いやあ、円が急激に上がってますね。その背景には、米国の財政危機やユーロ危機があるんですが、結局、何だかんだ言っても、ドルやユーロに比べて、相対的に円が信認されているということですよ。だから、円が買われる。
それと同じ理由で、日本の国債も順調に買われている。その結果、国債の金利（長期金利）は１％切る切らないといった水準にまで低下してきました。
一体、日本は借金が９００兆円もあり財政破たん寸前、増税しなければ国債の信認が落ちて暴落し、金利が急上昇、日本経済は破たんしてしまうと、財務省の口車に乗って「狼少年」のように叫んできた政治家や経済学者・評論家、大手マスコミは、この円高や超低金利をどう説明するんでしょうね。
こんな非常識な連中にくらべて市場は正直ですよ。借金と言っても自国民（国内）に借金し、かつ、対外収支が黒字の国が破たんするわけがない！この円高のそもそもの背景には、投資家にこうした円や日本国債への「安心感」があるんです。
円高も悪いことばかりではありませんね。今、夏休みの行楽シーズンですが、海外旅行に行く人はずいぶん得をする。輸入品を販売する会社だって安く外国から品物を仕入れられる。「円高還元セール」ぐらい大々的にやってほしいですよ、まったく。
でも逆に、外国に製品を輸出する企業は厳しい。ドルで代金を受け取っても円に換金すれば、円高では取り分が少なくなる。日本経済に打撃を与えることは確かです。
そこで、我々みんなの党は、この急激な円高に対しては、大胆な金融緩和で対応すべきと訴えています。先日、政府は４兆円規模の為替介入をしましたが、案の定、効果が薄い、短時日でまた反転、円高になる。
なぜ、円高になるのか。簡単に言えば、ドルやユーロに対して円が少なく希少価値になっているから。デフレもモノに対して円が希少価値になっているから起こる。
だから、円高やデフレを是正していくためには、日銀による長期国債の買いオペや、リスク資産の買入れ等を通じて、お金（円）をドンドン市場に出していくことが大切なんですね。しかし、今の政府・日銀にはその覚悟も政策もない。当面、この円高は続きますよ。
