今年の国会も、やっと今週火曜日から始まりました。この国難の時に遅すぎる!といった感じですが、民主党がやることは万事こんな調子です。
さて、それはともかく、この前の野田さんの施政方針演説、面白かったですね。内容じゃありませんよ。内容はいつも
通りの「美辞麗句踊って中味なし」。ただ、いみじくも演説を官僚が書いていることがバレバレになってしまったんです。
報道にもあったように、福田、麻生総理当時の演説のくだりを野田総理が引用し、「私も同じ」と言った。
「与野党が信頼関係の上に立って話し合い、国政を動かすことこそ、国民に対する政治の責任だ。これは、4年前、当時の福田総理がこの演壇から与野党に訴えかけられた施政方針演説の一節です。」
「持続可能な社会保障制度を実現するには、給付に見合った負担が必要です。経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講じます。これは、社会保障を安心なものにするためです。子や孫に、負担を先送りしないためであります。これらは、私の言葉ではありません。3年前、当時の麻生総理がこの議場でなされた施政方針演説の中の言葉です。私が目指すものも、同じです。」
しかし、「同じ」なのは、ある意味、当たり前の話なんですね。要は、この民主、自民の末期政権、その一番肝心な、
熱い思いを込めて語るべき総理の言葉さえ、双方とも官僚が書いているという証拠なんです、これは。野田総理も演説案を練っている時に歴代総理の演説をみて「みんな同じことを言ってるんだよな」と周囲に語ったといいます。
実は私は、海部、宮沢内閣の時に、通産省から官邸に出向し、この総理演説の下書きを一人でやっていました。だから、私は生き証人のようなもんなんですが、早稲田大学の雄弁会出身で「演説の名手」「海部の前に海部なし。海部の後に海部なし」と言われた海部総理ですら、弱冠30歳そこそこの官僚・江田が書いた文章はほとんど修正しなかった。
あの博学の宮沢総理ですら、そうでした。「いわんや、野田、福田、麻生においてをや!」ですね。いまさら言うことでもないんですが、野田政権も完全に「官僚主導の自民党政治」に戻ってしまいましたね。
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