後期高齢者医療制度の問題点の点検と実態調査に関する質問主意書
福田康夫内閣総理大臣は、4月30日の記者会見で、後期高齢者医療制度について、次回の年金天引きが行われる6月13日までに制度の問題点を集中的に点検し、緊急対策をまとめる考えを表明した。また、舛添要一厚生労働大臣も同日の記者会見で、後期高齢者医療制度の保険料に関する実態調査を次回の年金天引きまでに行う方針を明らかにした。よって、以下質問する。
一 、
政府は現時点で、後期高齢者医療制度の問題点が何であると認識しているか。
二 、
実態調査を行うとのことだが、その対象、調査項目は何か。国民に広く周知し、この制度への理解を深めるためにも、具体的に明らかにされたい。
三 、
二、の実態調査には、以下の項目が含まれるか否かを明らかにされたい。
(1)
本年四月から、全国で年金から保険料を天引きされた被保険者数とその保険料総額。
(2) 本来徴収すべき保険料よりも、過大な保険料を年金から天引きしてしまった件数と過大徴収された保険料総額。その要因。
(3) 本来の保険料よりも、過少な保険料を年金から天引きしてしまった件数と不足した保険料総額。その要因。
(4) 本年四月からの年金天引きが間に合わなかった自治体数と全体に占める割合。その要因。
(5) 新制度導入による保険料と、それまでの国民健康保険料との自治体毎の増減。その額。
(6) 保険料の負担軽減措置として、公費を投入している広域連合とその投入額。
(7) 国民年金のみで生活をしている後期高齢者世帯が負担する保険料の全国平均額と従前の国民健康保険料のそれとの比較。
(8) 後期高齢者医療制度の保険証が被保険者本人に届いていない事例数と対処状況。その要因。
右質問する。
後期高齢者医療制度の問題点の点検と実態調査に関する質問主意書に対する 答弁書
内閣衆質169 第350号
平成20年5月13日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平
衆議院議員江田憲司君提出
後期高齢者医療制度の問題点の点検並びに実態調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江田憲司君提出
後期高齢者医療制度の問題点の点検並びに実態調査に関する質問に対する答弁書
一について
政府としては、後期高齢者医療制度を創設した理念や制度の骨格について適切なものと考えているが、被保険者に被保険者証が届いていない事案、保険料の年金からの特別徴収の方法による徴収に係る事務手続に誤りがあった事案等が生じていることから、制度の施行に当たり事務手続において注意すべき点があったものと考えている。
二について
お尋ねの実態調査は、被保険者の保険料負担に係る各市町村の傾向並びに被保険者に被保険者証が届いていない事案や、保険料の年金からの特別徴収の方法による徴収に係る事務手続に誤りがあった事案が生じたこと等の運用面の問題に係る要因及びその対応状況等について調査を行うものであり、現在、その詳細について検討をしているところである。
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