大相撲の八百長疑惑に関する質問主意書
一部で大相撲の八百長疑惑が報道され、問題が訴訟の場に持ち込まれる事態になったことに鑑み、以下質問する。
一 、
「国技」とは何か。政府として「国技」と認定する基準、考え方等はあるか。
二 、
大相撲は「国技」か。その理由如何。他に「国技」とされる競技スポーツはあるか。
三 、
競技スポーツのうち、その優勝者(チーム)に、天皇賜杯または天皇杯が授与されている種目は何か。また、その授与する基準は何か。
四 、
競技スポーツのうち、その優勝者(チーム)に、内閣総理大臣杯または内閣総理大臣賞が授与されている種目は何か。また、その授与する基準は何か。天皇賜杯または天皇杯が授与される場合との基準の差異如何。
五 、
八百長疑惑報道以降の一連の事態の推移について、(財)日本相撲協会から、これまで所管官庁たる文部科学省に、どのような報告が行われているのか。疑惑については事実無根という報告が行われているのか。
六 、
文部科学省として、このような疑惑がもたれたことに関し、(財)日本相撲協会に対し、どのような指導、助言をしてきたのか。
七 、
大相撲が国技であり、幕内優勝者には、天皇賜杯、内閣総理大臣杯が授与されることに鑑みれば、司法(訴訟)の場だけではなく、行政の立場からも、政府は、自ら真相究明に動き、その結果について国民に説明責任を果たすべきではないか。
右質問する。
大相撲の八百長疑惑に関する質問主意書に対する 答弁書
内閣衆質166第55号
平成19年2月20日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
大相撲の八百長疑惑に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江田憲司君提出
大相撲の八百長疑惑に関する質問に対する答弁書
一及び二について
相撲が国技と称されていることは承知しているが、国技の認定の基準、考え方等を政府として定めたものはなく、大相撲が国技であるか否か、また、他に国技とされる競技スポーツがあるか否かをお答えすることは困難である。
三及び四について
競技スポーツに係る天皇杯は、宮内庁への願い出に基づき、競技スポーツの大会が全国規模のものか、種目が国民に広く普及しているか等の観点から適当と認められるものについて下賜されることとされており、これまで柔道、野球、サッカー等の種目の大会について下賜されている。また、天皇賜杯は、財団法人日本相撲協会(以下「協会」という。)の前身である団体が大正14年に下賜された賜金で制作したものであり、今日でも協会が主催する相撲の大会において優勝した力士に授与されているものと協会から聞いている。
他方、競技スポーツに係る内閣総理大臣の賞状は、内閣総理大臣への申請に基づき、スポーツの振興に極めて顕著な功績又は功労のあったと認められる者について交付されることとされており、これまで相撲のほか、柔道、野球、サッカー等の種目の大会について交付されている。スポーツ競技の大会の主催者から内閣総理大臣杯の名称の使用について、内閣総理大臣に申請があった場合についても、内閣総理大臣の賞状の場合と同様の基準により、その可否が決定されている。
五から七について
文部科学省においては、御指摘の報道について、平成19年2月6日に協会より聴取したところ、協会において関係者に対する事情聴取を行ったが、報道内容が事実ではないことを確認した旨の報告を受けた。文部科学省としては、御指摘の報道について、協会に対し、公益法人として適正な業務運営を行うよう指導したところであるが、大相撲の運営は協会が主体的に行うべきものであることから、関係者に対して直接調査を行うことは考えていない。
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