第66弾!社団法人日本損害保険協会副会長への「裏下り」について
2010年11月11日 国会活動 | 活動報告 tag: 質問主意書、天下り、裏下り
十月十三日の衆議院予算委員会において、社団法人日本損害保険協会(以下、損保協会という。)の副会長ポストに、過去十代以上に渡って大蔵・財務官僚OBが指定席のように再就職している問題について、私が「裏下り」にあたるのではないかと指摘した際、仙谷由人官房長官は「甚だその種のものであるにおいが強いことを私も認めます。」と答弁した。
よって以下質問する。
一、
「裏下り」とは何か。政府の定義如何。官房長官も「裏下り」という概念を認め、それを前提に答弁しているので、明確に答えられたい。
二、
この答弁は、一、の意味での「裏下り」を認めたものと理解してよいか。
三、
このポストへの再就職について、これまで、政府としてどのような調査を行ったのか。衆議院内閣委員会等での政府答弁等によれば、損保協会所管の金融庁担当課が損保協会に問い合わせた結果、「前任者の坂篤郎氏(現日本郵政副社長)からの紹介で協会が検討した結果、適任と判断した」とのことだが、その通りと理解してよいか。
四、
予算委での官房長官答弁を受けて、政府としてさらなる調査を行うべきではないか。三、のような調査は調査とは言えず、国民の納得する調査を行うべきと考えるが、見解如何。
五、
本件は明らかな「裏下り」であり、これさえ「裏下り」と認めないのであれば、「裏下り」は一切ないというのと同じである。損保協会副会長からの退任など具体的措置を取るべきと考えるが、政府の見解如何。
六、
各府省による「天下り」(再就職)のあっせんの禁止にとどまらず、菅直人内閣は、本件に限らず、このような「裏下り」も根絶する方針と理解してよいか。
右質問する。
答弁書
内閣衆質176第125号
平成22年11月12日
内閣総理大臣臨時代理
国 務 大 臣 仙谷 由人
衆議院議長 横路 孝弘 殿
衆議院議員江田憲司君提出社団法人日本損害保険協会副会長への「裏下り」に関す
る質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江田憲司君提出社団法人日本′損害保険協会副会長への「裏下り」に関する質問に対する答弁書
一について
「裏下り」については、一般的に定義されているものではないが、例えば、府省庁によるあっせんの事実は確認されていないものの、事実上の天下りあっせん慣行があるのではないかとの疑念を抱かせるような退職した公務員の再就職がこれに該当するものと考えている。
二について
お尋ねの仙谷内閣官房長官の答弁は、昨年十一月の「副会長ポスト」への再就職が国民の疑念を招いたとの趣旨を述べたものである。
なお、昨年十一月の「副会長ポスト」への再就職については、先の答弁書(平成二十一年十一月二十日内閣衆質一七三第七三号)二についてでお答えしたとおりである。
三から五までについて
昨年十一月の「副会長ポスト」への再就職については、金融庁において、社団法人日本損害保険協会(以下「協会」という。)に対し、当該特例社団法人を所管する立場から、事実関係の確認を行ったところであり、協会によると、前任者から紹介され、協会として検討した結果、最適任者と判断して就任を要請したとのことである。
政府としては、再就職等規制に抵触する疑いのある具体的な事実が判明しているわけではないため、現時点では、更に調査を行うことは考えていない。
また、協会によると、昨年十一月に就任した副会長については、識見・人格とも申し分なく、最適任者と考えているとのことであり、現時点では、何らかの措置を採ることは考えていない。
六について
「裏下り」については、一についてでお答えしたとおりであるが、退職した公務員が、同一府省庁出身者が何代にもわたって占めてきた特定の団体等のポストに再就職する場合については、当該府省庁の当該団体等に対する行政上の権限、契約、補助金等の関係及び当該再就職の経緯について精査していく必要があると考えており、その実態について、総務省において調査を行っているところである。また、公務員の再就職については、府省庁による再就職あっせんの禁止、政府関連公益法人の徹底した見直し、独立行政法人の役員ポストの公募、独立行政法人自体の抜本的見直し等を通じ、適正化を進めていくことが必要と考えている。
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