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2014年7月22日(火)、代表記者会見を開きました。
【代表会見(2014年7月22日)】
・集団的自衛権に関するマスコミ各社の世論調査について
・記者団との質疑応答
⇒新党の独自性をアピールできる政策について
⇒消費税10%導入について
⇒橋下代表というパートナーについて
⇒民主党との連携について
⇒沖縄の基地負担軽減策について
など
<<全文書き起こし>>
(真山報道局長)
それでは代表定例会見始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
(江田代表)
皆さんお疲れ様です、会見を始めさせていただきます。
集団的自衛権に関するマスコミ各社の世論調査について
各社さんの集団的自衛権行使についての世論調査が出揃ったようでございますが、結果は一様に、機雷掃海であるとか米艦防護という具体的なケースについては賛成多数、ただし集団的自衛権の限定容認については過半数が反対という結果でございます。これは取りも直さず、国民の皆さんの間に安倍政権、あるいは集団的自衛権行使に対する漠然とした不安というか恐れ、戦争への道を歩むんではないかという漠とした不安というものが、こういう結果に表れているんであろうと思います。安全保障上の要請にはしっかり応えてほしい、ただし一方で歯止めはしっかりかけてほしい、こういう国民の気持ちだろうと思います。
その意味で、我が結いの党が出したような、安全保障上の要請にはこれまでの個別的自衛権の範囲内でしっかり応えていく、というのがやはり国民が期待をするひとつの解というか、答えではないかというふうに自負をしています。言い換えれば、これは歴代自民党政権が出してきた知恵ですね。
個別的自衛権を今回我が結いの党は国際標準に合わせて、その範囲内で安全保障上の要請をしっかり満たすという見解を発表した訳でありまして、いずれにせよ、こうした国民の皆さんの漠とした不安、恐れにしっかりと応えていく為にも、今後安倍政権が提出するであろう個別法等々の審議の中で、安倍政権しっかり歯止め役として、我が党としてしっかりその役割を果たしていきたいというふうに思います。それは取りも直さず今度の新党準備の中でもしっかり議論をしていきたいというふうにも思います。
例えて言えば、大きなデパートの裏路地に小さなお店を出して同じ商品を売ったところでお客は集まりません。ましてや売れ筋商品がまったく同じという事では皆さんデパートの方に行ってしまいます。売れ筋商品、商品が同じであるというのなら、デパートの中のテナントになればいい訳で、今度の新党も安倍政権に対峙して、野党勢力を結集して、来たるべき総選挙には自民党に変わり得る政権担当能力のある一大勢力を作っていくんだという訳ですから。
当然、国民の選択肢としてしっかり売れ筋商品も、安倍政権とは違う自民党政権とは違う売れ筋商品をしっかり作って売っていかなければいけませんしね。そういう意味で実りある新党準備というものを夏休み返上でやっていけたらなというふうに思います。
私からは以上ですが、何かご質問あればお受けします。
<<記者団との質疑応答>>
Q:今仰ったようなしっかり売れ筋商品を作って売っていかなければいけないという、そういう今の現時点で代表が考えるような、独自性のアピールできるような政策というのはどういったものが?
A:秋の臨時国会に向けて、大きな商店、その売れ筋商品というのは例えでありますね、もちろんの事。これは国民の関心事項という事です。そういう意味では10%への消費増税について新党としてどういうスタンスで臨むのか、川内原発の再稼働が想定される中で原発を含むエネルギー政策をどう位置づけるのか、更にはこうした集団的自衛権の問題、そして両党の原点であります統治機構改革、これは地域主権改革でもあり、公務員制度改革でもあり、行政改革でもある。そういった問題・イシューについて、しっかり国民の皆さんにアピールできる、買っていただけるような商品を作っていくという事が非常に大事だと思います。
Q:10%への消費増税については、これは凍結という結いはそういう主張ですけれども、橋下維新とはそういった調整はできているのでしょうか?
A:橋下維新の会さんは、消費税の地方税化ということを訴えておられます。これは実は我が方というか、元みんなの党が先鞭をつけて消費税の地方税化ということを打ち出していますから、この点は一緒なんですね。
問題は、昨今の経済情勢をしっかり睨んだ上で、10%増税をどうするか、我が党は凍結ですから。維新さんの方も安倍政権と同じように増税まっしぐらという事ではないでしょうから。その辺が特に新党準備会の政策面での大きな調整事項の一つになってくるだろうと思います。
是非ここは、以前の言葉でいえば「増税の前にやるべき事があるだろう」。これは、実は不肖私が考え出したキャッチコピーですけれども、この「増税の前にやるべき事があるだろう」という主旨は、増税を全く否定はしていない。将来の増税はあり得るんだけれども、その前にね、やるべき事がある。
やるべき事とは何ぞやと言えば、それは民間会社だって、会社が傾いた時にいきなり製品価格を上げないでしょうと、もっと潰れてしまうでしょう、そんな会社は。だからその前に社長や役員、従業員の給料カット、定員削減、更には遊休資産の売却等々のリストラですね、こういうことをしっかりして、膿を出し切った上で、その商品の価格を上げるというならまだしも。これは国の財政も同じですよ。ですから、そういったやるべき事をやった上で増税というなら国民の皆さんも納得していただける、だけど増税の前にやるべき事をやっていないという事ですよね。
最近もう安倍政権になって、つとに税金の無駄遣いの解消であるとか、天下りの根絶とか言われなくなったでしょう、皆さんも報道しませんよね。ですから、粛々とJTの社長に元財務官僚事務次官が天下るという事が平気で行われている。安倍政権発足当初は、日本郵政の社長に坂さんを勝手に充てたという事で、最終的には官邸主導で退任まで求めたんですけれども、じゃあなんでJTの社長、同じ財務省出身、せっかく3年前に民間人に全部入れ替えたのに、何故こんなことを認めるのか、何の説明もないでしょう。
ですから穿った見方をすると、日本郵政の社長人事は単に官邸が聞いてなかっただけだと、聞いていたら了承したと、今回は従前よく聞いていたというか、むしろ主導したんでしょうね、内閣参与ですから、天下った元財務次官、事務次官は。ですから自分達がやればいいんだけれども、官僚が勝手にやるからだめなんだという理屈に聞こえてしまう。
我々、そもそもこういった天下りは行政を歪めるし、無駄遣い、それに伴って支度金補助金等々の無駄遣いもされるというので、そもそも天下りは根絶すべきだと思っていますけれども、まさにそういった事が一切安倍政権なってからは話題にすら上らない、というのが大問題ですから。10%増税についての拒否感というのは国民に非常に強い訳で、そういう意味でより一層「増税の前にやるべき事がある」という事を鮮明に打ち出せたらというふうに思います。
Q:江田代表は渡辺喜美さんとパートナーを組んでみんなの党を作られたわけですが、今度は橋下さんとパートナーを組むということで、橋下さんをどのように見ておられるでしょうか。
A:橋下代表については、一昨年の夏...もう二年近く前に、当時みんなの党代表の渡辺喜美さんと決裂した以降、ずっと陰に陽に連絡を取り合って参りました。そういう意味では意思疎通はよく出来ていると思いますし、特に橋下さんという方は政策に非常に熱心というか政策に拘っておられる方なので、そういう意味では私どもも政策に非常にこだわる政党だということで、特に政策面では弁護士でいらっしゃいますから。
皆さんどう思われてるか、テレビやツイッターのイメージとは全く異なる、極めてロジカル・論理的な議論がお互いの間で出来ていると思っています。私も嫌いな方ではありませんから、そういう意味では非常に噛み合った議論ができているなぁという思いはあります。
Q:党外党内問わず、橋下さんと江田さんがぶつかって、渡辺さんと同じようにケンカ別れみたいな感じになってしまうのではないかと心配する声もあるのですが、それについてはどうお考えでしょうか。
A:二人でよく、今まで実は皆さんもご存じないいろいろな機会で会って参りましたが、感情的になる場面も一切なく、ロジカルに応えればロジカルに応える、極めて冷静なコンフタブルな議論ができると私は思っております。一、二度お会いしただけというのであればともかく、ずっとそういう意味でいろいろな局面局面で意見交換をして参りましたが、極めて冷静に論理的に感情的になる場面もなく議論できるという意味では、私はあんまり心配していません、その点は。
Q:関連して、橋下さんについて国政に出て欲しいとか、そういう想いはありますでしょうか。
A:是非、将来国政に出ていただきたいと強く思います。ただその前に、原点である大阪都構想を実現するということを、特に大阪の方々は望んでおられるでしょうから。且つ、橋下さんご自身も、やはりそれを成し遂げないと、大阪府民・市民に対する約束違反だということも強く認識してしておられますから、是非大阪都構想を実現していただいて、それを引っ下げて国政に出てきていただきたいと思います。
ですから今、正念場の時期を迎えておりますので、そういう意味で私は7月18,19日の合宿予定も、快く「とにかく専心してください」と。今、正念場なんでね。「是非全力を上げて取り組んでいただきたい」「合宿はいつでもできますから」「調印式もいつでもできますから」というお答えをした訳です。
Q:野党連携に関して、少し前に民主党の海江田代表と会談されて、その後政調レベルでの協議を経た上で、今後の連携を考えるというお話だったと思いますが、我々から見てそういうのが停滞しているように思えるのですが、現状としてはどういうふうになっているのでしょうか。
A:政調会長ベースで連絡は取り合っているようですけれども、なかなか夏休み中ということもあって、はかばかしくないとは聞いていますけれども。いずれにせよ31日、民主党で総括をされるということなので、そこでどういう総括をされ、民主党の中の皆さんがどういう、そこで理解・了承をされるのかどうか、この点を見守りたいと思います。
Q:ここにきて政府が沖縄の基地負担軽減策というものをかなり矢継ぎ早に打ち出していて、東日本にオスプレイが初飛来したりとか、都道府県を含めた再編交付金を新たに新設しようとか、佐賀空港への配備を検討しようとか、そういう動きが出ているのですが、一方でオスプレイそのものの危険性だとか、政府の運用に対する情報提供が不十分だということで、影響受けるような自治体からは懸念の声だとか反対の声も挙がっていますが、代表が官邸にいた頃には普天間の問題だとか沖縄の負担軽減策などにかなり尽力されたかと思うのですが、ここ数日の政府の動きをどのようにご覧になっていますでしょうか。
A:説明責任をちゃんと果たしているんでしょうか、厚木基地にも飛来したんでしょう。だから、厚木市長とか神奈川県知事に事前にちゃんと説明があったんでしょうか。
オスプレイについては「人為的ミスだと、事故は」と言い募っているのですが、構造的問題だという議論も根強くあるわけですよね。だからその辺に非常に不安を、特に住人の方々は持っておられる訳で、それがなし崩し的にどんどんどんどんオスプレイが全国展開をしているということについては、非常に不可思議というか、一体どういう手続きで、日米合意で地元との関係で、どういう手続きでそういうことが進められているのか。何かなし崩し的にやられているまま、住民の方々だけが不安に思っているという状況じゃないでしょうか。
ですから、この問題は何で安倍総理が率先してやられないのか。この問題は外務大臣や防衛大臣に任せておけばいい、ましてや役人に任せておけばいいという話ではないんです。本当に沖縄のことを考えておられるのであれば、安倍総理自ら、経緯的にいっても総理自らが脚を運んでしっかりやるべき話だと思いますけどね。特に、安倍総理が今回進めておられる集団的自衛権の限定容認となれば、真っ先に標的にされるのは、沖縄の在日米軍基地ですから、沖縄の皆さんに一番危険度が増すわけです。そういうことも率直に語らなきゃ駄目ですよね。
しかし自衛隊員の犠牲とかリスクでさえ口にしない、ましてや米軍基地を抱えている地元に一番危険が及ぶというような言及・説明もないというのは、本当に理解が進まない、この問題について国民的理解が進まない最大の要員だと思います。
きれい事しか言わない、物事の一側面しか、片側しか言わない、コインの表裏の表しか言わないというのは、なかなかこれは国民の理解は進まないでしょう、今後とも。ですから各種世論調査でも軒並み支持率が急減していますけれども、私が注目しているのは不支持率の急上昇ですね。私も官邸にいた時に当然支持率というものも認識していたわけですが、一番私が着目してきたのは不支持率の上昇なんです、支持率の減少よりも。
というのも不支持率というのは、一旦安倍さん駄目だと思った人はなかなか戻らないんですよ。支持というのは反射的効果といえばそのとおりですが、ここは結構上下するんです、あとは「分からない」と中間の人がいて。だから不支持率というのは結構根雪的になっていくんですよね。
ですからこの集団的自衛権を巡る漠然とした不安、戦争への道を切り開くんじゃないか、安倍政権というのはそういう性格を持っているんじゃないかというような不安、そういうものがどういうふうに秋以降展開していくのか非常に注視をしています。
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