先週、円高とのからみで為替介入の話にもふれましたが、皆さん、「外貨準備」とか「外国為替特別会計」とか知ってますか?今、これを巡ってトンデモナイことが起こっているので、最後まで我慢して読んでくださいね。
今、日本には何と100兆円もの外貨準備があるんです。しかも、その多くは米国の国債で持っている。そして、その米国債を買うお金は国民から借金して調達しているわけです。まさに、米国の財政を日本が支えている構図がここにあるんですよ。米軍基地の経費を日本が負担していることを「思いやり予算」と言いますが、この外為特会の外貨準備も米国への「100兆円の思いやり予算」のようなもんです。
それが、この円高でドルの価値が下がり、何と、いいですか、35兆円もの為替評価損を出してるんですよ。信じられますか?
言ってみれば、国民一人当たり100万円の外貨投資をさせられて、その結果、35万円の損が出ている! これが民間の会社だったら、顧客が「一体どうなってるんだ!」と押し寄せて、即刻、社長は首ですよ。
しかし、政府は平気の平左。総理はもちろん、直接の責任者、野田財務大臣も財務官僚も一切責任をとらない。それどころか、この外為特会には過去の投資の利益が20兆円以上積み上がっているのに、この額をはるかに超える為替差損で使えなくなっている。本来なら、復旧・復興財源に使えたお金ですよ。
トンデモナイことが今起こっているのに、外貨準備とか外為特会とかが複雑で「伏魔殿」のようになっているから、国民の多くが知らない。ろくに情報公開もしない「いかさまファンド」みたいなもんですよ。
最大の問題は、この100兆円にものぼる外貨資産を財務省が漫然とそのまま放置してきたこと。だから、ドル安になると損が出る。そもそも、このドルは、これまで、円高是正のための為替介入で円を売ってドルを買った結果。日本はもう戦後復興期のような発展途上国ではないんだから、こんなに外貨準備は要らない。
介入で積み上がったドルはその後時期をみて売って、その規模を縮小しておけば、こんなことにならなかったわけです。為替損も少なく、利益積立金も復興に使えた。今後、国会で徹底的に追及していきますよ!
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