かながわ国会情報
「危機管理力 弱さ露呈」
江田氏 年金問題で首相に苦言
年金記録不備問題について、安倍晋三首相が昨年暮れから今年初めに問題を認識していたことが二十二日、分かった。無所属の江田憲司衆院議員(8区)の質問主意書に政府が答弁書で明らかにした。江田氏は、対策の遅れなど初動対応のミスを指摘し「首相の危機管理力の弱さを示している」と苦言を呈している。
「宙に浮いた年金」問題は、昨年六月に民主党の長妻昭衆院議員が衆院厚労委員会で初めて取り上げ、同十二月に同党が予備的調査を実施。答弁書は、未統合の五千万件という総数に関して「(予備的調査の)取りまとめの過程で明らかになった」と説明。さらに安倍首相と塩崎恭久官房長官が認識した時期を「昨年暮れから今年初め」としている。
ところが安倍首相は約一カ月後の衆院予算委員会(二月十四日)でも、緊急事態宣言を出して総点検を求める長妻議員に「年金そのものへの不安をあおる危険性がある」などと答弁していた。
橋本内閣時代に首相秘書官を務めた江田氏は「事務方が官邸に情報を上げたということは大問題になると心配したからだ。だが当初の国会答弁から分かるように首相の危機意識は薄かった」と分析。さらに「(半年後の)支持率急落後に急ごしらえで対策をつくったが、初動対応を誤っているので、もはや信用されなくなっている」と指摘している。
── 神奈川新聞 2007年6月23日付 朝刊 ──
年金の未統合記録、首相が知ったのは昨年暮れ
政府は22日の閣議で、社会保険庁の管理する年金記録の中に基礎年金番号に統合されていない記録が存在することを安倍晋三首相と塩崎恭久官房長官が認識した時期について「昨年の暮れから今年の初め」とする答弁書を決定した。
未統合記録の件数が約5000万件に上ることは、民主党の求めに応じ2月に取りまとめられた予備的調査の過程で明らかになったとしている。
無所属の江田憲司衆院議員の質問主意書に答えた。
── 産経新聞 2007年6月23日付 ──
年金記録漏れ:昨年暮れから今年初めに首相認識 答弁書
政府は22日の閣議で、年金記録漏れ問題を安倍晋三首相と塩崎恭久官房長官が認識したのは昨年暮れから今年初めにかけてだったとする答弁書を決定した。江田憲司衆院議員(無所属)の質問主意書に答えた。
答弁書は、厚生労働省と社会保険庁は以前から記録漏れを認識していたが、基礎年金番号に統合されていない記録が5000万件に上ることが分かったのは、今年2月に衆院が予備的調査報告書をまとめるまでの過程においてだったとしている。
これに関連し、首相は22日午後の内閣記者会のインタビューで、「昨年暮れから今年初めにかけてそうした問題があることを知った。2月くらいに5000万件の(宙に浮いた年金)記録問題があるという報告を受け、その段階で対応するよう指示した」と説明した。そのうえで「政府の対応としてできることはすべて行った」と強調した。
── 毎日新聞 2007年6月23日付 ──
年金5000万件不明 首相 昨年末に認識
該当者不明の年金記録約5000万件の存在について、安倍首相や塩崎官房長官が認識したのは「昨年暮れから今年の初め」だったことが、22日明らかになった。政府が同日午前の閣議で決定した江田憲司衆議院議員(無所属)の質問主意書に対する答弁書でわかった。政府は5月25日と6月4日に、年金記録漏れ問題に対する対応策を発表したが、ほぼ半年間は具体的な対策が示されなかったことになる。不明記録の総数について、2006年6月現在で5000万件に及ぶことを政府が公表したのは今年2月。民主党の松本政調会長らが、昨年12月、衆院に要請した予備的調査の報告書で明らかになった。
答弁書は、5000万件という総数について、「予備的調査の取りまとめの過程において明らかになった」としている。
社保庁は当初、5000万件の内訳を把握しておらず、柳沢構成労働相は国会答弁などで「亡くなった方や、年金の需給要件を満たしていない方らが含まれている」として、実質的な問題は少ないとの見方を示していた。
だが、社保庁が5月に公表した5000万件の年齢別内訳で、60歳以上の受給年齢に達している人の記録が約2880万件に達することが判明した。
── 読売新聞 2007年6月22日付 ──
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