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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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第10弾 いわゆる「いじめ問題」に関する質問主意書、及び、その答弁書

2006年12月11日 国会活動 | 活動報告 tag: , ,

いわゆる「いじめ問題」に関する質問主意書

一 、
 昨年(2005年)までの7年間、いじめによる子供の自殺件数を「0」としていた調査結果が問題とされたが、文部科学省は、これを受け、いじめの実態把握について、どのような措置をとったのか。左記の点について答えられたい。
 
(1)
「いじめによる自殺」と認定するメルクマールや調査票の改善
(2)
教育委員会による実態把握における改善措置
(3)
学校現場、特に教師による実態把握における改善措置

二 、
いじめた子供本人やその親への対応について、政府の見解を問う。
 
(1)
いじめた子供本人への教育や指導のあり方をどう考えているか。また、その基本的考え方に基づき、具体的にはどのような方策を検討しているか。
(2)
この関連で、教育再生会議の中間報告とりまとめの過程で、いじめた本人を「出席停止して教育する」との意見が出たというが、その是非如何。ちなみに、伊吹文明文部科学大臣は参院教育基本法特別委員会等の場で「出席停止は文科省が教育委員会に通知しており、現在でもできる。ただ、一律にやることは慎重でありたい」と述べ、その理由について「教育権の問題もあるし、出席停止から戻った場合の子どものグループでの位置がどうなるのかとの問題もある」と指摘している。
(3)
いじめた子供の親の責任をどう考えたらよいか。英国では、いじめられた側が訴えれば、いじめた子の親に千ポンドの罰金を課すなどの施策が検討されているという。我が国では「いじめた子供の親」にどのような措置を具体的に講じていくべきか。

三 、
 安倍首相は、いじめ問題に対応するため、子供や保護者からの電話相談窓口(24時間体制)を全国に整備する方針(新宿区立牛込仲之小学校視察時での発言・平成18年12月7日)と聞いているが、
 
(1)
具体的には、どこで誰が対応するのか。
(2)
電話番号は、110番、119番のように、全国統一の簡易なかけやすいものにすべきではないか。
(3)
その財源はどうするのか。
(4)
既存の電話相談窓口(警察庁、法務省、NPO等が既に実施)との役割分担、調整はどうするのか。
(5)
英国等では、電話会社等の協力も得て相談窓口等を設置している事例が見受けられるが、日本でも巨額の利益をあげている会社の社会的責任として、電話会社等に応分の負担、協力(例:料金負担、コールセンターの提供、オペレーター派遣等)を求めるべきではないか。
(6)
英国等では、子供が「匿名メール」で学校や教師に相談する仕組みがあると聞くが、第三者による公的な電話相談窓口だけでなく、実際いじめが発生している学校現場での、相談しやすい(相談したことが知られない、不利にならない)相談窓口、方法等を検討すべきではないか。
(7)
いじめを受けながらも教師に相談することを嫌がる生徒が多いという事情に鑑み、英国等では、最高学年で信頼の厚い生徒を「指導者」として選び、教師と協力していじめを防止していくという計画があるという。このような仕組みをどう評価しているか。

    右質問する。


いわゆる「いじめ問題」に関する質問主意書に対する 答弁書

内閣衆質165 第231号
平成18年12月19日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
いわゆる「いじめ問題」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員江田憲司君提出
いわゆる「いじめ問題」に関する質問に対する答弁書

一の(1)について
 いじめを含む児童生徒の自殺の原因に関する調査方法については、現在、専門家の意見も参考にしながら、自殺の原因の把握方法、調査票の改善等を含めて検討しているところである。

一の(2)及び(3)について
 文部科学省としては、いじめは、どの子どもにも、どの学校でも起こり得るという認識の下で、教育委員会に対し、点検すべき具体的な項目を示しつつ、問題を隠すことなく、実態を把握し学校全体で組織的に対応すべきこと、教職員間での緊密な情報交換及び家庭・地域との連携を図るべきこと、教育相談体制の充実等により、いじめの早期発見及び早期対応に努めるべきこと等を通知したところである。また、各学校に対しても、教育委員会を通じ、同様の趣旨の周知徹底を図ったところである。

二の(1)について
 文部科学省としては、いじめを行っている児童生徒に対しては、教育委員会及び学校による「いじめは絶対に許されない」という観点に立った毅然とした対応が必要であると考える。具体的な教育及び指導の方策については、このような基本的な考え方に立ちつつ、いじめの態様が多種多様であるため、個々の事案に応じた対策を講じるよう教育委員会を指導するなどしてまいりたい。

二の(2)について
 教育再生会議においては、指導にかかわらずいじめを繰り返す児童生徒に対し、出席停止を含め、厳しい対応をとることについて、現在、議論が続けられているところである。文部科学省としては、従来から出席停止制度の適切な運用について通知しているところであり、今後とも指導に努めてまいりたい。

二の(3)について
 文部科学省としては、いじめの問題が発生した場合には、学校及び教育委員会において、いじめを行った子どもの保護者と緊密な連携を図りつつ、これらの保護者に対して、適切な役割を果たすよう働きかける必要があるものと考えている。

二の(4)について
 現在、小学校、中学校及び高等学校等においては、例えば、国家や社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について調べること等を通じて、我が国の国土、歴史、文化等について理解を深め、我が国に対する愛情を育てる指導が行われており、法案が成立した後においても、このような指導の充実を図ってまいりたい。

三の(1)から(4)について
 文部科学省においては、現在、全国の都道府県及び政令指定都市の教育委員会が教育上の目的から行っている電話による教育相談の受付を夜間及び休日にも行うことができるようにするため、平成18年度補正予算に所要の経費を計上することを要求しているところである。また、現在、教育委員会、都道府県警察、法務局及び地方法務局、児童相談所並びに特定非営利法人等においては、教育、非行対策、人権擁護、児童福祉等それぞれの目的に応じて、子どものための電話による相談の受付が行われており、今後とも、これらの実施主体がそれぞれの目的を踏まえながら、相互に協力することによって調整を図っていくことが重要であると考えている。また、教育委員会が行う電話による教育相談の電話番号を全国で統一された利用しやすいものとすることについては、現在、具体的な方法を検討しているところである。

三の(5)について
 教育委員会が行う電話による教育相談について、民間事業者に対し、法律上の根拠なく負担を求めることは適当ではないと考えるが、民間事業者の自発的協力を求めることに関しては、どのような協力要請が適当であるか等について検討してまいりたい。

三の(6)について
 文部科学省においては、スクールカウンセラーの配置により、児童生徒が相談しやすい学校における教育相談体制の整備を進めているところである。また、例えば、学校に投書箱を設置するなどの取組の事例についても全国に紹介してまいりたい。

三の(7)について
 いじめの態様は多種多様であり、個々の事案に応じた対策を講じることにより適切な解決が図られるべきものと考えており、御指摘の英国等における取組のように、子どもが他の子どもの相談役となっていじめ問題の解決を図る方法についても、事案によっては、一つの特色ある取組となり得るものと考えている。

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