ポスター等に係る公職選挙法の解釈に関する質問主意書
ポスター等に係る公職選挙法の解釈について問う。
一 、
「公職の候補者等」(公職の候補者、公職の候補者となろうとする者及び公職にある者をいう。)の個人の政治活動用ポスターについて
1.
公職の候補者等の個人の政治活動用ポスターは、公職選挙法上、どのような要件の下に許されているのか。政党所属の公職の候補者等に限られるのか、その公職の候補者等が所属する政党、政治団体あるいは個人後援会の名称を表示する必要があるのか、掲示責任者、印刷者等の表示をする必要があるのか等を含め回答されたい。
2.
1.の要件を前提に、公職の候補者等の個人演説会の日程や場所等を告知するポスターであって、次に掲げるものは公職選挙法違反か否か。
(1)
その演説会の弁士として、その公職の候補者等1人だけの顔写真や名前を大書しているポスター。
(2)
その演説会の弁士として、その公職の候補者等を含め2人(または3人)の顔写真や名前を大書しているポスター。
(3)
その演説会の開催日時が経過しているのに、引き続き掲示されているポスター。
(4)
その演説会が実際に開催されなかった場合の、当該ポスターの掲示。
二 、
いわゆる「政党ポスター」について
1.
いわゆる「政党ポスター」とは何か。公職選挙法によれば「政党その他の政治活動を行う団体」が作成するポスターと解されるが間違いないか。
2.
また、この場合にいう「政治活動を行う団体」とは何か。公職の候補者等個人の政治団体、後援会等を含むのか。
3.
「政治活動を行う団体」が、政党の政治活動用ポスターと同じ法的要件を具備すれば、政党のポスターと同じく、そのポスターを掲示できると考えてよいか。念のため確認する。
4.
選挙時報(平成13年12月)の「解説選挙関係実例判例」の記述によれば、政党の演説会告知用ポスターの一般的な外形的判断について、
(1)
「複数の弁士を同様に取り扱っている場合であっても、公職の候補者等の紹介に係る記載部分の面積が、各々について、弁士等個人の紹介に係る部分を除いた純然たる政党の記載部分の面積を超えているものは個人用との認定を受けよう」とあるが、同じ見解か。
(2)
同じく、その「純然たる政党部分とは、党首の記載部分は含まれないし、余白部分などは態様にもよるが、どちらにも含まれないと考えられる」とされているが、同じ見解か。
(3)
同じく、「政党の政治活動という以上は、純然たる政党の記載が一定以上必要と考えざるを得ないであろう」とされているが、ここにいう「一定以上」とは、どの程度を指すのか、具体的な基準を示されたい。
(4)
以上のような、いわゆる「政党ポスター」について、その要件の具備等適法性につき、総務省あるいは各地方自治体の選挙管理委員会として、どのように審査し許可しているのか。また、実際に違反を摘発すべき警察当局とは、どのような連携をとっているのか。
5.
以上を前提として、いわゆる政党ポスターが法的に許される要件を同じように具備していれば、次のようなポスターを掲示することは可能か。
(1)
弁士・甲が市議会議員選挙候補者で、弁士・乙が無所属の現職衆議院議員であり、乙の選挙区内に甲の選挙区が全て包含されている場合において、乙の後援会・丙が主催する演説会の告知ポスター。
(2)
弁士・甲が無所属の衆議院議員選挙候補者で、弁士・乙が現職の無所属市議会議員であり、甲の選挙区内に乙の選挙区が全て包含されている場合において、乙の後援会・丙が主催する演説会の告知ポスター。
三 、
公職選挙法の運用、取締りの公平性、政治的中立性について
1.
およそ公職の候補者等が公職選挙法を遵守すべきことは当然ではあるが、公職選挙法を運用すべき総務省及び各地方自治体選挙管理委員会は、違反事例はあまねく公平に取り締まることも当然のことであると考える。また、その運用が、ゆめゆめ党派により、現職候補者か新人候補者かにより、差別的に取り扱われることのないよう、その政治的中立性を堅持すべきことも当然と考える。公職選挙法の運用、取締りの公平性、政治的中立性について、総務省はどう考えているのか。
2.
公職選挙法の運用、取締りの公平性、政治的中立性の観点から、問題事例が見受けられる場合は、総務省が各地方自治体選挙管理委員会を指導、是正すべきと考えるが、それで良いか。
右質問する。
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