道路特定財源の見直しに関する質問主意書
標記について、政府が閣議決定(平成18年12月8日)した内容、その意味について問う。
一 、
「税収全額を道路整備に充てることを義務づけている現在の仕組みを改め、08年の国会で所要の法改正を行う」とされているが、
(1)
この「税収」に「揮発油税」を含むことを念のため確認されたい。ちなみに、安倍首相は与党との協議会(平成18年12月8日)で「揮発油税を含め、すべての道路特定財源を対象とすべきだとの原則にのっとった具体策をまとめた」と、揮発油税も対象との考えを示したと報道されている。
(2)
所要の法改正(08年)では、揮発油税を含む税収の全額について、道路整備にあてる義務づけをなくす文言を規定するのか。そうであるなら、これにより国の道路歳出に係る「特定財源」という制度、仕組み、用語はなくなると解してよいか。
(3)
それとも、「道路歳出を上回る税収は一般財源とする」という意味は、「税収全額から道路歳出に見合う額を引いた額」(余剰分)だけを例外的に一般財源化し、引き続き、道路歳出に見合う税収は特定財源とする趣旨か。
(4)
この関連で、法改正(08年)後も「道路整備特別会計」は維持するのか。
二 、
道路関係諸税の多くについては、従来から「道路整備を急ぐ」との理由で本来の税率より高い「暫定税率」が適用されてきたが、一般財源化後も、その「暫定税率」を維持する理由を、どう国民に説明するのか。わかりやすく述べられたい。
三 、
今回、見直しの対象外とされた地方分の「道路特定財源」(約2.2兆円)の一般財源化はどう進めていくのか。あるいは今後とも見直すつもりはないのか。見直さないのならば、小泉内閣当時の「一般財源化」の方針との整合性如何。
右質問する。
道路特定財源の見直しに関する質問主意書に対する 答弁書
内閣衆質165 第232号
平成18年12月19日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
道路特定財源の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江田憲司君提出
道路特定財源の見直しに関する質問に対する答弁書
一の(1)について
「道路特定財源の見直しに関する具体策」(平成18年12月8日閣議決定。以下「具体策」という。)3.(1)に記載された「税収」は、揮発油税の収入額を含むものである。
一の(2)について
平成20年に行う法改正は、具体策3.(1)に記載されているとおり、税収の全額を、毎年度の予算で道路整備に充てることを義務付けている現在の仕組みを改めるものである。
一の(3)について
一般財源とする対象は、具体策3.(2)に記載されているとおり、毎年度の予算において、道路歳出を上回る税収の部分である。
一の(4)について
簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成18年法律第47号)第20条第1項の規定により、道路整備特別会計については、平成20年までに治水特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計及び都市開発資金融通特別会計と統合することとされている。
二について
今般の見直しについては、例えば、今後の具体的な道路整備の姿を示した中期的な計画を作成すること、国民の要望の強い既存の高速道路ネットワークの効率的な活用及び機能の強化を図るための措置を講ずることとしていること等、全体として納税者の理解が得られる内容のものとするほか、厳しい財政事情及び環境面への影響にも配慮し、平成20年度以降も現行の税率の水準を維持するものとしている。
三について
地方の道路特定財源については、地方の道路整備に対するニーズや、地方の道路事業に占める特定財源の状況等を踏まえ、今後、議論していくべきものと考えている。
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