アベちゃん再生会議
私が政務秘書官を務めた橋本内閣では、いったん落ちた支持率を大幅に反転させたことがあります。政権発足直後の支持率は約60%でしたが、3ヵ月間下がり続けて40%を割りました。その後、外務省も無理だと思っていた普天間基地の返還交渉を総理主導でまとめたことで反転。1年半たった時点で50%を超えていました。安倍首相も、困難な課題を自ら主導して解決しない限り、支持率の大幅反転は難しいでしょうね。
首相の感覚は世間とずれています。郵政造反組の復党問題では国民との約束よりも身内の論理を優先し、格差問題の存在をいまだにはっきりと認めようとせず、政治家としての夢である憲法改正ばかり追いかけています。首相官邸は奥の院で、世間の風とかワイドショー的な主婦感覚とは無縁です。しかし、そこがわかっていないと国民の心に響く政策が打ち出せない。たとえば内閣に、ワイドショー番組などで世の中の流れをチェックする部署を設けることも一案です。
参院選に勝つための対抗策は、トライアンギュレーション戦略、つまり、民主党の主張を安倍政権が取り込んで解決してしまうしかありません。格差問題を認めて、真正面から取り組む姿勢を見せると争点はなくなります。小泉政権下で民主党が困ったのは、自分たちの政策が取り込まれてしまったからでした。
週刊朝日 2007年4月27日号
Copyright(C) Kenji Eda All Rights Reserved.