第45弾 年金記録問題発生に係る責任問題に関する質問主意書、及び、その答弁書
2007年11月 5日 国会活動 | 活動報告 tag: 年金記録問題 , 年金記録問題検証委員会 , 責任問題
年金記録問題発生に係る責任問題に関する質問主意書
年金記録問題検証委員会報告書(以下「報告書」という。)が指摘した「年金記録問題発生の責任の所在」を踏まえ、以下質問する。
一 、
報告書は、「歴代の社会保険庁長官を始めとする幹部職員の責任は最も重い」としているが、
(1)
今回、検証委が聴取できた社会保険庁長官は三人のみと報道されているが、その固有名詞と聴取内容を明らかにされたい。
(2) 「最も重い責任」がある歴代社会保険庁長官が、検証委の調査・検証に協力するのは当然のところ、(1)以外の歴代社会保険庁長官が検証委聴取を拒否したことは言語道断である。その拒否理由を、歴代社会保険庁長官毎に国民の前に明らかにされたい。
(3) 仮に、(2)で個別に明らかにできない場合、拒否理由毎に、その人数を明らかにされたい。
(4) 「最も重い責任」があるとされた歴代社会保険庁長官に対し、今後、国民に対しどのような責任の取り方を求めていくのか。退職金の返上や、年金記録の名寄せ作業等に係る費用の弁償を含め、具体的な政府の方針を問う。
二、
報告書は、「事務次官を筆頭とする厚生労働省本省の関係部署の幹部職員にも重大な責任がある」としているが、
(1)
今回、検証委は歴代事務次官他本省幹部職員の聴取は行ったのか。行わなかったのなら、その理由如何。
(2) 「重大な責任」があるとされた歴代事務次官他本省幹部職員に対し、今後、国民に対しどのような責任の取り方を求めていくのか。退職金の返上や、年金記録の名寄せ作業等に係る費用の弁償を含め、具体的な政府の方針を問う。
三、
報告書は、「厚生労働大臣についても、組織上の統括者としての責任は免れない」としているが、今後、どのような責任の取り方を求めていくのか。具体的な政府の方針を問う。
四、
報告書は、「職員団体においても、年金記録の適切な管理を阻害した責任がある」としているが、今後、どのような責任の取り方を求めていくのか。具体的な政府の方針を問う。
五、
報告書は、「システム開発事業者が、記録を全く保存していないことは、その責任は免れない」としているが、
(1)
そのシステム開発事業者とは誰か。
(2) 今後、そのシステム開発事業者に対し、どのような責任の取り方を求めていくのか。年金記録の名寄せ作業等に必要な新しいシステム開発に係る費用の肩代わり等を含め、具体的な政府の方針を問う。
右質問する。
年金記録問題発生に係る責任問題に関する質問主意書に対する答弁書
内閣衆質168 第185号
平成19年11月13日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
年金記録問題発生に係る責任問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江田憲司君提出
年金記録問題発生に係る責任問題に関する質問に対する答弁書
一の(1)から(3)までについて
政府としては、年金記録問題検証委員会(以下「検証委員会」という。)による社会保険庁長官経験者からのヒアリングについては、特定の時期の長官経験者の責任を追及するためではなく、年金記録の管理業務などに詳しいと考えられる者から、社会保険庁の業務運営上の問題などについて検証をする上で必要な情報を収集するために行われたものであり、そのような観点から、村瀬清司氏、真野章氏及び佐々木典夫氏について行われたものであると承知している。また、この3 名以外の社会保険庁長官経験者について、検証委員会としてヒアリングを求めたことはないものと承知している。
一の(4)及び二の(2)について
歴代厚生労働事務次官等については、既に本年6月に、厚生労働事務次官から、歴代厚生労働事務次官に対して、厚生労働事務次官及び社会保険庁長官から、歴代社会保険庁長官に対して、また、社会保険庁長官から、平成19年6月29日現在で社会保険庁に在籍していた職員及び昭和37年の社会保険庁創設以来同庁に在籍し一定の役職以上の経験があった元同庁職員に対して、それぞれ賞与相当額の全部又は一部の自主返納等を求めているところであるが、政府としては、これらの者は、今回の総務省年金記録問題検証委員会報告書(以下「報告書」という。)において指摘されている責任の重さを十分認識し、率直な反省を行うべきであると考えており、自主返納等を行うか否かについても、報告書における指摘を踏まえて、それぞれが判断すべきものであると考えている。
二の(1)について
政府としては、検証委員会においては、厚生事務次官経験者及び厚生労働事務次官経験者からのヒアリングは行われていないが、年金問題の発生の経緯、原因、責任の所在等について検証するために厚生労働省本省幹部職員を含む関係者からの必要なヒアリングは行われていると承知している。
三について
報告書において歴代厚生労働大臣等の組織所の統括者としての責任が指摘されているが、これについての対応も、それぞれの歴代厚生労働大臣等が判断するものであると考えている。
四について
政府としては、職員団体としても、報告書における指摘を踏まえ、適切に対応するものと認識している。
五の(1)について
報告書とともに公表された報告書説明書においては、オンライン化切替時における不備データに関する記録を保存していない株式会社エヌ・ティ・ティ・データの責任について言及されているところであり、お尋ねのシステム開発事業者とは、同社のことであると考える。
五の(2)について
政府としては、御指摘のシステム開発事業者は、今後、年金記録の名寄せ等の実施のためのシステム開発に係る業務等を適切に実施することによってその責任を果たしていくべきものと考えている。
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