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2015年1月29日(木)、代表記者会見を開きました。
【代表記者会見(2015年1月29日)】
・文書通信交通滞在費の公開と、国会での野次について
・執行役員会と選挙対策委員会会議について
(記者団との質疑応答)
⇒イスラム国人質事件についての維新の見解
⇒イスラム国人質事件の事後検証について
⇒文通費について
⇒総理の70年談話について
⇒イスラム国事件の検証姿勢について
⇒上記提出時期について
⇒ピケティについて、維新の経済ブレーンについて
(文書通信交通滞在費の公開と、国会での野次について)
はい、皆様お疲れ様でございます。明日30日に、懸案だった文書通信交通滞在費を我が党のホームページ上で公開をいたします。その時の私の代表としてのコメントをいまお配りしている通りでありますが、ぜひご理解いただきたいのは、これは根拠法たる歳費法にも明確な使途が定められていない。諸般の経緯をいくら調べても確たる経費の範囲が明定されていない中での、試行錯誤状態での公開でございますので、公開することで国民の皆様、各界、各層のご批判やご意見を仰ぎながら、より良いものにしてまいりたいと思いますから、あまり重箱の隅をつついたようなご批判は控えて頂いて、こうしたほうがいいとかこういった経費はあげないほうがいい、もっとこういう経費はあげていいんじゃないかとか、そういった建設的なご意見を国民の皆様、さらにはメディアの皆様からいただけたらなと。
大事な事は、公開をする気のないような政党が、公開をしている者に対してああだこうだとあげつらうというのは非常にアンフェアですから、ぜひそういったご理解を頂きたいと思います。あれは一昨日でしたか、柿沢未途議員の国会質問中にもですね、我々は国会議員の歳費3割カット法案を出しているんだと、大震災の財源等々にあてるために国会議員の歳費2割カットしていたのを、まさに増税の翌月からあげてしまう。月々25万円、年にして四百数十万円。問題だ!とやると、自民党の席から野次が飛ぶわけです。「じゃあお前返せ!」と。
要はそんな、身を切る改革に賛成もしないような政党に、「返せ!」なんていう資格なんてないんですから。こういうのは何ていえばいいんですかね。これ、今度、私が立ちますけど、今度野次が飛ばすやつがいたら、その場で、固有名詞で、あなたはそれでいいんでしょうか、と言いますからね。それは許されますから。野次を飛ばす、アンフェアな野次を飛ばすというのは、それなりの覚悟をもって議員をやっているわけですから。あまりひどい野次には、固有名詞でもって、あなた有権者にそれを言ってみなさい、と言うつもりですね。
この問題は私もみんなの党時代から、歳費3割カットをいうのであれば、実際問題、供託でもしようかということを考えたんですけどね。まず、皆さんのご理解促進のために申し上げると、まず国会議員が勝手に歳費を返上するのは、これは法律違反だと、これは閣議決定まであると。昭和50年ですか、ということであります。今回、さらに検討してみた結果、供託をするということは、返上未遂罪にあたるというような見解も法制局から示されておりましてね。ただまぁ、実態的にいうと、供託してもですね、そのお金が全く国民のために有効に使われない。単にボーンと供託しているだけですからね。やはり議員が歳費を返上するというのであれば、その税金を有効に活用、国民のために活用しないと私は意味がないと思います。
では供託して、じゃあどうなるんだと。議員が終わると供託金はどうするんだと。またそれを戻しちゃうと批判されるわけでしょ。「あんた方はパフォーマンスで供託して、議員辞める時にまたもらうんだったら、なんだ。」それを例えば10年経ったら没収だというのがあるのだけれど、それを前提として供託すると未遂だと、歳費返上の未遂罪だというんですよね。ですから、こういう法律論をするよりも、だからこそ各党各会派一致して、法律を改正すればいいわけですね。返上する、と。
これも皆さんのご理解の促進のためですけど、閣僚の給与返上の場合には特別法をつくって、公職選挙法の適用除外ですね。だから、やはりこれは法律違反だということになれば、法治国家でありますし、立法府でありますから、しっかり歳費を変えて、国会議員の歳費は3割カットするということを通せばいいわけです。それをまったくやる気のない議員が野次を飛ばすというのは本当に許せないと思いますね。野次を飛ばす奴はその場でテレビ中継の中で固有名詞を言ってやろうと、私は思います。
(執行役員会と選挙対策委員会会議について)
それから、補正予算についての賛否は明日11時半でしたかね、執行役員会を臨時に開きまして、今進行中の国会審議の状況等々を見まして、党としての立場を決めたいと思います。来週火曜日の四時からは第一回目の統一選に向けた、選挙対策委員会会議を開催いたします。私も出席をして、選挙対策委員会とそれから総務会の各地方ブロック担当の総務がおりますので、一同に会して、もう2か月ちょっとですよね、統一選まで。しっかりと対応に異論なきようにしてまいりたいと思っております。今日はそんなところですかね。私からは以上でございます。
(記者団との質疑応答)
Q:イスラム国人質事件に関しまして、交渉期限が迫っている一方で、一方でヨルダン政府と大使館経由での交渉が進んでいるという情報もある中で、改めて維新の党としてどうお考えになっているのか、政府に何か求めていくことはありますか?
A:一昨日でしたか、我が党としての対策会議も開きまして、外務省の担当者から状況はお聞きしました。ヨルダン政府が介在してきたという新しい展開、身代金から政治犯といいますか死刑囚との人質交換というような要求も変わってきたという、色んな状況を見ながら、政府として万全の対応を取られているとに理解をしておりますので、引き続き野党として出来ることは限られておりますけれども、後藤健二さんの救出に向けて全力をあげていただきたいと思っております。こういう時に、私も橋本政権のときにペルー人質事件、これは123日間続きましたけれどもね、いくら野党にやれることは限られているとはいえ、やはり官邸で与野党党首を呼んで、しっかりとしたそれなりの説明をするというのが筋じゃないですかね。
やっぱりこの安倍政権というのは常に国会軽視、やっぱり頭にないんでしょうね、そういうのが。私も出席しましたけれども、例の3.11、原発事故、大震災のときもですね、あれは翌日でしたか、私は党首の代わりに出席したんですが、管政権の元でも首相主催の与野党党首会談をやりましたし、私の記憶では橋本政権でもちゃんとやっているんですね。今回全く何もしませんね。国民や日本国が一致して結束して、こういったテロ問題に対する対応をしていかなければいかんということであればですね、やはりその位のことをやる暇がないのかと言う感想は率直に思いますね。いずれにせよ安倍総理大臣のこれまでの政治家としての来し方が問われるこの危機管理事態ですから、しっかりとその役割を果たしていきたいと思います。
Q:今の点なんですけれども、他の野党からですね、この事件が解決したら、政府の対応について検証は必要だとの声が挙がっているんですが、その点についてはお伺いしたいのですが。
A:当然です。今は現在進行中。後藤健二さんの救出、人命救出中に、とにかく全力を挙げていただきたいと思いますし、この事案を解決するのはまさに首相官邸・政府でしかないわけです。その点についてはですね、野党としてはできる範囲の事でしっかりと協力して参りたいと思います。だから余計なことも言わない。余計なこともしません。何か役に立つことがあれば情報提供等々含めてやらせて頂きたいと思いますけれどね。
ただどういう結末を迎えるのにせよ、一連の危機管理事態に対して、首相官邸、特に総理大臣、どういう対応したかは、次、あまり想像したくはないですけれど、同じような危機管理事態が起こった時についての、やはり教訓というか、反省材料にしなければなりませんからね。活かしていかなければなりませんから、それをやるのがまさに国会の果たすべき役割なんだろうと思いますからね。これは全ての事が終わった後にしっかり検証して将来につなげていくという努力が国会に求められていると思います。
Q:文通費公開、これは大きなことだと思うんですけれどもね。去年、確か橋下さんがやる気になればできるんだとおっしゃって、最初はできないんじゃないかと私も思ったんですが、わずか数か月で、6か月でしょうか。問題はこの過去につくられた自主ルールですね。この部分が試行錯誤だと思うんですけれど、いろいろ賛否両論があるだろうし、改善もしなければならない。 この部分について少しご苦労も含めて教えていただきたい。
A:これはもうすでに何度も説明しているし、HP上に去年のうちに公表していますんでね。おっしゃる通り試行錯誤なんでね。ここはおかしいとか、こういう経費は計上すべきではないとか、どんどん言って頂きたい。パブリックコメントももう求めてるんです。そういう意味でより良い制度にしていきたいと思いますから。
逆に言うとそういう制度なんでね。あんまり足を引っ張るよりも、むしろ皆さんにお願いしたいことは、他党が賛同しない理由がないんですよ。だけどメディアの皆さんがやっぱり取り上げていただかないと、あぐらかいちゃってるんですよ。だから一部の報道機関はちゃんと報道していただいているんですけれどね。それから、ある民放番組の選挙戦中の党首討論では取り上げていただいたんで、私が口火切って申し上げれば、安倍さんだって、公明党の山口さんだって、どこだって、面と向かって反対できないですよ。
まさにこれは我が党だけやってもしょうがないんです。まさに一人当たり1,200万円、今700人を超える国会議員がね、全部公開、さらしてですね、それでやっぱり小渕優子さんが問題となったように、あるいは政党助成金、『号泣県議』が問題となったのは政務活動費、あれも全部公開しているから問題になったんで、とても谷垣(自民党)幹事長が当時言っていたように「適正に使われておりますから公開する必要はない」なんていう理屈がね、国民の皆さんに通るとは思いませんので、是非、明日を機して発表致しますので、ご批判をいただきながら、また皆さんにも是非、我々こういう議員立法も出して、特別国会3日間しかありませんでしたけど、そこに法案を出して継続審議になっていますから、引き続き歳費カット・定数削減法案と共に、強力に各党各会派に向けて働きかけたいと思います。
いずれにせよこれはメディアの皆様のご協力も得て、かつ、国民の皆様の声をバックにしていかないと、これはとてもじゃないけど自分たちのことは棚に上げるのが名人の国会議員、賛同してくれませんので、ぜひお願いしたいと思います。
Q:総理が出すとしている戦後70年談話についてなんですけれども、以前の予算委員会でも民主党の長妻議員の質問に対して、全体的に受け継ぐという事しか言われていないんですけれども、この問題は週末のNHKの番組でもお二人とも話されていると思うんですが、改めてどういったメッセージを打ち出していくか、また総理の、全体として受け継ぐとか、 色々な言葉にはこだわらないとか、そういった姿勢に関してはどのように思われますか?
A:これは村山総理・内閣での50年談話については私も関与したんです。当時、自民党総裁・通産大臣であった、橋本龍太郎さんの私は秘書官でしたので。まだ覚えておりますけれども村山総理が人間ドックかなんかに入られている時か、私が文案を持って村山総理と橋本自民党総裁との間を調整したのを覚えがありますけれどね。それは一部報道にあったように「終戦」と書いてあったのを橋本龍太郎さんが「敗戦」という文字に直しました。それ以外の所はいろいろそれは当時の自民党の中でも議論はありましたけれども、「過去の一時期」とかね、「侵略と植民地支配」というのを認めたんですが、それも過去の一時期ということで知恵を出していますしね、やはり近隣諸国に多大な損害や迷惑を与えたことに対しての謝罪というものに至りましたから、基本的に10年後の小泉談話にもそれは引き継がれているとでありますので、その70年の談話を安倍政権が出されるという事であれば、私としてもそれは前向きな未来志向の、やはり文言にしていくべきだとは思いますけれども、やはり村山談話・小泉談話で書かれているようなキーワードというか、言い回しというか文言というか、これはもうそれを多少でも変えるとまた違うメッセージというか誤ったメッセージを、近隣諸国・アジア諸国だけではなくて米国にもヨーロッパにも発信するということになりかねませんからね。
当面これはまだ先の話ですから、維新の党としては見守りたいと思いますけれども、これは安倍総理がどういう想いを持たれていようがですね、まだこれから色んな意味での紆余曲折は発表まであると思いますからね、当面そういう観点から見守っていきたいと。まずはその文案が出てきてから、我が党としてはしっかり検討して、見解はまとめたいと思います。申し上げたいことは、近隣アジア諸国だけの問題にとどまりませんよ、と、私も首相官邸にいて、50年談話に関わった者からするとね、そういうことは言えようかと思います。
Q:恐縮ですが、先ほどの今回のイスラム国の問題を自公に提唱するというお話ですけれども、その提唱の仕方として国会全体での審議や党独自の検証、どういった提唱をお考えなのかという点と、昨年からの政府の対応だとか、またはどの辺を問題意識をもって提唱していきたいとお考えですか?
A:まぁあえて今は現在進行中ということで詳らかにできないということで、安倍総理は政権を押し通している訳ですからね。逆に言えば、すべてが終わった暁にはいろんなやり方があると思いますよ。
過去の例を見ると、本会議場で報告をした後代表質問っていう例もありましたしね、予算委員会での集中審議ということもありましたから、それはもう一番いいやり方で国会の場でしっかりと検証するという意味では安倍総理も出席されて当然与野党共が国会審議に付するということでしょう。それは聞いてみないと、今はもうすべてクローズ、ほとんどクローズ、それはもう理解していますから、逆に言うと終わればすべて詳らかにして、検証に耐えうる情報くらいは出していただいて、それで議論していくっていうのが大事なんでしょうかね。今、予断をもってああだこうだ言うべきではないと思います。
Q:長妻さんは、事前に国会に出して、国民的な議論をすべきだと。それに対しては安倍内閣自ら提出したいと。維新の党さんとしてはどのようにお考えでしょうか?
A:まぁそれはその時考えますよ。どのタイミングでどの形で出てくるのか。閣議決定でしょ。談話っていうのは従来閣議決定ですからね。前後でどうするかはまた考えましょう。
Q:ピケティの分厚い本を先生ご覧になった感想などをお聞かせいただけますか?
A:今日購入しようと。5000円くらいするんですって?5500円?高いなぁと思いながら。さっきまさに事務所に、ちょっと買っといてくれと。
Q:やはり関心があるんですね。
A:ありますね。やっぱり自分と同じ考えの本読んでもしょうがないからね。そういう本があるなら読んでみないといかんと思うし、もう一冊僕は、お名前なんとおっしゃいましたか、シンクタンクにおられて、今は大学教授をされてる方の書かれた、「資本主義の終焉と歴史の危機」も買ってくれと。いろんな物を読んで、やっぱり参考にしていかないとダメですね。
この前の会見でも申し上げた通り、今アベノミクスに欠けているのは、分配の視点だということです。だから補正予算にしろ、本予算にしろ、きわめて雀の涙のような分配予算しかないわけですよ。商品券なんてのは2,500億円、本当にデフレギャップ15兆円解消できるなんて、誰も思いませんよね。だからまぁ、われわれはアベノミクスの基本的な方向は賛成だと言ってきました。
というか、アベノミクスというのは何も新しいものじゃないんですよ。今まで歴代政権がやってきたことを寄せ集めてセットにしたと、それもまぁ一つの才能ですよ。今までやってきたことを体系立てて、セットにしたということについてはそういう新味があったんでしょうが、第一の矢の金融緩和、世界では潮流だったんだけど、日本では異端少数でしたね。みんなの党、手前味噌ですが、2009年の公約に唯一みんなの党しか書いてなかった。当時安倍さんなんて微塵も考えてなかった。菅さんも微塵も考えてないでしょ。後で総裁選に出なきゃいけないからパクッと食いついたというそれが当たったんですから、それは評価します。
第二の矢の財政出動なんて当たり前のことだし、第三の矢の成長戦略・規制緩和・地域主権改革なんて当たり前のことなんです。だって橋本政権時代からやってるんです。それをセットにしてやったという意味での新味というのはあるかもしれないけど、政策自体については誰も否定できないですよ。そこを民主党はアベノミクスは失敗したとか、アベノミクスはダメだというから話がおかしくなるんで、我々は第一の矢はいいと、しかし2本も3本もカンフル剤を打ってはダメよと、弊害の方が出てきますよと、第二の矢はあらぬ方向に飛んでますよと。要はもっと分配重視、懐をあったかくする政策にすべきであって、公共事業、年間も補正も予備費も決算ベースで10兆円も出して、2兆3兆も使い残してる、そんなものはだめでしょうと。
3番目は自民党宿痾(しゅくあ)のようなものですけれども、古い細胞から票や金しこたまもらって、古い細胞から排出して新しい細胞作るんだ、成長産業作るんだって、無理でしょうと言ってるわけです。だからこれはもう手前味噌ですが維新の党みたいなしがらみのない政党しかできなんですよと、これはもうずっと橋本政権の時も、6大改革5大改革っていって、規制改革についていえば、経済構造改革ってひとつ立てて、やってもできなかったですから、私も自民党をみてできなかったんですから、地域主権改革も諸井虔さんが地方分権改革とかなんとかやってずっとやってきたけどできなかった。もうそういうの見てきたんで。
だからそのアベノミクスの政策手法の方向はいいんですよ。だけどさっき言ったようにあらぬ方向に飛んでみたり、そもそも飛んでないっていうのが。だけどやっぱり民主党がいくら批判したって、あなた方できなかったでしょと言われたら終わりですからね。それよりもまだ安倍さんの方が、株も上がってるし、有効求人倍率、それは遅行指数ですよ、失業率や有効求人倍率っていうのは、景気がピークを過ぎた後に一番高くなる、だから今一番高いっていうことは、もう景気は後退局面にあるといえるんですけど、上がったことは事実ですからね。
だから我々っていうのはそういうところは率直に評価しながら、足らざるところを、これが大きいんですけれども、日本の将来のためにはね、日本の将来を切り開くためにはこれが一番大きいんですけれども、そこをですね、アベノミクスの弱点というか盲点というか、そこをついていくというやり方ですよ。これからの代表質問にせよ、予算委員会にせよね。
水野和夫さんも、一応私が渡辺喜美さんとみんなの党を結党する半年前に、国民運動体っていうのを立ち上げた時のメンバーにもなっていただいた方でね、もう一度、やっぱりいい機会だと思いますね。だからアベノミクスにかけてるのが分配、まぁ成長はいいんですね、成長の果実をどう分配していくかというところが非常な論点になると思いますね。これから本格的な景気回復を図っていくためにも。そんな中でこの方がどういうことを書いておられるのか、ちょっと前、里山資本主義っていうような本もありましたし、叡智を結集しないと今の日本の困難を打開できないと思いますので。
Q:維新の党には経済ブレーンみたいなのはおられないんですか?
A:いや、昔からいるじゃないですか。ちょっと偏してる。もうちょっとこっち側の話を聞かないとね。ありがとうございました。
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