再開後の国会は、まあ平穏に粛々と進んでいますね。まるで菅退陣表明なんてなかったかのように。とにかく、早く懸案を片付けて菅さんには本当に辞めてもらおうという気分が、民主にも自民にも支配的といった感じだからです。
その菅さんですが、何を考えてるんだか、とても辞めるような雰囲気ではありません。この人は、行きつくところまで行くという覚悟を決めているのかな、と思える時もあります。
それもそのはず、総理という地位にある人を他人が引きずりおろすことは難しい。というのも、総理が辞める場合というのは次の三つしかないんです。
一つ目は、不幸なことに総理自身が亡くなる場合。小渕総理がそうでした。これはもうどうしようもありませんね。
二つ目は、総理自らの意思で辞めるという場合で、過去、辞めるパターンは大体これでした。鳩山さん、安倍さん、福田さん等々。それも自発的に辞める場合と、選挙に負けてその責任をとる場合とに分けられます。
三つ目が、衆院で内閣不信任案が通る場合です。ただ、この場合は、解散総選挙に打って出るという道がありますから、それで勝てば首はつながる、そうじゃなくて、内閣総辞職を選んだ場合は当然、総理も辞めることになる。
だから、この三つの場合以外は、菅さんが総理に居座り続ける限り、たとえ、国政がマヒして動かなくなっても他人にはどうしようもないんですよ。特に、内閣不信任案は既に今国会で否決されてしまいましたから、慣例により、もう一回出すわけにはいかない。だから、完全に手詰まりって状況ですね、今は。
じゃあ、衆院解散は菅さん一人の決断でできる?答えはイエスです。解散は閣議で決定する必要がありますが、反対する閣僚はその場で首を切って菅総理が兼務すればできる。たとえ、菅さん以外の全大臣が反対しても、同じように全大臣の首を切って全部自分が兼務して閣議決定に署名すればできる。
これは昔、海部内閣時代、総理の命を受けて当時官邸勤務だった私が検討した結果ですから、確かなことなんです。
もしかしたら、今の菅総理にはこうした開き直りがあるのかもしれませんね。やれやれ。
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