使自体は発生していないけれども、武力行使に着手したと見なして個別的自衛権を発動するとか。
例えば、シーレーンの機雷の掃海が武力行使にあたるので集団的自衛権でないとできないという議論がありますけれども、私に言わせれば、某国が日本のタンカーが通るシーレーンに機雷を敷設した段階で、これはもう日本に対する武力行使の着手だと解することもできるわけで、そうであるならばその機雷の掃海は個別的自衛権の行使だ、と言えないわけではないわけですね。
ですから、ちょっと長くなりましたけれども、多角的な検討を具体的な事例に則してやっていくということが、この集団的自衛権の問題では大変重要だと思っております。是非党内議論を深め、かつそれに基づき国会議論も深めていきたいというふうに思います。
維新の会との合流について
日本維新の会との合流問題につきましては、正確に申し上げると、先般の政調会長同士の公党間の合意、61項目合意について、何やら維新の中で議論があるようでありまして、本来公党間で政調会長同士で同意した案件について、どうしてこんなに党内議論があるのか理解に苦しみますが、いずれにせよ打ち返しを待っている、ボールは維新にあると。
連休明け早々にも、というふうにお聞きしているので、なるべく早く政策協議の再度の維新案なるものがあるのであれば、早く打ち返していただければ、こちらの党としても早急に検討していきたいと思います。
私の方からは以上です。
<<記者団との質疑応答>>
Q:昨日、細川・小泉元両首相が脱原発を目的とした団体を立ち上げたのですが、そのぶら下がり会見で「選挙には直接は関わっていかない」「国民運動をやっていくんだ」という話だったのですが、その手法についてどう評価されるのか。
また代表は野党再編を目標にしていますが、結い・維新などが関わる野党再編にそういった脱原発の勢力がどういうふうに絡む局面があるのか、見通しをお聞かせください。
A:まず、細川元首相ご本人から直接真意をお伺いしたいと思います。いずれ近々にそういった機会もあると思いますので、まずどういうご趣旨・お考えなのかを聞いた上で、ご指摘のような連携があるのかどうか判断をしていきたいと思います。
いずれにせよ即原発ゼロか、我々のように近い将来原発ゼロか、というのはベクトルは同じ方向を向いているので、少なくとも今政府与党が進めている原発再稼働、原発は基幹電源として引き続き活用していくという路線とはベクトルが違うので、そういう意味で即ゼロ派、我々のような近い将来ゼロ派がこの問題についてどうやって連携をしていくやり方があるのか無いのか、そういったことは真意を近々お伺いをして判断して行きたいと思います。
Q:近く会談されるおつもりでしょうか
A:これは別にこういう流れとは関係なく、細川元首相をはじめとする、この前の都知事選で動いたメンバーとは、人間関係的にいうと、いろいろな意味で親密な関係がありますので、これは日常的なお付き合いの範囲内でお伺いする機会が近々あろうかと思います。
Q:今日、民主党の三日月衆議院議員が議員辞職願を出されまして、先程滋賀県知事選に出馬することを明言されました。民主党への離党届も出して無所属で戦う方向のようですが、結いの党としては滋賀県知事選の対応はどのようにされるでしょうか。
A:まずご本人がどういう戦い方をされるのか、うちの党に何かあれば当然どういう政策なのか、原発だけではありませんから、県政は。そういう意味では、お話をお聞きするということになろうかと思いますが、まずはご本人がどういう選挙のやり方、戦い方をされるのかに掛かっていると思いますよ。うちの党にはまだ何も無いです。
Q:統一会派の関係で、参院で生活の党にも打診をするとかという報道が一部ありましたけれども、その辺を確認したいのですが。
A:いや、全く聞いていませんし、そういう動きはないと思います。
Q:神奈川県会で結いの党と日本維新の会所属の県議が近く統一会派を組む見通しになりました。統一地方選まで一年を切って、地方でも、とりわけ代表の地元の神奈川でこうした動きが出てきていることについて、どのように評価されますでしょうか。
A:いい方向じゃないでしょうか。正に地方議員のほうがお尻に火がついているというか、危機意識がある。来年春の統一選に向けて悠長なことは言っていられないという中で、国政レベルでは今合流に向けて政策協議が進んでいる訳で、そういう意味で神奈川に於いて統一会派が出来るというのは歓迎すべきことであって、是非来年4月の統一選に向かって具体的に候補者擁立の作業も含めてやっていただきたいと思います。
前回、どこの党に関わらず風だけで勝った地方議員というのが多いんですよ、神奈川でも。この4年間しっかり評価をさせていただいて、風で受かって地元活動も何もしていないと、特に議員定数大幅削減を訴えた政党が裏切り行為を働いているような神奈川の事例も見えますから、そういった議員はとにかく有権者の審判を受けるという意味でもしっかり対抗馬を立てて、公約を破った裏切った神奈川の地方議員にはお暇いただくというような形で、どんどん有意な人材を擁立していきたいと思います。
Q:関連して、日本維新の会の松野幹事長が、講演で、結いの党との党の合流について7月終りくらいまでには形になればいいというスケジュール的な見通しを示されたのですが、このスケジュール感についてどのようにご覧になられますか。
A:まぁリップサービスでしょう。先々の事よりも、まずは目の前の政策合意をしっかり成し遂げて、その先に次のプロセスに入っていくということで、まだそこが途中経過なのであまり先々の事は私も含めてあまり言うべきじゃないと思います。
Q:集団的自衛権の議論の関係で、党内議論をまとめる目処というのはどのへんでしょうか。
A:与党があの体たらくですから。何度も言いますが外交安全保障は政府なんですよ、責任者は。
具体的に自衛隊のオペレーションをする、海上保安庁・警察を動かすというのは政府しか持っていないんですよね。自民党ですら持っていないんですよ。
ましてや野党なんて関係ないんですよ正直言うと、私が官邸にいた経験から言っても。ですから、その政府与党ですらこれだけ迷走している訳ですよ、公明党さんとの関係もあるかもしれませんね。ですから我々はじっくり政府与党の動きを横目で見ながらしっかり検討を深めて理論武装をしていくということが大事だと思います。
やはり公明党さんの仰っていることは、実は我々が申し上げていることとよく似ていまして、手前味噌ですが、何度も言いますが、前回の衆院選の時からこういう事を言っているわけで、当時は誰もそんなことは言っていなかったんですが、それが段々公明党さんもいろいろ法制的な検討をされているんでしょうね。
ですから、一度公明党さんとも意見交換をしてみたいと思いますよ、この問題では。あくまでも個別的自衛権や警察権の範囲で読み込める範囲内で築き上げられてきた憲法解釈は変更すべきではないというのは、非常に一考に値するお考えだと思いますから、是非公明党さんとも意見交換をさせていただきたいと思います。
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