いやあ、前原さんが辞任しましたね。皆さんの中には、何でこの程度で辞めるんだ、外務大臣がコロコロ代わったら国際的にも恥ずかしいじゃないか、と思っている人も多いことでしょう。
その気持ちは、わからないわけではありません。でも私は、これで良かったと思っています。なぜなら、この外国人からの献金問題に象徴される前原氏の「脇の甘さ」、もっと言えば「危機管理能力の欠如」が、国のリーダーとしては大問題だと思うからです。
だってそうでしょう。数年前、偽メール事件で党の危機管理ができず民主党代表を辞めた。今回は、脱税企業からの献金を含め、自分の事務所の管理もできていなかった。外交というのは国の危機管理ですから、そんな人にとても任せてはおけませんよ。
ただ、それ以上に私が大臣不適格と思うのは、彼がこれまでやってきたことです。いつも最初は威勢の良いことを言うんですが、ことごとく結果が伴わない。国土交通大臣の時は「やんばダムは中止!」と叫んだものの、結局一年後に撤回。「JALの再建計画は練り直し!」と白紙に戻しながら、その前原チームの報告書はお蔵入りで公表もされず。高速道路の無料化も迷走し、せっかく無駄な道路を造らないことにしたのに料金引き下げのお金を使って高速道路建設を復活させる等々。
外務大臣になってからも、例の尖閣問題で「船長逮捕!」と最初は威勢が良かったものの、いつのまにか釈放しうやむやに。ロシアの大統領には北方領土を初めて訪問されたり、ニュージーランド大地震の際にも、邦人家族を政府専用機に乗せると大見えを切りながら実現せず。
ことほど左様に、民主党政権、いや、民主党政治家を象徴するような人、それが前原さんという政治家だと思いませんか?颯爽(さっそう)といつも口先では良いことを言いながら何も実現しない、机上の空論、頭でっかち、組織を動かすマネージメント能力がない。
もうそろそろマスコミが作った虚像に踊らされて総理選びをするのは止めましょう。安倍、福田、麻生、鳩山、菅、そして「次期候補」の呼び声が高かった前原氏。そのたびに国民は期待を裏切られ続けてきたわけですからね。政治家の来し方が問われない。日本政治の最大の問題点です。
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