――― テロ特措法の問題点は
「米国が自衛戦争と位置づける戦争に、後方支援といえども軍事的に加担したのは戦後初めてだった。なのに政府は『自衛隊がいる所が非戦闘地域』『憲法前文と9条には隙間がある』などといい加減な答弁をして数の力で法案を通してきた。この理屈でいくと後方支援であれば米国に追随して世界中に自衛隊を派遣できることになる。その結果、米国と同様、日本人も常にテロや戦争と向き合うことになるが、それで良いのかと国民に問いたい」
――― 燃料転用疑惑を先頭に立って追及していた
「外国からみれば軍隊たる自衛隊が、我々の知らないうちに海外で法律違反・目的外の活動をしているならば文民統制に反する。安全保障の根幹に係わる重大問題で、これを看過すれば、軍部が暴走して戦争への道を歩んだ戦前の悪夢さえよみがえる」
――― 政府はインド洋から撤退すれば国際社会から批判され、日米関係も損なうというが
「なぜ日本は自らの貢献を卑下するのか。アフガン復興会議を東京で主催し、千四百億円の援助や軍人の社会復帰等を主導してきた。心配ならテロの資金源を絶つ、民生を安定させる等の分野で追加策を出せば良い。当初十六ヶ国百隻で始めた海上阻止行動も今や五ヶ国十七隻。必要性も減じ各国の撤退も相次いでおり、国際社会から批判されるわけがない。日米関係も強固で収拾可能。それよりもなし崩し的な自衛隊派遣が如何に将来の国民を危険にさらすか、そこに思いを致した方が良い」
――― 自身の主張は
「自衛隊の海外派遣の原理原則(歯止め)を定める『安全保障基本法』の議論をスタートすべきだ。私は『国連決議+後方支援』の枠組みが適当と考える。当然、国会承認も含め文民統制も盛り込むべきだ。これに日本の外交力、資金力、技術力を駆使すれば、国際社会の中で日本は十分役割を果たせる」
えだ・けんじ 桐蔭横浜大客員教授。元首相・通産大臣秘書官。衆院8区。当選2回。51歳。
神奈川新聞2007年11月1日(木)朝刊
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