★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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・ムダ遣い解消PT(ダレノミクス)の取り組みについて
私が座長を務めます税金の「ムダ遣い解消プロジェクトチーム――ダレノ(誰の?)ミクスプロジェクト」ですが、この通常国会開会後も精力的に会議を開催しておりまして、月曜日(1月30日)はオリンピック・パラリンピックの国の予算計上について、昨日(1月31日)は例の文科省の組織的な違法な天下り問題が他省庁にも蔓延していないのかどうかという意味で、再就職数の多い大どころの13省庁、それぞれ個別にヒアリングをいたしました。
そして明日(2月2日)は、お配りしているように豊洲問題。今日(2月1日)、私が予算委員会でもただしました現状の卸売市場法、これは豊洲に限らず卸売市場は農水大臣の認可が最終局面で必要なわけです。その認可基準の中に生鮮食品の安心・安全という基準が明定されていない。これだけ大きな問題になっている以上、豊洲に移す、移さないとは関係なく、こういった国民の口に入る生鮮食品、その安心・安全をしっかり担保しているのだという、それを法律上しっかり明記すべきだと。これにつきましては農水大臣からも総理からも、「卸売市場全体の改革を考える中で、こういった法律改正も検討していきたい」と、前向きなご答弁もいただきましたので、明日、早速、民進党の東京都議団の皆様を集めまして、年末以来検討してきた我々の素案・原案ですね、卸売市場法の改正案、これは議員立法ですが、意見交換をして、党内手続を進めてまいりたいと思っております。
・予算委員会質疑 五輪開催費用の負担問題について
本日、私が質疑に立った中で特筆すべきこととして、まずオリンピック・パラリンピックの経費負担の問題については、ご案内のようにこれは東京都主催ですから、組織委員会が原則その費用は負担するのですが、足りないところは主催者たる東京都が補う。東京都がどうしても補填できない場合は法令に従って国が負うというのがこれまでの合意でありますが、基本的に東京都というのは富裕な財政団体ですから、言われているような最大1兆3000億円、東京都が負担したとしても財政再建団体に陥ることはない。となれば、東京都でそこはやってもらうというのが、我々が政府にヒアリングした結果であります。除く新国立競技場の建設費用。これは国立ですから国が持つのは当たり前。ということでございましたが、最後、総理からは、原則は原則として、「最後は柔軟に検討する」というようなご答弁がありました。小池知事は「3月末までには決めたい」とおっしゃっておりますし、今日の国の認識もそうでありました。
私の意図は、どこが負担しようが、早期に負担を決めていただいて。負担が決まらなければオリンピック・パラリンピックの準備作業も進まないので、いろいろな過去の恩讐を超えて、となるのか、人間関係がギクシャクして、それがある意味で支障になっているという指摘もございましたので、その点も含めてしっかり早期に負担関係を明確にしていただく。やはり国がイニシアティブをとっていただかないと、五輪担当大臣も置いて、総理大臣も先頭に立ってこのオリンピック・パラリンピックを招致したわけですから、ゆめゆめ他のオリンピック開催国に見られるような準備が遅れるみたいなことにこの問題でならないようにしていただきたいということで、今日(予算委員会で)質問をいたしました。
・予算委員会質疑 カジノの違法性阻却事由について
それからカジノと、いわゆる「テロ等準備罪」、従来「共謀罪」といわれている点につきましては基本論をいたしました。
特にカジノにつきましては、ギャンブル依存症等々いろいろな問題が指摘されておりますが、その前に基本的な問題として、刑法第35条(正当行為「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」)の「法令行為」で違法性阻却される。その刑法犯である、刑事罰がかかる賭博罪について、なぜこうした株式会社、民間主体のカジノが、従来の公営競技の相場観・基準を大きく逸脱する形で阻却されるのか、全く私にはわかりませんので、その点を問いたださせていただきましたが、それに対する明確な答えはございませんでした。
今日も申し上げましたように、競艇とか競馬とか、こういった公営ギャンブルは、戦後復興期、国・地方財政が非常に厳しい折に、しょうがない、日本の美風・伝統には反するが、ばくちというか賭博に手を出して、その収益金は全て公益のために使うのだということで、辛うじて適法化してきた歴史がございます。法務省の見解もそうです。
しかし今回のカジノは、ご承知のように外資系も含む株式会社。収益金の一部は納付するといっても、株式会社ですから利益追求。その収益の太宗は株式会社の利益になるわけで、公設・公営・公益という3要件に当たりません。従来と全く違う主体であるカジノ、これを刑法の適用除外にする、「正当行為」というか「法令行為」で違法性阻却するというのは、これは幾ら検討したって無理でしょうと私は思いますので、この点についての議論をしっかり我々民進党としてもしていかなければいかん。
ギャンブル依存症だなんだ、検討する前に、根本論が成り立たないと全てが崩れるわけですから、そういう問題意識で質問させていただきました。
・予算委員会質疑 国際組織犯罪防止条約・「共謀罪」について
「共謀罪」、「テロ等準備罪」につきましては、これも前提が全て崩れるのではありませんかと。条約は、今ご提案されると言われている「テロ等準備罪」が必要なくても批准できますよ、ということを論証させていただいたつもりです。
いつものことですが、看板に偽りあり。平和安全法制もそうでしたね。今回も「テロ等準備罪」、「テロ」を前面に出せば国民は受け入れてくれるだろうという姑息な魂胆。しかし、この条約に「テロ」の2文字、一つもございません。
今日も指摘させていただいたように、「組織的な犯罪集団」とは「金銭的利益その他の物質的利益」を目的とすると限定されているわけです。もちろんその中にはテロ集団もいるでしょうけれども、やはり宗教的・民族的・政治的・信条的なテロというのが多いわけでありまして、そこを捕捉して捕まえろというふうには条約は全くなっていないわけです。それをふまえて、国民はこういう名前をつければだませるだろうという意図ですから、そこについて問いたださせていただいた。
今日、条約の立法ガイドというものを出しまして、こんな大部の、これは国連のこの条約の事務局が書いたものですが、そのくだりはぜひ皆さん、英語でやらなければだめなんです。邦訳は、もう外務省の意図どおりですから。今日の外務大臣の答弁は、「事務局に問い合わせたら、そうではないんですよ」と言っていたけれども、そんなもの、信じられるわけない。誰が誰に確認したかわからん、おそらく大臣は確認していないから、外務省の一般の職員が事務局に電話して、これはどうなんですかと誘導質問して確認したのでしょうが、この英語を見れば――
The options allow for effective action against organized criminal groups, without requiring the introduction of either notion--conspiracy or criminal association--in States that do not have the relevant legal concept.
「without either notion」、いずれのnotion(概念)、すなわち「合意罪・共謀罪」「犯罪集団への参加罪」どちらの概念も導入することなく効果的な措置を国内法でとればいいのだというのがこの立法ガイドです。ぜひこれは研究していただいて、どちらが正しいか、日本弁護士連合会などは私の見解が正しいということを言っていただいておりますので、ぜひ各局検証していただければ。
今日の趣旨は、そうは言ってもいずれこれを出してくるのでしょうから、細かい議論はその時にして、基本論、これが崩れると全く、この条約の批准のためには「テロ等準備罪」、法律が必要なのだという前提が崩れますので、そこを私は今回突かせていただいたということでございます。
釈迦に説法ですが、批准というのは、どこかの国が「批准します」と言った時に、じゃあ国連や締約国会議が「だめだ」と言う権利はないのです。批准というのは、一方的にある国家がその条約に従うという意思表明なので、それを拒絶するなんていうことはあり得ないので、日本が主体的に判断すればいいし、ここの条約にも、立法ガイドにも書いてあるように、それは国内法の原則を守ってくださいと。
日本で言うと、判例の理論で「共謀共同正犯」というのも今ありますが、基本的には実行行為を中心として組み立てられて、思想信条や、「合意」とか、そういうものは一切犯罪の対象にしないという基本原則に反していますから、そういった刑法の基本原則に沿って考えればいいので、それは今日もご紹介したように、条文の一言一句にこだわる必要はありませんと。この条約の意味とか精神にのっとって、国内法の原則に従ってやってもらえればいいんですと。なぜならば、その条約にワーッと従ったら、その国の裁判所とコンフリクト(衝突)がある。そんなことを我々は企図しているわけではないので、その国の裁判所と「違法だ」「違憲だ」という争いが起きないように国内の原則に従ってください、「ensure(確保)」してくださいというのがこの立法ガイドですから。
どちらの言っていることが普通なのかというのは、これは大部にわたりますが、これ重要な法案ですから、よく研究していただいてご判断をいただければなと思います。
・予算委員会質疑 天下り問題について
天下りにつきましては、来週7日、集中審議。これは前川前事務次官の参考人招致も与党は認めたそうです。たぶん私もここに立って、もっと具体的な、今日できなかった話を徹底的にやりたいと思います。徹底的にやる。
これは、この天下り問題について、蓮舫代表、(執行)役員会でも、「おまえのところでやれ」と。「横断的にやるのはおまえのところだ」と。個別のところは部門会議でいいけれども、横断的に全省庁やるのはおまえのところでやってくれということなので、ヒアリングもいたしました。
今、政府がやっている全省庁調査、幾ら聞いてもわけがわかりません。いつまでやるかも言わない。どうやってやるかも言わない。「制度設計した」って言っているのです、山本国家公務員制度担当大臣は。じゃあその制度設計、何ですか、どういう聞き方をするのですかと聞いても、言わない。なぜかといったら、「いや、今言うと相手省庁が防御線を張って、ろくな答えが出てこない」。それはおかしいんじゃないですかと。個別の具体的な、誰それさんがどうやって口きいて、就職活動して、あっせんしたのならば、個別案件を事前に漏らすとそれは防御するでしょう。しかし、調査される側にとって、何を調査されるかわからない、いきなり行って口頭で、「はい、利害関係企業に何年以降再就職した人の事例を出してください」なんて言われたって、「じゃあ調査して、戻ってきます」と言って、何日か後に報告するだけでしょう。
だから私も無理なことは言っていなくて、要は、ある程度疑わしい母集団を確定して調査かけないとだめなんじゃないですかと。例えば疑わしき案件というのは大体、内閣人事局が公表しているあのおびただしい再就職のリストの中で、例えば離職して3年以内に、まあ2年以内でもいいのですが、利害関係企業・団体に再就職している人の調査をいたしますから、それを母集団にしてしっかり調査してから来てくださいねと。もっと言えば、同一利害関係企業・団体に、もう3代も4代も同じ省庁の役人が再就職している場合は、これも疑われるわけですから、そういう事例をちょっと摘出して持ってきてくださいよとか。そういう程度のことはあらかじめ調査対象に言わないと、持っていきようがないですからね、いきなり口頭で聞かれても。
ただ、それを幾ら言っても、「いやいや、それを今言うと、各省庁がディフェンシブになってろくな調査ができませんから」と。私は反対だと思う。これはたぶん時間稼ぎでしょう。こうやってあっちこっちしていて、「やってます、時間かかってます」「はい、参議院で予算が通りました。じゃあ発表しましょう」、こういう魂胆ですね。
だけど、国民はそれを許さないと思います。これだけの言語道断の事態が起こって、調査のやり方も手法も一切公表せずに、「いや、やってます。やってます」で2ヵ月間通すのですか。そんなことで国民が納得するわけはないと思うし、それで、「いやいや、今やっている調査は全幅の信頼で見守っております」なんてならないわけですから。それくらい、国民が見て「ああ、こんな調査をしてくれているんだな。だったら、わかるかもしれないな」程度の調査手法、やり方というのは明らかにしないと。もう密室から密室で、「やりました、やりました」で終わるということでしょう。
いずれにせよ、これは結果ですから。また火曜日の時にも、再発防止策も含めて、機会があればしっかりと問いただしてまいりたいと思います。
■質疑
神奈川県横浜市長選挙・カジノ誘致案について
【「FACTA」・宮嶋記者】
カジノの件で、憲法論をしても、なかなか巨大与党に押し切られる可能性が高いと思う。むしろ、この夏に横浜市長選があって、地元が「ノー」だったらおそらく誘致できないという法のたてつけのはずなので、そこはやはり実戦という意味では横浜市長選をどう見るかを伺いたい。
【江田】
市長選が8月終わりまでにはございます。ただ、現・林市長がまだ出馬表明をされていないという中で、長島さんという、私が全く存じ上げない方が「カジノ反対」で立候補表明をされ、具体的に街頭活動もされているというのが現状です。
私が今、横浜市議団との協議で申し上げているのは、やはり筋としてはこれまで8年間の、特にこの4年間の市長としての実績をしっかり評価する、それを早くやってくださいということで、その上で、その評価がどうなるかによってまた対応を決めなければいかんと思いますが、私は、今日も言いましたように、2人の子どもを持つ親としても、横浜市民としても、断固反対です。
横浜はカジノなんかに頼らなくても、幾らでも魅力がある。山下埠頭に、倉庫跡でいっぱい土地があるのですね。この開発についてはいろいろな代替案を示さなければいかんと思います。だけれども、特に港というのは表と裏の顔がありますから、本当にギャンブル依存症患者が闇金に手を出せば、それは反社会勢力の資金源になるのは明らかなので。これは、誰に聞いても反対です。推進しているのは、あそこの地元の商工会議所だけ。それはやはりいろいろな背景や思惑があるでしょう。しかし一般市民の方に、私は歩いているけど、誰も、一人も賛成しない。特に、共同通信さんの調査で7割「反対」、民進党支持層は9割以上「反対」という結果が出ていましたが、私の感じでいうと、普通の横浜市民はみんな反対です。特に女性は強いアレルギー反応がある。
こういった思いをしっかり体現していくのが政治家・江田憲司ですから。それは丁寧なプロセスを経ながら対応は決めていきたいと思います。
都連の小池知事支持表明について
【テレビ朝日・延増記者】
都議会での話になるが、先ほど民進党の松原仁都連会長が記者会見を緊急で開き、民進党都議会が百条委員会の設置を要求したことを受けて、都連として小池都知事を全面的に支持していく考えを示された。江田代行としては、小池さんとの連携についてどうお考えか。
【江田】
いや、わからないですね、小池さんの道筋というのが。「全面的に支持」って、何を支持するのですか。
【テレビ朝日・延増記者】
これまでの半年間の小池都政、「東京大改革」であるとか、松原さんが表現していたのは「膿をこれまで出してきた」、つまり豊洲の問題を含めてですが。
【江田】
いや、どういう意味での全面支持かというのがわかりませんのでコメントできませんが、要は、今まで伏魔殿の中にあった膿を表に出して透明性を高めたという意味で、私は小池都知事の手腕は評価しています。その限りにおいて支持するというのは、私も支持しますが、ただ政治的にどうなのかというと、自民党籍も残し、私の見るところ、自民党東京都議団とは対立されているようですが、何か知らないけれども、安倍官邸や自民党本部とは事を構えていないという理解なんです。であれば、我々国政政党の国会議員として、今コメントを求められても、どうにもちょっと判断できないということだと思います。
だから小池都知事がどういう、国政に手を伸ばされるのかどうか、国政政党をつくられるのかどうか、その時にどういう政治スタンスで行かれるのかというのがわからない以上、何とも申し上げられないということです。
ただ、こういった豊洲とかいろいろな問題で、伏魔殿に隠れていた事実を表に出されるという努力は評価しています。
原発・エネルギー政策について
【時事通信・岸本記者】
「原発ゼロ基本法案」の策定について伺いたい。今日もエネルギー環境調査会があったが、少しトーンダウンというよりは、「原発ゼロ基本法案を策定する」と明言されなくなり、他の幹部の方達も、新エネルギー政策の方針を党大会までに打ち出すことは検討されているようだが、実際に法案の策定いかんを代行としてどうお考えになるか。
【江田】
私も、新聞報道で「原発ゼロ基本法案」という法律の名前が出ていたので、そこは正直知りませんでしたのでびっくりしました。 ただ、この場でも昨年来申し上げてきたとおり、安倍政権・自民党が原発を基幹電源と位置づけて、「脱原発依存」と言いながら原発推進・再稼働推進だという立場。vs、民進党は「2030年代原発ゼロ」であり、かつ民主・維新が合流した際の基本的政策合意、これホームページに載っていますから見ていただきたいのですが、原発再稼働の我々の基本的な考え方は、まず原子力規制委員会の安全基準適合性は当たり前のこと、国がしっかり責任を持つ実効性のある避難計画が必要、かつ原発の最終処分場の選定プロセスの開始が前提だ、と書いてあるのです、正確に申し上げると。となれば、原発再稼働、現状では民進党は反対です。この基本的政策合意に明定していますから。そこも自民党と違うわけです。
ただ、我々の意識は、あえてそういうところをあまり言ってこなかったところもあるのです。そこははっきりと、もう少し歯切れよく。工程表も実は何年か前、民主党時代につくっているのですが、何も知られていない。それをもう少しわかりやすく、民進党というのは原発政策について安倍自民党とこれだけ違いがあるのだということをもっと国民にわかりやすくやろうという発想で、玄葉光一郎(エネルギー環境調査会会長)さんをヘッドに、田嶋要さんを事務局長に、発信している。蓮舫代表も、3月の党大会までに結果を打ち出すということなので、そういうプロセスをしっかり経て、私も当然議論に参加して、そういう趣旨・目的のもとで歯切れよい原発政策を出していきたいと思います。
法律云々の話は私も聞いていませんでした。
ムダ撲滅PT・天下り問題に関する調査について
【フジテレビ・寺田記者】
天下りについて、今回は江田さんのところで横断的にやられると。臨時国会ではSBS米などあり、国対ヒアリングの関係でかなり国会の日程協議にも食い込んできたと思う。昨日のヒアリングと今日の文科省のヒアリングでも中身のある回答はなかったと思う。期限をつけるとか、予算の日程であったり、今後どういった形で回答を求めていくか。
【江田】
昨日も先ほども申し上げたように、この公表資料の中から疑わしき案件ってある程度わかるんです。明らかに利害関係企業なのに、退職して1ヵ月で再就職している。それから、見事に横並びで、7月1日に退職して9月1日に再就職している。それが、例えば長崎でも起こっている、札幌でも起こっている、宮城でも起こっている。これ、何ですか、みんな示し合わせてやっているんじゃないですかと。そういう勘どころを見て問い詰めないと、こういうことは出ません。
それから、強制権限はありませんから。その後、再就職監視委員会にも何件かいろいろな情報が来ているらしいですから、再就職監視委員会はそれなりの権限もあるし、そういう情報もあるからできるでしょうけれども、我々の調査というは、やはりある程度そういうところで、この具体的な案件はどうですか、何ですかということを、まずは各省庁聞き取り調査をして、その結果を聞いて、疑わしければ、また。
ですから、ぜひここでお願いしたいことは、今、民進党のホームページで「目安箱」を設置しておりますので、そういった組織的な天下り、そういったものがあるのならば、ぜひその実態を我が民進党のホームページまでお寄せいただければ、それを端緒として我々もしっかり調査をしたいと思っております。
「7ヵ国からの入国禁止」米大統領令・安倍総理の姿勢について
【フリーランス・上出記者】
国会でも取り上げられているトランプ大統領の一連の大統領令、特に国籍によって入れないと。日本も移民には開かれていないが、観光客まで追い出すことはない。明らかに違憲ということで、多くの人が抗議しているが、これについて安倍首相は全然答えない。常識的に考えれば、会談までトランプさんを刺激したくないということはわかるが、やはりちゃんとした発信をする必要があると思う。民進党の何人かの方も質問している。それについて江田さんはどうお考えになるか。
【江田】
(予算委員会で)私も質しましたし、大串博志政調会長も質しましたが、もう同じオウム返しの答えしかありません。難民に問題をすりかえて、難民・移民については「国際的連携が必要だ」ということを繰り返すだけなので、これは明らかにトランプさんとの首脳会談を控えて、機嫌を損ねるようなことはやめておこうというだけだと思います。
ただ、申し上げたように、カナダのトルドー首相が一番強烈ですが、イギリスのメイ首相も、EUも、ドイツのメルケル首相も、これは西側というか、基本的な価値を共有している国から、しっかり釘を刺す、懸念の表明がされているわけです。難民だけではないんです、一般国民も含めて7ヵ国という国・国民で差別しているわけですから。宗教で差別しているかもしれないし。門地とか肌の色とか、そういうところで差別してはいかんというのが、一番重要な基本的価値です。それを踏みにじるような大統領令を出しているのですから、安倍さんも従来「日米同盟は絆が固い」「同じ基本的価値を共有している」と言うのならば、最初の首脳会談で釘を刺さなければだめでしょう、これ。バカにされますよ。
大体、外務省というのは、最初は「Say hello」ですよ、信頼関係を結ぶのが一番なんですよ、と言うんです。だから耳が痛いことや具体的な案件はやめてくださいと。今回はトランプさんが具体的な案件を提起するでしょうからそういうわけにはいかないでしょうけれども、おそらくこちらからは、そういう釘を刺されていることもあって、安倍さん自身のご判断もあるのでしょう。
しかし、例えば橋本・クリントンの最初の首脳会談、2月にやった時に、普天間返還を俎上に載せました。確かに外務省流からすると、「Say hello」の初めての首脳会談でそんな具体的な問題を出してはいけませんよと言われましたよ。しかし、それを押し切って、普天間返還をしていただければ沖縄にとっては非常にありがたいことだということを出したから、その1ヵ月後に普天間返還合意がなされたわけです。
最初から「機嫌を損なわないようにいこう」って言ったら、一番心配なのは、これから理不尽な要求がいっぱい出てきますよ、何か文句を言えるのかということです。
やはりアメリカ人を本当に知っている人は、いや、いいんです、トランプさんがああいうことを言うのはしょうがない。大統領だから。しかしアメリカ人というのは、それに対して言い返したって、そんなものは屁とも思わないですよ。もっと議論したいという人がいっぱいいるのですから。トランプさんがそういう人かどうかあれですけれども。要するに、言いたいことを言い合う、これが本当の同盟関係であり、「親友だ」と言うのであれば、(本当の)友達関係だと思います。
これは今後のいろいろな、今言われている自動車・通商問題、安全保障の問題でしっかり物を言うためにも、ジャブくらい出すのは必要なのではないですか。西側首脳がそろってそういう懸念を表明している中で、日本の総理だけが「コメントする立場にない」とおっしゃっているのは、非常に残念な気がします。
【フリーランス・上出記者】
今のは多くの人が納得する説明だと思うが、そういう安倍さんだが、このところ支持率が50%の後半、これまで低かったところの調査でも50%後半になっている。どうしてなのかということを自民党の若手代議士に聞いても、「わからない」と言う。今までは、受け皿がない、民進党がもうちょっと頑張らなければだめだと。それだけでは済まない部分もあるのかなと。ただ個別の政策では反対している人のほうが多くて、この間の北九州市議選では自民党が二つ減らしている部分もある。どういうふうに捉えたらいいか、江田さんのご所見を伺いたい。
【江田】
うまいですよね。メディア戦略も含めて、今の官邸はうまい。それに引きかえうちの党は、メディア戦略も含めてその域に到底達していない。
例えば、北方領土の問題。今日もやりたかったのですが、時間がなかった。あれは私に言わせれば経済協力先行、領土棚上げです。だけど、それが後ろめたいものだから、安倍さん、あの土日、週末にメジャーな報道番組に生放送で出まくったでしょう。ああいうのがうまいんです。あれ聞かされちゃったら、普通、外交や北方領土の問題、あまり国民は詳しくないですから、「ああ、そうなんだ。よくやっているじゃないか」と、こういうことですね。そういう意味も含めたメディア戦略がやはりうまいです。どこで学ばれたのか知りませんが。そういうことがあると思います。
それから野党が幾ら正論を言って政策提案したって、報道してくれないではないですか。視聴率がとれない。何かやれば、安倍官邸から横やりが。それはしょうがないですよ、今の限界は。プラカードを立てれば、プラカードを立てるところだけはニュースで報道されて、教育の無償化と政策を訴えても誰も報道しない。「誰も」というのは極端ですが。そして、何かワーワーワーワー反対している姿、スキャンダルを追及して、スキャンダルはおもしろいからスキャンダルばかり放映されると。それはしょうがないでしょう。そんなことを言ってもしょうがないですよ、負け犬の遠吠えで。
ですから我々は、先ほど言った原発問題、カジノの問題、そして安全保障、海外で武力行使を認めるのかどうか、そして経済成長は重要だけれどもその果実・税収はしっかりと「人への投資」・教育の無償化を柱にやっていくということをしっかり訴えていくしかないんです。
選挙が近づけば、これはもうメディアの皆さんも平等に取り上げざるを得ないので、そこでいかに発信ができるか。これにかかっていますから、私は悲観していません。大体、選挙の1ヵ月前からそうなるのです。普通の国民の関心は、選挙の1ヵ月前でないですよ、1週間、2週間前です。だから私は望みは捨てていないので、そのためにも今野党がやるべきこと、特に民進党がやるべきことは政策の弾込め。国民にわかりやすい、歯切れのよい弾込めです。それに努力していきたいと思います。
【フリーランス・堀田記者】
権力の中心にいた橋本さんの周りにいた江田さんが、そんなマスコミ対策のことで諦めてはいけない。
【江田】
諦めてないよ。望みは捨てていませんから。
【フリーランス・堀田記者】
トランプ発言、これはある意味で、トランプとけんかしたマスコミがすぐ飛びついた。ヨーロッパの首脳も、はっきり言うと、難民がこちらに来てもらっては困るというようなこともあると思う。僕は長いことやっているが、これはある意味でマスコミの意趣返しだ。トランプ発言があった時に、なぜ9.11の被害者やその周りの人達に聞かなかったのか。トランプ発言は「遅過ぎた、もっと前にやってほしかった」と言っている。マスコミのこういったことを、僕はもう長くやっていて、ちょっとあきれている。つまり、アメリカ国民はトランプ発言を支持している。そのほうが高い。49%が大統領令に賛成。41%が反対と。
【江田】
その本音のところを、この問題に限らずトランプさんが訴えて、たぶんそれがヒットしたのでしょうね。やはり日本人も建前と本音がありますが、アメリカ人はもっとあるのです。私もボストンに住んで初めて知った。やはりその裏のところ、本音のところをうまくつついて大統領になったのでしょうね。
だからそういう世論があるというのならば、それはそういうことでしょうが、ただ問題は、難民の問題に矮小化するというか、逃げてはだめなので。これは難民以外も7ヵ国全国民に一律に、一時的にせよ入国制限をかけているわけで、だからそこは安倍さんからするともう「難民」で逃げようという魂胆はよろしくないのではないですか。だから、いずれにせよそういった基本的な価値を侵害している部分については、しっかり物を言っていただきたいなという気持ちでございます。
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