いやあ、本当に驚きましたよ、唖然とした、というか、耳を疑ったというか。今週、私が予算委員会で野田総理への質疑に立った時のことです。
前総理の菅さんが5月に、「原発事故の責任をとる」として「総理給与の全額返上」を表明し、実際、退陣までの3ヶ月、月給(114万円)、ボーナス(218万円)を返上してきたんです。その期間は「原発事故の収束まで」ということでした。
ところが、野田新総理になって、この方針は当然引き継がれていると思って官邸に確認すると、9月16日に、野田総理は初めて、総理としての給料を受け取り、それが満額だったということがわかったのです。
私は正直、野田さんは「忙しくて気づかないうちに、うっかり払い込まれていました。来月からは、菅さんと同じく、全額返上します」と答弁するものだと思っていたんです。だって、これからが本格的に復旧・復興に莫大なお金がかかる、野田内閣は、それに加えて、国民に大増税を押しつけようってわけですから、尚更のこと、総理や国会議員は、自らの身を切らなければならない。私が総理の立場なら、当然、そうすると考えたからです。
それが驚天動地、なんという私の浅はかさ、野田さんは「公務員人件費カット法案」が通るまで返上しないと言い放ったのです。確かに、この法案は、総理や国会議員のような特別職も対象です。しかし、その削減幅は平均8%。総理の場合は30%カットでしかありません。菅さんの100%全額返上とはほど遠い。ちなみに、全額返上でも、総理には、別に議員歳費(月額129万円)がありますから、何の問題もない。
朝霞の公務員住宅は着工する、古賀茂明氏は首にする、いくら綺麗な着物を着ていても、その裾から、思わず正体が垣間見える。その典型が、この「給料返上しない」発言ですよ。だって、野田さん自身が「議員自ら身を切る覚悟なくして国民負担は語れない」と言ってたんですから。
ちなみに、その国会議員の給料も半年間続いていた月額50万円カットが今月で切れる。もっと続けようと、みんなの党が提出した「月給3割、ボーナス5割カット法案」に民主も自民も見向きもしない。結果、来月から国会議員の給料も満額支給です。「世間の常識」が通用しない国会、要りませんね。民主党も完全に終わっています。
Copyright(C) Kenji Eda All Rights Reserved.