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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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共同通信社会員情報誌「Kyodo Weekly」(7月21日号) インタビュー記事掲載

2008年7月21日 メディア情報 | 新聞・雑誌 tag: , ,

官僚による"骨抜き"をけん制  霞が関に対峙する頭脳集団に 共同通信社会員情報誌「Kyodo Weekly」7月21日号 掲載記事


官僚による"骨抜き"をけん制  霞が関に対峙する頭脳集団に
 江田憲司衆院議員と元官僚の計8人が6月、政策集団「官僚国家日本を変える元官僚の会(脱藩官僚の会)」の発起人会を立ち上げた。公務員制度、地方分権、規制改革に対する官僚による"骨抜き"を監視、けん制するのが目的。官僚出身のメンバーを公募し、9月上旬には設立総会を開催する。発起人代表の江田氏に話を聞いた。

狡猾な官僚テク
――― 旗揚げ会設立の経緯は。
 「10年前、橋本内閣総辞職と同時に首相政務秘書官を辞めて以来、構想を温めていたが適材が見当たらなかった。今年4月、小泉構造改革を推進し内閣参事官などを務め、『さらば財務省!』を記した高橋洋一さんと会って意気投合、とんとん拍子で事が進んでいった。ぼくの"原体験"は、故橋本龍太郎元首相の秘書官として関与した中央省庁の再編。特に財政と金融の分離をめぐって旧大蔵省と闘う中で、政治家のふがいなさ、官僚の省益維持、組織防衛の実態をじかに見たことにある」
 「政治家は『官僚支配を打破する』と口先では言うが、実態は官僚の手のひらの上で踊っているか、族議員が官僚と結託し都合の悪いことを隠ぺいしている。われわれは官僚ならではの経験を生かして改革を"骨抜き"にしようとする霞が関の動きをけん制し、緊急アピールや政策提言を行い、国民に警鐘を鳴らしていく。自民党の中川秀直元幹事長が言った『ステルス複合体』を見えるようにして、政治家がそれを撃ち落とせるようにする」

――― 官僚の"骨抜き"テクニックとは。
 「『橋本行革』で創設されることが決まった『経済財政諮問会議』の名称をめぐって、事務局に『財政』という言葉を入れるようにと指示しても、『経済諮問会議』という資料が何回も出てきた。どうしてか、とただすと財政は経済の一部だから、と。予算編成に関与させたくない旧大蔵省の意図がありありだった。官僚がつくる落とし穴は狡猾だ」

――― 今後の行動スケジュールは。
 「7月上旬現在、10人を超える人たちから入会の申し込みがきている。少数精鋭で、 20人でも9月上旬までには設立総会を開きたい。改革志向の現役官僚とも連携、支援していくし、将来的には国民本位の、霞が関に対峙するシンクタンクにしたい」「メンバーになれば、霞が関に"ブラックリスト"を提示するようなもので、陰に陽にプレッシャーを受けることになるだろう。相当の覚悟が必要だ。発起人として参加したいと言っていたのに、数日後に『やっぱり霞が関からにらまれたくない』と断ってきた人が何人もいた」

「外人」を政治任用せよ
 〈政府は7月、国家公務員制度改革推進本部の事務局長に日本経団連参与の立花宏氏を、事務局次長に行政情報システム研究所理事長で前総務事務次官の松田隆利氏らを、それぞれ充てた。事務局は省庁幹部人事を一元管理する「内閣人事局」新設 のために必要な法案を作成する実動部隊になる〉

――― 「立花事務局長」人事をどう見ていますか。
 「私が首相秘書官時代に経験した行革会議の人事と同じ構図だ。事務局長は民間人だが、事務局次長は旧大蔵省にべったりの総務省の事務次官経験者。『霞が関連合軍』が事務局長に入る情報を阻害、孤立させる。各省は内閣人事局へ出向者を出し、お手盛り人事を官房長官、首相に上げさせるだろう。福田首相は官僚勝りのDNAを持っている。ポリティカル・アポインティー(政治任用)で外部人材を登用し、政策をしっかり実行できる幹部人事案を作ることが大事だ」

――― 今の官僚に対する評価は。
 「コスト意識、礼儀作法が欠落した官僚は民間でも使い物にならず、役所に残らざるを得なくなる。彼らは家族も養わなくてはいけない。役所に忠誠を尽くせば、70歳、80歳まで天下りが保証される『一生安心システム』に身を任せることができる。これが問題の本質だ。強烈な帰属意識が縦割り行政を生み、組織防衛の原動力になっている。これを打破し、オールジャパンの『日の丸官僚』を育成しなければいけない」

新党結成にしくはなし
 〈次期衆院選をにらんで、平沼赳夫元経済産業相が新党結成の可能性に言及。橋本元首相の弟で、次期衆院選に高知1区からの出馬表明をしている橋本大二郎前高知県知事も7月に入って『次期衆院選前に新しい政治集団、新しい政党の結成を目指 したい』との考えを表明した〉

――― 新党や政界再編に関する考えは。
 「自民、民主両党とも"ごった煮"の状況で、自民党からは歯切れのいい政策が出てこないし、民主党はいずれ路線対立で瓦解する可能性がある。再編は必要だ。有権者の間では『自民には不満』が、『民主には不安』がいっぱいだ。自民党のコアの支持層はもう自民には入れないと言い、民主党にしょうがないから投票すると言う人が増えている中、第3極ができれば選挙後に政界再編の主導権を握るぐらいの議員を誕生させることはできる」
 「新党が結成できれば、それに越したことはない。が、こだわってもいない。全国で無所属で出ようという人は結構いる。政策を揚げ、賛同する人に印を付けていけばいい。自力でやっている人を見つければ、金も要らない。ただ、脱藩官僚の会を新党や政界再編に絡めたり、どこかの政党を応援するということは一切しない。発起人は政治家になりたくない連中ばかりだ」

――― 橋本大二郎氏とは。
 「16年も大統領的な知事を務めた人が、ドンキホーテになる可能性があるのに決断したことは評価すべきだし、見殺しにしてはいけないと考えている。『大二郎の旗』の中にはぼくのアイディアも入っている。有力な連携相手だが、もっとウィングを広げたい」

(聞き手 編集部 松浦 義章)

江田 憲司氏(えだ・けんじ)
東大卒。通産省官房総務課、通産相事務秘書官、首相政務秘書官。52歳。神奈川8区、衆院当選2回。(無所属)

週刊朝日 6/27号 に対談記事「脱藩官僚の会」旗揚げ宣言/江田憲司vs高橋洋一
読売新聞(7/28 朝刊) インタビュー記事掲載