イラク戦争転用に係る米艦元艦長の証言に関する質問主意書
2007年09月22日付朝日新聞(夕刊一面)によれば、米空母エンタープライズのロナルド・ホートン艦長にインタビューしたとして、「艦長は05年当時、佐世保基地に所属する米軍揚陸艦ジュノーの艦長としてペルシャ湾周辺に展開。『当時は、いまよりも頻繁に海自の補給艦から給油を受けた。日本の貢献は絶大だった』と述べた。(中略)艦長の説明や米海軍の資料によると、ジュノーは05年当時、イラクの自由作戦(OIF)の一環として、沖縄に駐留する海兵隊をイラク国内に投入するためペルシャ湾北部に派遣。この間、インド洋のアデン湾などで海自の補給艦から3回にわたって燃料、食料の補給を受けたという。」という記事を掲載した。よって以下質問する。
一 、
海自の補給艦が、米軍揚陸艦ジュノーに対し、インド洋のアデン湾などで3回にわたって燃料、食料の補給をしたというのは事実か。
二 、
05年当時、米軍揚陸艦ジュノーが「イラクの自由作戦」(OIF)に従事していたことを政府は認識していたか。それとも「不朽の自由作戦の海上阻止行動」(OEF-MIO)に従事していたと確認して給油したのか。
三 、
このように、具体的に問題点や疑惑が指摘された場合には、軍事上の機密等を理由に答弁を拒むのでなく、早急に米国政府または米軍に事実関係を問いただし、その結果を明らかにし、国民の疑念を払拭すべきではないか。米国の回答如何。
右質問する。
イラク戦争転用に係る米艦元艦長の証言に関する質問主意書に対する答弁書
内閣衆質168 第58号
平成19年10月5日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
「イラク作戦の米艦に給油」との米軍揚陸艦ジュノーの元艦長の証言に関する質問主意書に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江田憲司君提出
「イラク作戦の米艦に給油」との米軍揚陸艦ジュノーの元艦長の証言に関する質問に対する答弁書
一及び二について
海上自衛隊の補給艦は、平成17年1月17日及び同年2月23日、インド洋おいて米揚陸艦「ジュノー」に対して燃料の補給を実施した。同揚陸艦が我が国から補給を受けていた時期に不朽の自由作戦に従事していたことについては、同年当時、米側に確認済みである。なお、海上自衛隊の補給艦がこれらの日に同揚陸艦に食料の補給を実施したとの事実はない。
三について
我が国が米揚陸艦「ジュノー」に補給していた時期に、同揚陸艦が不朽の自由作戦に従事していたことについては、平成17年当時、米側に確認済みである。また、御指摘の報道については、米側から、「ジュノー」が「イラクの自由作戦」に従事していた旨をホートン元「ジュノー」艦長が発言したとの事実はないとの回答を得ている。いずれにせよ、海上自衛隊が米側に提供した燃料は、平成13年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成13年法律第113号)の趣旨に沿って適切に使用されているものと認識している。
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